勢いのある3歳馬に百戦錬磨の古豪、さらにメキメキと力を付けてきた新興勢力が集い、ハイレベルな戦いが予想されるジャパンCダート。そんななか、ここで注目するのは、前走JBCクラシックで圧巻のGI初制覇を飾ったワンダーアキュートだ。主戦・和田竜二にとっても、実に11年半ぶりのGI勝利となった前走。はたしてそこで、どんな手応えを得たのか──。和田の本音に迫った。(取材・文:不破由妃子)
「俺は絶対に腐らない。それだけは断言できる」
以前、“テイエムオペラオー以降”の苦悩を淡々と語りながら、最後にこう力強く結んだ和田竜二。その言葉の裏側にあるのは、いうまでもなく「このままじゃ終われない」という強烈な思い。20代前半で歴史的名馬の主戦を務めるという、ある意味、特異な体験をした和田だからこそ、誰よりもその思いは強かったはずだ。
「もう勢いが違っていた」
そんな彼の11年越しの思いが、この秋、ついに実った。2012年11月5日、第12回JBCクラシック。長年のパートナー・ワンダーアキュートを駆り、5馬身差という圧倒的なトップゴールを切った。「抜け出すと気を抜いた」というオペラオーでのGI勝利は、ゴールの瞬間までハラハラドキドキであったという。しかし、今度ばかりは、直線半ばで勝利を確信した。
「もう勢いが違っていたからね。4コーナーを回った時点で人気の中央馬(トランセンド、ソリタリーキング、シビルウォー)が前に見えて