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「新裁決ルールになってもフェアな騎乗は変わりません!」新年会トーク(1)

  • 2013年01月09日(水) 18時00分
明けましておめでとうございます! 新年一発目は、松山騎手、川須騎手、高倉騎手による新年会トークです。少々お酒も入りつつ、競馬談義やプライベートの暴露話(!)に花を咲かせます。1回目の今回は、ちょっと真面目なところで、今年から採用された新裁決ルールについて。ジョッキーの目線から率直な意見を交わしてくれました。

■外国人Jからしたら、日本の競馬は“甘い”と思う

新年会トークで大盛り上がり!

「新年会トークで大盛り上がり!

──みなさん、明けましておめでとうございます!

一同 明けましておめでとうございます!

──え〜、今日は『キシュトーーク!』の新年会です。2102年については、先月たっぷり振り返っていただいたので、今回はまた違った角度からさまざまなテーマで、みなさんのご意見を引き出していきたいと思います。噂通り高倉さんは、こういった場でも最初はコーラなんですね(笑)。

高倉 あ、はい(笑)。コーラからのビールで。でも乾杯はビールのほうがいいかな…。

──では、改めまして、今年もよろしくお願いします。乾杯!

一同 カンパーイ!

──では、さっそくですが、川須さんが酔っ払う前に(笑)、堅いテーマから入りたいと思います。今年から新裁決ルールが採用されましたが、ジョッキーのみなさんは新ルールについてどう思われますか?

川須 掲示板に載らない馬たちの審議に関しては、審議ランプが点かなくなるんですよね。

高倉 あと、馬は降着にならなくても、ジョッキーは騎乗停止になったりする。

──被害馬が加害馬よりも、先着できた可能性があるかどうかを重視するんですよね。それによって、おそらく降着が減る。ジョッキーにとっては、あまり変わりませんか?

松山 今は実感できないですけど、実際に当事者になったら、以前との変化を感じるのかもしれませんね。どうなんだろ…。

川須 ひとつ言えることは、馬が降着になることが少なくなるからといって、故意に邪魔をすることが増えるかっていうと、それはあり得ないっていうことですね。

「騎乗の心構えは変わりません」川須

「騎乗の心構えは変わりません」川須

高倉 うん。今でもフェアに乗ろうと思ってるし、それは変わらないから、僕らにとって何かが変わるわけではない。

川須 降着は少なくなるかもしれないど、騎手に対しての制裁は変わらないからね。降着にならなくても、騎乗停止になれば、周りの方や関係者の信頼を失うのは同じだし。

高倉 それはもちろんだけど、誰かを落として(落馬させて)しまったときとか、本当に乗るのが怖くなるよね。

川須 うん、ヘコむ…。4コーナーとか直線でのアクシデントが多いけど、落としてしまったときは大概気づくから、もう気になって気になって。

松山 “うわぁ〜!”とか、後ろから声が聞こえるもんね。

川須 そうですね。だから、被害を受けそうなときも、早め早めに声を出すようにしてます。“ここにいます!”っていうことを知ってもらうために。それだけでずいぶん違うから。

──これからは国際ルールに準ずるということですが、実際、外国人ジョッキーと同じレースで乗っていて、ルールの違いを感じますか? スミヨン騎手など、よく荒いっていわれていますよね。

高倉 日本の競馬がきれいすぎるんだと思いますよ。

松山 外国人ジョッキーからしたら、日本の競馬は甘いなって思ってるでしょうね。海外ではレース中の接触とか普通にあるでしょうし。

川須 日本の競馬は、ファンからしたら納得できないところもあるでしょうけどね。乗っている馬に脚があれば、狭いところでもスッと入れますし、脚がなければ無理はしませんけど、脚が残っているのかいないのか、微妙なときもあるんです。そういうときは、僕ら人間側も迷ってしまうんです。騎乗停止になるのも嫌だし、そうときに事故が起こりやすいのもあるから。

──ものすごいスピードで走っているなかでの一瞬の判断ですものね。

高倉 とくに、1200mの芝は難しいです。人気している馬で内枠を引いたときが一番緊張する。

松山 1200mの内枠、わかる! デッドゾーンだよね。詰まるから。

川須 そうそう、詰まりますよね。

松山 1200mは、ゴールで固まっていることが多いように、最後までみんな脚があるからね。スタートと位置取りがホントにカギになる。

川須 難しいですよね。スローになったりしたら、なおさら最後もみんな伸びるし。

高倉 うん。同じ短い距離でも、マイルのほうが乗りやすい。

昨年、高倉は初GI騎乗を経験

昨年、高倉は初GI騎乗を経験

──マイルといえば、高倉さんは、去年マイルCSで初めてGIに騎乗されて(フラガラッハ)。初めて味わうGIの雰囲気はいかがでしたか?

高倉 とくに緊張はしなかったです。たとえば、絶対にハナに行けとか、何番手に付けろとか指示があったら別ですけど、先生からは「この馬が勝ったときのような競馬をしてくれ」という指示だったので。ただ、ゲート裏の空気は、やっぱりほかのレースとは違いましたね。ピリピリしているというか。

松山 それはあるよね。

高倉 ファンファーレが聞こえるだろうと思って、ずっと耳を澄まして待ってたんですけど、結局聞こえないままゲート入りになって。

松山 端っこだから聞こえないのか。

高倉 そうなんですよ。ファンファーレを聞いたら緊張感が高まってくるんだろうなぁと思っていたら、聞こえないままだったので、アレ?って(笑)。

川須 でも、GIで騎乗するって、すごくいい経験だよね。

高倉 うん。周りを見渡すと、GIを勝っている馬がいっぱいいて。レース中も、“あ、隣にマルセリーナがいるよ!”みたいな(笑)。やっぱり、雰囲気も含めて、GIって違うなぁって思った。

──みなさん、今年はもっともっとGIで乗る機会が増えると思いますよ。

松山 乗れるようになりたいですね。

高倉 ホントですねぇ。

川須 やっぱりジョッキーは、GIで乗せていただけるようになってナンボですからね!

【次回のキシュトーーク! は?】
次回は、それぞれ本人を前にしての『○○(名前)ってこんなヤツ!』。すっかりイジられキャラが定着している川須騎手が、ここでまた二人の餌食に!?

元祖「キシュトーーク」のレギュラー陣、国分恭介、国分優作、松山弘平、川須栄彦、高倉稜を中心に、栗東・美浦・地方からも幅広く、これからの競馬界を担うU25の若手ジョッキーたちが登場します!

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