●アイアムイシュタル(牝 栗東・荒川義之 父アグネスタキオン、母アイアムエンジェル)
母アイアムエンジェルはファルコンS(GIII)で2着となったスピード馬。2代母アイアムザウィナーは名繁殖牝馬で、アイアムエンジェルのほかにアイアムカミノマゴ(10年阪神牝馬S-GII)、アイアムアクトレス(11年ユニコーンS-GIII)、アイアムツヨシ(01年京王杯2歳S-GII・3着)、アイアムアドーター(準OP)などを産んでいる。本馬の父はアグネスタキオンなので、重賞を勝ったアイアムカミノマゴ、アイアムアクトレスと4分の3同血の関係になる。仕上がり早で芝・ダート兼用のマイラー。堅実に稼ぐタイプだろう。
●リグヴェーダ(牡 栗東・池江泰寿 父ディープインパクト、母ニキーヤ)
半兄ゴールドアリュール(父サンデーサイレンス)はダートGIを勝ちまくり、JRA賞最優秀ダートホースとNARグランプリ特別表彰馬に選ばれた名馬。このほか、ゴールスキー(10年マイルCS-GI・3着)、ニルヴァーナ(08年朝日チャレンジS-GIII・4着)、オリエントチャーム(05年チューリップ賞-GIII・4着)をきょうだいに持つ。父ディープインパクトと相性のいいNureyev、Vaguely Nobleが入り迫力満点。このほかNijinsky、Val de Loirなども添えられてダービー向きの重厚さと大物感が感じられる。母が17歳時の産駒、という点を差し引いても魅力的な存在だ。終いが切れるタイプであるなら大舞台が見えてくる。
●エーシンフィネース(牡 栗東・坂口正則 父スペシャルウィーク、母キャタリナ)
半兄エーシンピーシー(父Fusaichi Pegasus)はスプリングS(GII)3着馬、半姉エーシンクールディ(父Distorted Humor)は根岸S(GIII)4着馬。母方にStorm Catを持つスペシャルウィーク産駒は成功しており、ファイアーフロート、オースミダイドウ、ガンマーバースト、バイタルスタイル、ダイレクトキャッチ、ラナンキュラス、タガノエリザベート、モズ、クロワラモーなど多数の活躍馬が出ている。スペシャルウィークの母の父マルゼンスキーとStorm Catが互いによく似た血統構成であることが好相性の理由だろう。芝・ダート兼用のマイラー。
●サトノエクセル(牡 栗東・矢作芳人 父ウォーエンブレム、母バイラリーナ)
母バイラリーナはスイートピーS(OP)の勝ち馬で、4分の3弟にラジオたんぱ賞(GIII)を制したコンラッドがいる。繁殖成績は悪くなく、トワイニングとの交配でバイラオーラ(08年函館2歳S-GIII・5着)を産んだ。本馬の父ウォーエンブレムはそれと同じMr.Prospector系。「ウォーエンブレム×サンデーサイレンス」の組み合わせは、キングスエンブレム、エアパスカル、インプロヴァイズ、ダノンプログラマーなどを出しており実績がある。母方にForliを持つウォーエンブレム産駒は走っており、このパターンに当てはまる本馬は期待大。芝・ダート兼用の中距離馬だろう。
●センティナリー(牝 栗東・友道康夫 父フレンチデピュティ、母ジェイズジュエリー)
全兄アドマイヤジュピタ(父フレンチデピュティ)は天皇賞・春(GI)、阪神大賞典(GII)、アルゼンチン共和国杯(GII)を勝ったステイヤー。フレンチデピュティ産駒ながら長距離を得意としたのは、母が「リアルシャダイ×Assert」という豊かなスタミナに恵まれていたため。本馬は牝馬なので、兄のような図太いスタミナタイプにはならないと思われる。2400mまで守備範囲の芝中距離タイプだろう。
●ファーザモア(牡 栗東・池江泰寿 父アグネスタキオン、母ファーザ)
帝王賞(JpnI)[2回]、ジャパンダートダービー(JpnI)、全日本2歳優駿(JpnI)、かしわ記念(JpnI)、川崎記念(JpnI)など数々のタイトルを誇るフリオーソ(父ブライアンズタイム)の半弟。母方にはヨーロッパで成功した血が並んでいるが、ダート適性が非常に高く、これまでに送り出した産駒を見るとパワー型が多い。本馬の父はアグネスタキオン。芝・ダート兼用の中距離タイプだろう。