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有馬記念を考える

  • 2012年12月21日(金) 18時00分
 まず有馬記念が行われる中山の芝・2500mの形態について触れたい。

 発馬地点は外回りコースの3角のやや手前あたり。当コースそのものは内回りでコーナーを6つも回るという特徴がある。年間において施行される回数が少ないため馬券を購入する側もつかみづらい印象を受けるのではないだろうか。

 基本的には持久力を要求される舞台といっていいと思う。昨年のように前半の3Fが37秒3。上がり3F34秒0という瞬発力勝負になるケースは珍しい。戦前からハナに立ちそうな馬が不在で押しだ出されるようにアーネストリーが先陣を切った。初めて先頭でレースを運んだ影響か戸惑ったような走りでより落ち着いた流れになったのだろう。

 02年も前半3Fの数字は同じだったがやや重で行われている。その分、上がり3Fは35秒8と要している。主導権を握ったタップダンスシチーは本質的には緩みのないラップを刻んで勝負するストロングスタイル。馬場状態を考慮すれば昨年と前半の数字は同じでもいくらか速い流れを続けていると考えていい。それでもタップダンスシチーとしてはペースを落とした流れをつくったことで前残りの競馬になった。

 過去10年でこの2年を除けば残り8年の傾向はおおむね似ている。前半の3Fは35秒台から36秒台。後半の3Fは35秒台半ばから36秒台半ば。コーナーが6つでメリハリをつけにくいのかもしれない。全体的にイーブンペースで進んでいくことが多い。最初に逃げ馬がどいうったタイプなのか着目するべきだろう。

 主導権を握るのはビートブラックか。シビアなラップで後続の勢いを断つことで持ち味が出る。京都や東京の長距離では後続を引き離す形が可能だが当コースでは難しいのではないか。後続の追い上げが早くなる可能性が高く、今年は好位につける組や差し馬に流れが向くと考えている。

 ダークシャドウを推す。体質が強化されたことで連戦に耐えられるようになった。研ぎ澄まされたシルエットを見ても過去最高の状態で挑めるのではないか。行きっぷりがよくなっており中山に舞台が移る点にも不安はない。1角で挟まれた前走でも盛り返しているように精神的にも強い。

 ゴールドシップはステイヤー色が濃くなってきている印象を受ける。前半にやや行き脚がつかない可能性があるが加速してから長くいい脚を持続できる。

 ルーラーシップはストライドが大きく本質的には東京が合うと思うが、上がり勝負になりにくい当コースに変わることで好勝負に持ち込みやすい。

 ナカヤマナイトには外枠と少し緩くなりそうな馬場状態が追い風になる。内枠と持続力を生かしてスカイディグ二ティが浮上する。オーシャンブルーは急速に力をつけている。当コースへの対応も脚質的に問題ない。

【お知らせ】
2012年度の更新は今回で終了となります。2013年度は1月4日から更新いたします。

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1992年から2010年までスポーツ新聞社で中央競馬を担当。ラジオ関西・競馬ノススメ(毎週土曜16時30分〜17時)にレギュラー出演するなどフリーランスで活動している。

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