半兄ローズキングダム、母ローズバドの良血牝馬ドリーミートーツ
●シャルロッカ(牝 栗東・吉田直弘 父タニノギムレット、母ズブロッカ)
母ズブロッカはGIを7勝した女傑ウオッカの半妹にあたる良血。現役時代は未勝利に終わったが、血統的に期待される存在なので、繁殖牝馬としていいところがあるかもしれない。本馬の父はタニノギムレット。したがってウオッカと4分の3同血(父が同じで母が親子)となる。ウオッカとの違いは母の父にアグネスデジタルが入る点。この馬が走るようなら、母はまだ若い繁殖牝馬だけに、これからの楽しみが大きい。芝向きの中距離タイプ。
●ドリーミートーツ(牝 栗東・橋口弘次郎 父ジャングルポケット、母ローズバド)
母ローズバドはフィリーズレビュー(GII)とマーメイドS(III)を勝ったほか、GIでも2着を重ねた追い込みの名牝。繁殖牝馬としても優れており、ジャパンC(GI)、朝日杯フューチュリティS(GI)など重賞を5勝したローズキングダム(父キングカメハメハ)を出している。これまでに送り出した4頭の産駒はすべて勝ち上がっているように確実性もある。父ジャングルポケットはサンデーサイレンス牝馬と相性がよく、アヴェンチュラ、トールポピー、ジャガーメイル、ダイワファルコンをはじめ多くの重賞勝ち馬を出している。本馬は母方の奥にShirley Heightsが入るのでトーセンキャプテン(07年アーリントンC-GIII)と同じ。芝向きの中距離タイプ。
●ショウワダンディ(牡 美浦・杉浦宏昭 父シンボリクリスエス、母ゲルニカ)
半兄エイシンオスマン(父ロックオブジブラルタル)はニュージーランドT(GII)の勝ち馬。母ゲルニカは南米アルゼンチンでG1を4勝した名牝。社台グループは世界各地の名牝を購買しており、北半球だけでなく南半球にも目配りしている。本馬はその1頭。南米血統は見慣れないものも少なくないが、ゲルニカはアメリカ血統の含有率が高いので判断に迷うタイプではない。シンボリクリスエスとの交配で誕生した本馬は持続力と馬力に秀でたタイプだろう。芝・ダート兼用でマイル前後に適性がありそうだ。
●ダイワモンド(牝 美浦・菊沢隆徳 父ダイワメジャー、母サウンドバイト)
父ダイワメジャーはダンシングブレーヴを持つ繁殖牝馬と相性がよく、このパターンからトーセンベニザクラ、ダローネガ、オメガホームラン、サンブルエミューズなどの活躍馬が続出している。全姉ダイワミストレスもその1頭で、フェアリーS(GIII)3着という成績がある。Halo≒La Menina≒Drone≒Turn to Reason 3・5×5・4は、父の配合構成の中核であるRoyal ChargerとMahmoudの組み合わせを継続するものであり評価できる。姉を超える活躍を期待したい。
●ニホンピロオーロラ(牝 栗東・作田誠二 父マンハッタンカフェ、母ニホンピロビオラ)
母ニホンピロビオラは現役時代4勝。ダート戦を中心に走り1000万条件まで出世した。2代母ニホンピロピュアーは名マイラーとして名高いニホンピロウイナーの半妹にあたる。父マンハッタンカフェはMr.ProspectorとNijinskyを併せ持つ繁殖牝馬と相性がよく、このパターンからイコピコ、レッドアゲート、サンディエゴシチー、メイショウレガーロ、マンハッタンスカイ、エーシンモアオバーなど多数の活躍馬が出ている。芝向きのマイラー。
●パシャドーラ(牝 美浦・藤沢和雄 父ハーツクライ、母アルゼンチンスター)
青葉賞(GII)を勝ち、天皇賞・秋(GI)で2着となったペルーサの半妹。母アルゼンチンスターの全姉Differentは、アルゼンチンでチャンピオンに輝き、アメリカ移籍後もG1を勝った。異系のアルゼンチン血統を多く含んだ母だけに、どんな産駒が出てくるのか予測がつきがたいが、芝中距離でピリッとした脚を使えるようなら上級クラスまで出世しそうだ。