朝日杯FSが行われる中山の芝・1600mは外回り。仮柵が設置されないAコースが使用されることもあり馬場は最も広い。1周約1800m。京都や阪神と変わりがない大きさで争われる。
外回りの特徴のひとつとして3角が非常に緩やかという点が挙げられる。直線の最後に急坂が待ち受けており駆け上がってからとゴールまで100mに満たない。ぎりぎりまでためていくより惰性で押していく戦法が向くコースと考えていい。つまり早めに動いて粘り込むスタイルが基本的には合う。
もちろん瞬発力に秀でていることがマイナスにはならない。要はどこでその脚を生かすか。反応の良さを武器に早めに勝負に出るパターンもあるだろう。坂を一気に伸びてくる馬は数少ない。瞬発力のあるタイプでも後続を封じるためにいくらか早めに動く。あるいは直線までじっとして直線に入りパワーを吐き出す。内枠が有利と言われるのもコース形態によるところが大きい。
過去10年でフルゲートの16頭で行われたのは7回(02年は15頭、05年は14頭、06年は15頭)。馬番で13番を含めてそれより外の馬番の勝ち馬はいない。2着1回、3着1回。内枠が有利という表現より外枠に入ると厳しいと考えるべきか。
発馬して最初のコーナーまでが近い。当然、外枠の馬は内枠の馬以上に脚を使う必要がある。コース形態から最初の隊列で固まってしまうことも多い。その点から考えても外枠は走る距離が長くなる可能性が高まりやすいのだ。粗削りなタイプより立ち回りが上手な馬を狙う方がいいのではないか。
コディーノを推す。柔軟性のある走りで緩急をつけることが可能。前々走の札幌2歳Sの4角で内々から瞬時に外に進路を変えたように難しいことを簡単にやってのける。反応が良く瞬発力がありそれを鞍上が求める地点で使えるというのがセンスの良さだろう。5番枠を最大限にプラスに生かすことができると思われ死角が少ない。
当コースを得意としているディープインパクトの産駒が不在。全兄ブラックタイドを父に持つテイエムイナズマに期待してみたい。コディーノとは対照的に粗削りでスピードを持続できるのが持ち味。成長したときが楽しみな素材だ。発馬がゆっくりで気性的な激しさがある。大敗する恐れがある半面、一発の魅力は十分にある。
クラウンレガーロは集中力があり細身でも質のいい筋肉に覆われているように映る。相手なりに走りそうなタイプだ。スピードとパワーを兼備しているエーシントップ。右回りの方がスムーズな走りをしており完成度も高い。フラムドグロワールは立ち回りがうまい。派手さはないが大崩れのないタイプではないか。当コースに良績を残すダイワメジャー産駒ということでも注意を払いたい。身体が引き締まってきたラブリーディ。1400m戦に続いての1600m戦。流れにも乗りやすいだろう。