●アサクサティアラ(牝 栗東・大久保龍志 父ディープインパクト、母ミルグレイン)
　半兄ファイングレインは高松宮記念(GI)、シルクロードS(GIII)などを制した短距離の強豪。母ミルグレインの全姉ピュアグレインは、愛オークス(G1)とヨークシャーオークス(英G1)など4つの重賞を制した名牝。ポテンシャルの高い牝系だ。全兄トーセンサイレンスはスピード不足で中央未勝利に終わったが、配合は決して悪くないと思われる。素軽い牝馬なら馬の出方が違ってもおかしくない。芝向きのマイラー。

●オールウェイズラブ(牝 栗東・中竹和也 父ディープインパクト、母ライヴ)
　母ライヴは1勝馬だが、2代母Bint Pashaはヨークシャーオークス(英G1)とヴェルメイユ賞(仏G1)を勝った名牝。現2歳世代は「ディープインパクト×Storm Cat」の当たり年で、5頭出走してすべてが勝ち上がり、そのなかにはキズナ(黄菊賞-500万下)、アユサン(12年アルテミスS-GIII・2着)、インパラトール(萩S-OP)などの大物が含まれている。母ライヴはこれまでに産んだ3頭がいずれも勝ち上がっているように繁殖牝馬としての能力はまずまず。本馬もしっかり走ってくるだろう。芝向きの中距離タイプ。

●アンジュプリエール(牝 栗東・橋口弘次郎 父クロフネ、母テンシノキセキ)
　母テンシノキセキはフェアリーS(GIII)とセントウルS(GIII)の勝ち馬。中京芝1200mで1分06秒9のレコードを樹立したスピード馬だった。繁殖牝馬としてはカレンナホホエミ(フェニックス賞-OP)を産んでいる。「クロフネ×フジキセキ」はトウショウカズン(12年黒船賞-GII・2着)のようなダート馬が多く生んでいる。テンシノキセキの子は非力なタイプが多いので、パワーを取り込んで非力さを解消できればおもしろい。芝向きのスプリンター。

●エーシンカオルーン(牡 栗東・小崎憲 父フジキセキ、母レマーズガール)
　母レマーズガールは高い能力を持ったダート馬で、エンプレス杯(GII)などダート重賞を9勝した。これにフジキセキを交配して誕生したのが本馬。母の父Defrereはブルードメアサイアーとして定評があるDeputy Minister系。フジキセキはこの系統とニックスの関係にあり、カネヒキリ、ミラクルジレジェンド、デグラーティア、ホーマンフリップ、ゴーハンティングなど多くの活躍馬が出ている。フジキセキのダート配合としてはハイレベルなので楽しめそうだ。

●トランザムスター(牡 栗東・武宏平 父ウォーエンブレム、母スターパレード)
　母スターパレードはアルゼンチン産で、アメリカへ渡ってから3つのG1を含めて重賞を6勝した名牝。父ウォーエンブレムは Lalun−Never Bend と相性良好で、ブラックエンブレム(08年秋華賞-GI)、ローブティサージュ(12年阪神JF-GI)、シビルウォー(ダート重賞4勝)など多くの活躍馬がこのパターンに当てはまる。本馬はNever Bendこそ持たないものの、それと一部血統構成が同じNo Robberyが入るので、Punctilious≒Bimlette 5×5を持つ。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

●トーセンソレイユ(牝 栗東・池江泰寿 父ネオユニヴァース、母ウインドインハーヘア)
　ディープインパクトの半弟。父はサンデーサイレンスからネオユニヴァースに替わった。母ウィンドインハーヘアはアラルポカル(独G1)を勝ち、英オークス(G1)で2着となった活躍馬で、繁殖牝馬としてはディープインパクトのほかに、ブラックタイド(04年スプリングS-GII)、オンファイア(05年東スポ杯2歳S-GIII・3着)、レディブロンド(03年スプリンターズS-GI・4着)などを出している。その牝系は英王室が育んだ飛びきりの名門。Halo≒Sir Ivor 3×4で、ヴィクトワールピサやロジユニヴァースと同じくBustedを持つ。ネオユニヴァース産駒の活躍馬は牡馬が大多数を占めている、という傾向が見られるが、この配合なら牝馬でも楽しみ。

●ミニョネット(牝 栗東・藤岡健一 父クロフネ、母ビスクドール)
　全兄バトードール(10年ジャパンダートダービー-Jpn1・3着、10年ユニコーンS-GIII・2着)、半姉アイスドール(父キャプテンスティーヴ／08年クイーン賞-Jpn3・3着)など、きょうだいはコンスタントに走っている。母ビスクドールはトゥザヴィクトリー(01年エリザベス女王杯-GI)、サイレントディール(03年武蔵野S-GIII)、ビーポジティブ(02年クイーン賞-GIII)などの兄弟にあたる良血。本馬はトリップ(12年弥生賞-GII・2着、12年ジャパンダートダービー-Jpn1・2着)と同血(父が同じで母同士が全姉妹)の関係でもある。確実性の高い配合といえるだろう。基本的にはダート向きだが、牝馬なので芝適性もありそうだ。