あれは2着した昨年の天皇賞・秋の翌週だったか。ダークシャドウの今後のローテーションについて橋本助手を取材している時、「この馬は実績的に2000メートル前後がベストとして、この先1600メートルか2400メートルを使わなければならないと仮定したら、どちらがいい?」と質問したことがある。彼は一秒たりとも間を置かずに「マイルでしょう」と即答した。
成長するにつれて許容範囲は広がるかもしれないが、基本的にサラブレッドのベスト距離は変わらぬもの。だから前走のジャパンCは自信のヌケ(=無印)。それが見せ場たっぷりの4着に入り、ビックリ仰天したものだ。
橋本助手が距離不安を抱いていたのは、兄弟に短距離馬が多い血統面もさることながら、札幌の2600メートル(10年支笏湖特別)で4着に負けたシーンが強く脳裏に残っていたから。本格コースの東京2400メートル、しかもまだ「重め残り」での好時計走破は、当時より格段にスタミナがついていなければできない芸当。周囲の人間が思っていた以上に距離への融通性があったということだ。
「この中間は本来の伸びを取り戻すべく意識的に体を絞っている。今年一番の豪華メンバーだったJCで4着したのは力のある証拠。中山の2500メートルの方がかえって脚をためやすい」と暮れの大一番での大逆転劇をもくろんでいる。
先週の朝日杯FSでロゴタイプを勝利に導いたM.デムーロのように、前走時にすでに手の内に入れていたケースと違い、今回のムーアはテン乗り。この一点だけは引っ掛かるとはいえ、堀厩舎とムーアの“親密度”はかなりのもの。本命までは推せないまでも重い印を付けようと思っている。
(美浦の馬券野郎・虎石晃)
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