【栗東トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・阪神ジュベナイルF(GI)
・サウンドリアーナ
デビュー戦から牡馬混合戦で揉まれており、前走が初めての牝馬限定戦。力の違いを見せつけるような走りでの圧勝だったが、常日頃から坂路での脚力は目立っており、パワフルな走りがこの馬の特徴だと言える。この中間は坂路よりCWでの追い切りに重点を置く内容。1週前追い切り、最終追い切りともにCWで行われたが、圧巻は最終追い。併せ馬だったが、それを追いかけるのに、かなり力んで走っているように見えていたが、最終的には併せた相手に抜かれて抜き返すという壮絶な追い比べ。まるでレースを見ているようなゴール前だったが、牝馬ながらこれだけ強い攻め馬をできるということは芯が強い証拠。距離が延びるからといって、前走よりパフォーマンスを落とすことは考えにくい。
・サンブルエミューズ
芙蓉Sから2か月ほど間隔が空いているが、11月中旬に栗東へ入り、じっくりと調整が進められている。最近では非常に落ち着いた雰囲気で調整を進めており、すっかり環境にも慣れたように見える。最終追い切りは同じく栗東滞在しているトーセンレディを追走するCWでの追い切りとなったが、前半からゆったりしたペースで進めて、ほぼラスト1Fの追い切り。6F87.6秒と全体はかなり遅かったが、ラストは1F12.5秒で全身を使った力強い走り。道中折り合いを欠くようなシーンもなかったので、久しぶりでテンションが高いということもなさそう。やや手緩い最終追いにも見えるが、2歳牝馬という状況を考慮すれば、これで良いのかも知れない。
・エイシンラトゥナ
太目残りだったアルテミスSは直線伸び切れずに4着。当時の最終追い切りでもラスト1Fで少し甘いようなところがあっただけに、やはり久しぶりというのが響いたレース内容だと判断した方がよい。今回は中間の追い切りの動きも上々。最終追い切りは坂路開門直後の馬場での追い切りとなったが、その動きは実に軽快。ラスト2Fすぎに併せたジャミールの脚色が悪くなるところを、重い馬場を苦にすることなく力強い走り。時計は4F54.3〜3F39.5〜2F26.2〜1F13.4秒と馬場状態を考慮すれば速い数字。前走以上の上積みを感じる最終追い切り内容だった。
◆日曜中山11R・カペラS(GIII)
・セイクリムズン
中2週で出走した2010年カペラSが1着、中4週で出走した2011年カペラSが5着というのが過去のこのレースでの成績。今年は2011年とまったく同じローテーションでの出走となり、その調教内容もほぼ同じといってよい。最終追い切りは時計の掛かる馬場ということもあり、4F53.5〜3F38.7〜2F25.5〜1F12.8秒と過去のカペラS出走時と比較すれば、かなり遅い数字。ただラスト1F13秒を切れたのは、好調だという証になるし、動き自体も決して悪くない。今年は58キロという斤量を背負うだけに、そのあたりも好走凡走のポイントになるだろう。
◆日曜阪神11R・朝日チャレンジC(GIII)
・ジャスタウェイ
天皇賞・秋6着後はすぐに放牧に出されてリフレッシュ。11月15日にノーザンFしがらきから帰厩し、このレースへ向けて調整が進められていた。最終追い切りは今回初めての騎乗となるM.デムーロ騎手が跨っての追い切り。アスカトップレディを追走する坂路での追い切りだったが、相手が走ったこともあり、最後まで追いつくことができずゴール。ただ4F54.7〜1F13.2秒という時計は決して悪くなく、数字だけなら、むしろ前走時よりも速い。仕上がりに関しては問題なさそうだが、56.5キロという斤量がどのように影響するか、ハンデ戦らしい問題点が好走の鍵を握っている。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜中山11R・カペラS(GIII)
・タンジブルアセット
休み明け3戦目、順調に使い込めた成果か今週5日の追い切りは、馬なりで流した前回時と違い、ラスト1Fをキチッと追ってきた。4F50.3〜3F37.5〜1F13.0秒と、多少シャープさに欠ける走りだったが、ラスト1Fを強く追い切れたことは、前2走時減っていた馬体が回復してきた証と言え、一戦ごとに息の入りも上向いており、今春のいいデキに戻ったことは確か。中山ダート1200m戦なら折り合いに心配がなく、今の早い馬場状態もフルにスピード能力が活かせる。今回は手替わりで江田照騎手となるが、昨年時に相性の良さで好成績を収めており心配なし。スタートさえ互角に切れればチャンス。
◆日曜中山10R・美浦S(1600万下)
・フジマサエンペラー
菊花賞を殿負けの後の一戦になるが、反動の心配は一切なく、2週連続で意欲的に追われている。今週はウッドチップで85.8〜69.2〜40.3秒、同格のアイノカゼと併せたが、最後まで余力を残してゴールイン。体全体を使った力強い走りは迫力満点、状態に関しての不安はない。クラシック路線の王道を進んできた馬、重賞クラスでは厳しかったが、自己条件なら力断然。中山1800向きの先行力も備え、アッサリと巻き返してくる。
◆日曜阪神10R・美浦S(1600万下)
・ノーステア
中1週で関西輸送ということで、多少控えぎみだが、障害入りしたとはいえ、旧OPのスマートステージと併せ、これを上回る迫力。6か月半ぶりの前走がプラス16キロ。数字ほどではないにしても多少立派に見えただけに、叩いての上積みは大きそうだ。過去12戦中、11戦が東京コースということで、今回は試金石の一戦になりそうだが、早めに動けるようになった今なら不安無し。状態面の良さがモノをいいそうだ。
◆土曜中山10R・幕張特別(1000万下)
・ニシノジャブラニ
前走のオリエンタル賞。外枠だったこともあるが、いつもスンナリ先行できる馬が行きっぷり悪く中団より後から。直線で差は詰めたものの直前の調教が5F71.7〜上がり40.8秒と軽く、ゴール前で息切れ。自分の競馬ができず参考外。今回は攻め強化し、終い軽く仕掛けて5F68.7〜上がり39.5秒。脚さばきも力強く、前走とは中身が違う。追って切れるタイプではなく、積極的に先行して持ち味を発揮するタイプ。それを、上手く引き出せそうな戸崎騎手に期待。
・マルターズグロウヴ
疲れが出たため、早めに放牧に出してリフレッシュ。11月にトレセンに戻ってからは、順調に乗り込みを消化。すでに時計を6本出しており、最終追い切りでは99.5〜82.7〜67.2〜52.2〜38.7秒を意欲的にマーク(強めに)。2歳馬を1秒追いかけて、軽く突き放した。春先から急激に力をつけた馬で、新渇での500万勝ちが強い内容。少しでもレースが流れてくれれば、1000万条件でも通用可能な下地はある。テンにズブさを見せるが、ハマった時の切れ味は一般品(上がり3ハロン33秒台を何度もマーク)。この頭数なら「さばき」にも苦労しないはずで、体調が戻った今なら直―気の可能性は十分にある。