スマートフォン版へ

ジャパンCダート、ステイヤーズS、金鯱賞追い切り診断

  • 2012年11月29日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・ジャパンCダート(GI)
・エスポワールシチー
 佐藤哲三騎手の落馬負傷により、武豊騎手がフェブラリーS以来の手綱を握ることになった今回。フェブラリーS時にも最終追い切りには武豊騎手が跨ってのCW追いだったが、今回もまったく同じ状況での最終追い切りとなった。1週前追い切りでは7Fから時計になるくらいテンから飛ばしていたが、今週は武豊騎手が少しなだめると落ち着いた走りを見せて、平均的なペース。直線に向いてジョッキーが手綱をしごくと、それに合わせて脚の回転が速くなる走り。6F84.0〜5F68.5〜4F53.2〜3F38.6〜1F12.4秒は馬場状態を考慮すれば、決して遅くない時計。むしろ最後はしっかりと伸びていただけに、調教内容は高く評価したいところ。ただフェブラリーS時もこのくらい呼吸の合った動きを見せていて、結果的には5着だっただけに、そのあたりがレースでどのような結果になるのか読めない。

・トゥザグローリー
 宝塚記念以来のレースとなった前走天皇賞・秋は調教内容こそ悪くなかったものの、殿負けの18着。宝塚記念でも勝ち馬から3秒以上離されて負けており、ここで心機一転、ダート路線への変更となった。中間の調教内容は相変わらず豊富。坂路での15-15を含めると、20本近い調教量をこなしており、調教的には上積みは確実。最終追い切りにはC.ウィリアムズ騎手が跨ってCWでの3頭併せ。最内に入って、直線ではダノンカモンとの追い比べだったが、見た目以上に渋太い伸びを見せて先着。決して悪い印象は受けなかったが、逆に凄く良くなったという見た目でもなかっただけに、今回は判断の難しいところ。

・トランセンド
 ドバイWCから長期休養明けとなった上に、実績のない地方競馬場でのレースとなった前走。なんとかハナを奪って、レース後半の主導権は握ったものの、勝ち馬には大差をつけられてしまった。今年の入って勝ち星がないだけに、巻き返し可能か否かが大きなポイント。1週前にはCWで追い切られており、陣営も走る気迫を取り戻す調教に専念。最終追い切りもいつもの坂路ではなくDPを選択。時計自体は速いが、昨年までと違って、追い切り場所が変化している点、レースではブリンカーを着用する点など、2連覇した頃のトランセンドとは明らかに違う。これをどのように評価するか、調教的には決して大きな評価はできない。

◆土曜中山11R・ステイヤーズS(GII)
・フォゲッタブル
 2009年のこのレースの覇者。それ以降も出走して、5着、7着と少しずつ着順を落としてはいるが、6歳になっても追い切りの動きなどは相変わらず良く見せており、決して衰えは感じない。ただ前走アルゼンチン共和国杯時も追い切りの動きや競馬場での返し馬など素晴らしく見えたが、レースでは今ひとつの結果。今回も中間の調教本数などにはまったく気になるような点はないのだが、レースでの走りについては正直、ゲートが開いてみるまで分からないといった感じ。

◆土曜中京11R・ステイヤーズS(GII)
・ダノンバラード
 古馬になって初めてのオープン特別勝ちとなった前走。中2週と間隔を詰めての出走となるが、坂路での調教本数が減ったということなく、相変わらず、しっかりとした調教内容で出走することになりそう。新装中京競馬場になってから、芝2000mは2戦しているが、当時とは最終追い切り場所が違う。今回は前走時と同じ坂路だが、それと比べてラスト1Fはかなり時計が掛かった。馬場が悪かった分、仕方ないところだが、それでも1F13.9秒はかなり遅い。もともと最終追い切りは馬なりで軽く流して好走するタイプだけに、この追い切りが変なダメージにならなければと思ってしまう。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・ジャパンCダート(GI)
・イジゲン
 前走、武蔵野Sは2着ガンジスとの差が半馬身だったが、レース内容はまさに圧勝劇そのものと言えるほどの強さ。大きく出遅れから、道中は殿り追走。それが、3コーナーから早くもスパートをかけ、4コーナーでは先頭集団に並びかける大胆な戦法。残り400mで先頭に立ち、そのまま押し切ってしまう内容。それもが3歳馬というのだから驚きもの。その後、中2週でGIへ挑むローテーションも破天荒だが、28日の追い切りを見る限りはその反動はまったく見られない。OPストローハットを1.1秒追走から、ゴール前軽く仕掛けて併入。5F67.1〜3F38.5〜1F12.0秒の時計は平凡でも、このローテーションから考えればこれで十分。とにかく勢いと成長力はピカイチ。初のGIゲットの可能性も大と見た。

◆土曜中山11R・ステイヤーズS(GII)
・ネオブラックダイヤ
 ビシビシ追う厩舎ではないので、障害馬のスマートステージと併せ、サッと流した程度だが、稽古で跨った三浦騎手が押さえ切れないほどの勢い。気合い、馬体の張りが良く、好調子をキープしている。出世が遅れてしまったが、3歳時は菊花賞を視界に入れていたくらいで、長距離適性と厩舎の期待度は、かなりのもの。GIIといっても、状態面や距離適性が大きくモノをいうレース。穴に狙いたい。

◆日曜中山11R・ターコイズS(OP)
・トーセンベニザクラ
 前走の秋華賞。久々を叩かれての+12キロの体重。牝馬とはいえ少し太めに映った。レースでは中団でスムーズに折り合えたが、太いことと距離が長かったこともあってか手応えのわりに伸びず9着。この中間は馬体を絞るため、さらに負荷をかけ、1週前の追い切りでは終い目一杯追われ6F83.6〜上がり38.9秒を計示。ウッドでこれだけハードに追ったのは初めて。さすがに直前は5F68.7〜上がり39.3秒馬なりとセーブしたが、前走時とは体の切れが違ってきた。ベストの1600で切れ味発揮。

◆日曜中山11R・市川S(1600万下)
・セイウンジャガーズ
 休養後、なかなか調教ペースが上がってこなかったが、この中間は前2走とは一変。3週連続で65秒台をマーク、今週はポリトラックで65.1〜36.3秒。スタートで1.5秒、直線でもまだ3馬身は前にいたマシラを目標に、最後までしっかり追ってゴールイン。馬体に張りが戻り、気合のりも変わってきた。休養後の2戦はスローペースに泣かされたこともあり、状態を考えれば地力の高さは見せている競馬。状態面の上積みが大きく、東京ほど緩い流れにはならない中山マイルも大歓迎。好条件がそろい、狙い撃つ。

◆日曜中山11R・イルミネーションJS(OP)
・ビービースカット
前走の東京戦では気性の難しさを出して競走中止。調教再審査を課せられたが、横山義騎手が手綱をとるようになってからは悪い面をまったく見せずに、その試験も一発で無事に合格。ここが仕切り直しの一戦となる。もともとが抜群の飛越巧者でスタミナも豊富。東京コースに良績を残す馬だが、バンケットのある中山コースのほうがむしろ向いていると思えるほど。たとえば馬場が渋ったとしてもまったく問題はなく、巻き返しを狙っていることは間違いない。さらに、僚馬のマジェスティバイオの目標は、当然暮れの大障害。本気度ではこちらのほうが「断然上」としてよく、改めて注目する手だろう。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

美浦・栗東トレセンから有力馬の最終追い切り情報をどこよりも詳しくお届け!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング