2歳GIは阪神JFがローブティサージュ、朝日杯FSがロゴタイプの優勝に終わった。それぞれノーザンファームと社台ファームの生産馬ではあるのだが、「そこ来るか〜」という存在で、POGで指名できていたという人はさほど多くないのではと思う。
ちなみに赤本ではこの2頭、ともに写真も載っていたし登場箇所も4つと3つ。さらに後藤正俊さんと競馬総合チャンネル編集部がローブティサージュをおすすめ10頭に挙げるという快挙を達成している。
ただ、恐らくではあるが、この2頭が函館デビュー組でなかったら、指名難易度はさらに増していたのではないかと思う。ローエングリン産駒も初年度ならお試ししやすいのだが2世代目だし、ローブティサージュも母の父がシングスピールということで、これまでウォーエンブレム産駒の母の父としてはあまり無かった形だ。
まして、いまメイショウサムソン産駒がドハマリ中であることに象徴されるように、サドラーズウェルズの血(ローエングリン、シングスピール)はPOGにおいてはリスクと見なされることはあっても強調材料になることは少ない。ただ、育成技術の進歩によって、今回のように走るサドラーズ系、あるいは母の父サドラーズ系がこれからまた出てくる可能性はある。
ちなみに、父系がサドラーズウェルズ系に該当する馬のPOG期間内成績を母の父系統別に1走あたり賞金で見ると、リファール系(メイショウサムソン)や主要系統以外のナスルーラ系(テイエムオペラオー)のように、例外的な馬の一発で成績を伸ばしたケースが上位に来て、サンデーサイレンス系はロゴタイプが出てなお77万円と、全馬平均の84万円を下回っている。「母の父サンデーならなんとかなるだろ」という理屈が通用しないのがさらに難しいところだ。
同様に、母の父サドラーズ系の馬について父系別に見ると、ミスプロ系は127万円で悪くはないものの、母の父サドラーズ系全体の121万円とそう違いがあるわけではない。今回の成功2例は、いずれもそのまま参考にできるということではなく、サドラーズの血の扱いは難しいままだ。