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「毎週悔しくてむなしい…」僕らの2012年競馬アワーズ!(2)

  • 2012年12月12日(水) 18時00分
今回のテーマは、2012年「一番うれしかったこと」「一番くやしかったこと」。うれしかったことでは、惜しい競馬が続いていた馬を勝たせることができたこと、結果が出ないのに、乗せ続けてくれたことなど、それぞれの印象的なエピソードとともに、胸の内を語ってくれました。

■毎週毎週、くやしい気持ちでいっぱいです!
「嬉しいしホッとします」恭介

「嬉しいしホッとします」恭介

──今回はまず、今年「一番うれしかったこと」からお願いします。

恭介 うれしくて、なおかつホッとしたことなんですけど、3歳の未勝利馬って、走れる期間が限られているじゃないですか。ずーっと乗せていただいていた馬がいて、3着、2着といいところまできていたんですけど、なかなか勝ち切れなかったんです。でも、最後の最後に勝てて。すごくホッとしました。うれしかった。

優作 ブライトポジーだろ?

恭介 そうそう、ブライトポジー。ずーっといろんな競馬場で乗せてもらっていて、ずーっと惜しい競馬で。本当に勝てて良かった。

優作 勝ち切れなかったのに、また乗せてもらえるっていうのは、すごくありがたい。喜びも倍増。松ちゃんは、やっぱり重賞を勝ったことでしょ?

松山 うん。それが一番うれしかった。

恭介 ドリームバレンチノでは、GIも際どかったもんね(スプリンターズS)。

松山 結果は悔しかったけど、GIに乗せてもらえたっていうことがうれしかった。ドリームバレンチノに関しては、一度乗れなくなったのに、もう一度チャンスをもらえたことも、すごくうれしい出来事だった。

恭介 優作も、重賞でもう一歩の競馬があったよね(ファルコンS・レオンビスティー2着)。

優作 ああ、レオンビスティー? あれは負けちゃったから、うれしいことには入らないそれより、去年1勝しかできなかった特別戦を、今年は今の時点で5つ勝ててるので、それがうれしいかな。重賞を勝ててないぶん、そういうところで目立たないと。

川須 僕は、福島記念のダイワファルコンもそうなんですけど、重賞レースで人気馬を依頼していただけるようになったのがうれしいです。もちろん、勝てたこともうれしいんですけど。
川須は小倉大賞典で初重賞制覇

川須は小倉大賞典で初重賞制覇

松山 川須も今年、初めて重賞を勝ったんだもな。

川須 あ、エーシンジーライン? 今年でしたっけ…?

松山 今年だよ(笑)! デイリー杯2歳Sも1番人気だったよね(メイケイペガスター・1番人気11着)。あれは緊張したんじゃない?

川須 はい、緊張しました…(苦笑)。

恭介 あのレースは、陣営の期待も大きかったもんね。

松山 2歳の重賞だと、そこを勝つか負けるかで変わってきたりするから、余計に緊張するよね。とくに川須の馬は、新馬を勝ったばっかりなのに、けっこうグリグリの1番人気になってたし。

恭介 レース後、落ち込んでるのがわかったよ。

川須 ズドーンときましたよ(笑)。でも、もうレースは戻ってこないので、負けちゃった…って落ち込むだけじゃなくて、あの経験を今後どう生かせるかが大事だと思ってます。

──続いて、一番くやしかったことを教えてください。

恭介 毎週、毎週くやしいです! 

優作 くやしい思いをできるくらいの位置までいければ…ね。

恭介 そうそう。悔しさもあるけど、毎週毎週、むなしさも大きい…。

川須 1日10頭近く乗っていて、一度も掲示板に載れないこともありますもんね。

優作 あるある。

恭介 それでも馬は頑張ってくれてるからね。むなしいなんて思っちゃいけないのかもしれないけど。人気より上に持ってきて、馬主さんや先生に喜んでもらえるのはうれしいけど、騎手としては、いくらシンガリ人気の馬を2着に持ってきても、勝たないと意味がない。僕らにとっては、結果イコール勝ち鞍だから。

くやしい!は数えきれません」優作

くやしい!は数えきれません」優作

松山 そうだよね。やっぱり人気の馬に乗ってナンボの世界だからなぁ…。僕もくやしいかったことは選べない。ホントに毎週毎週、くやしい思いをしてるから。

優作 松ちゃんは、けっこう凹むタイプだもんな。

松山 そう、僕は落ちるタイプ(苦笑)。浮き沈みが激しくて…。ドーンと落ちるとネガティヴモードに入ってしまう。

優作 「もう無理だ、もう無理だ」って言ってるときあるよね。

松山 うん。でも、自分のダメなところだと思ってる。そういうモードに入ると、やっぱり成績にも影響してくるから。まぁ、時間が経てば、ケロッと立ち直ってるんだけどね(笑)。

川須 勝って、いいサイクルを取り戻していくしかないんですよね。

恭介 うん、そうだね。

川須 ひとつの勝利が、次のチャンスにつながることもありますもんね。その勝利で目立つことができれば、「次はアイツに依頼してみよう」って思ってもらえる可能性もありますからね。上位のジョッキーのように、1日に何頭も人気馬に乗っているわけではないから、とにかくチャンスを生かさないと。

──人気馬に数多く乗っていたとしても、1日1勝するのは大変ですものね。

恭介 ホントにひとつ勝つって大変なこと。僕なんか、1カ月勝てないこともよくありますからね。勝てないと、なかなかチャンスも回ってこない。改めて、騎手は人気商売だなぁって思います。

優作 とにかく目立たないとね! 僕は乗り鞍が少ないことも悔しいし、乗り替わりも悔しいし、悔しいことだらけだよ。少しでも乗り鞍が減ると、美浦に所属していたころの全然乗れなかった時期に戻ってしまうんじゃないか…って、焦ってしまう。

恭介 優作はどん底を知ってるからなぁ。

優作 ただ、可愛がってくださる先生方もたくさんいるので、なんとかチャンスにつなげていきたい!

【次回のキシュトーーク!は?】
 次回のテーマは、「一番印象に残った馬」や「プライベートで一番一緒にいたジョッキー」などなど、競馬に関することからプライベートまで、彼らの“2012年”をさらに引き出します!

元祖「キシュトーーク」のレギュラー陣、国分恭介、国分優作、松山弘平、川須栄彦、高倉稜を中心に、栗東・美浦・地方からも幅広く、これからの競馬界を担うU25の若手ジョッキーたちが登場します!

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