【栗東トラックマン情報】
◆日曜京都11R・日経新春杯(GII)
・オールザットジャズ
早目に先頭に立たざるえなかったエリザベス女王杯、スローペースで懸命に追い込むも3着だった愛知杯と、ここ2走は状態うんぬんよりも、レース展開に左右された結果と考えてよいだろう。状態の良さはここ2戦と大きく変わらない。初コンビとなる浜中俊騎手が跨ってのCW追い切り。3頭併せの最後方だったが、直線に向いて最内に進路をとると、ぐんぐん加速して、ルグランヴォヤージに追いついて、最後は先着。6F84.8〜1F12.2秒という数字は前走時より少し遅いが、福島牝馬S1着時とはほぼ同じ。あとはレース展開がこの馬向きになるかどうかだろう。
・メイショウカンパク
前走から少し間隔のあいた今回だが、調教本数は十分。1週前追い切りは時計の掛かる坂路馬場だったこともあり、ラスト1F14.1秒要して、仕上がりに不安を感じていたが、今週の追い切りを見ると、それは一掃できた。ウインアルエットを追走する坂路での併せ馬だったが、追い出されるとしっかりと伸びて馬体を並べ、それからもうひと伸びする際に手前を替えて、余力十分のフィニッシュ。4F56.3〜1F12.8秒と全体の時計は遅いが、終い最速となるラップを踏めた点は評価すべき。
◆月曜中山11R・京成杯(GII)
・ラウンドワールド
前走ラジオNIKKEI杯2歳Sは太目残りの馬体重が敗因というよりも、スタートが悪く、流れに乗れず力を出し切れなかったという印象。それだけに久々を叩いて、スムーズなレースができれば、本来の能力を出せるのではないかと思っていた。ただ、10日のCWでの追い切りの動きが特筆するほどではない。岩田康誠騎手が跨っての併せ馬だったが、併せた相手が優勢に見える動きで、こちらはほぼ一杯という状態。数字的には1F12.1秒と伸びていただけに、相手を褒めるべきだが、今回があまり良い結果でない場合は季節的なことも考えられるかも知れない。
・リグヴェーダ
デビュー前の最終追い切りでは古馬1600万下との併せ馬で先着したほど、攻めでは目立った動きを見せており、あっさりと勝ち切った新馬戦も納得の結果。今回は中2週と間隔が詰まっていることもあり、あまり強い攻め、調教本数は行わず、ごく標準的。最終追い切りはCWでファーザモアとの併せ馬だったが、仕掛けられたのは正味ラスト1Fだけ。その反応は素晴らしく、一瞬にして1馬身ほど突き放す伸びを見せた。時計は6F86.8〜1F12.7秒と遅いだけに、数字的な評価はできないが、走りの内容は前走時となんら変わりない。
◆月曜京都11R・淀短距離S(OP)
・シュプリームギフト
前走京阪杯3着後は、早々にこのレースを目標にするため、ノーザンFしがらきへ放牧。12月22日に栗東へ帰厩しているが、それから入念に坂路で調教本数を積んでいる。最終追い切りは秋山真一郎騎手が跨って、坂路でのオツウとの併せ馬。1馬身ほど相手を先行させて、ラスト2F地点で並びかける形。手応えは完全に優勢、時計は4F54.5〜1F12.7秒と優秀な数字をマークしており、追い切りの動きは前走時と比較しても遜色ない。間隔があいているとはいえ、その仕上がりの良さは目立っていると言える。
【美浦トラックマン情報】
◆月曜中山11R・京成杯(GIII)
・マイネルストラーノ
格上挑戦の前走・ホープフルSを2着と善戦。それも2番手追走から折り合って粘り込んだレース内容は成長の証。今回も距離は2000m、馬場状態、展開もほど似通ったものになりそうで再度の好走は十分にある。中2週のレース間隔で厳しくなるが、正月明けの3日に併せ馬でキチッと追い、10日の最終追い切りも3頭併せでハード内容を消化。いずれも脚どりが劣って平凡な時計(10日は5F67.4〜3F38.8〜1F12.4秒)だったが、元来が稽古では動かないタイプ。むしろ中間からビシビシ追われていることを高く評価。状態は引き続き絶好調にあり、再度二枚腰での粘りを発揮できそうだ。
◆土曜中山11R・フェアリーS(GIII)
・サンブルエミューズ
前走の阪神JF。直前の調教が時計の出る栗東CWで5F68.7秒では軽く、プラス10キロと余裕を残した馬体。そのため直線を向いて手応え十分だったが、追い出してから反応せず伸びを欠いた。今回の追い切りは、6Fから追われて前2頭を追走して83.7〜上がり38.9秒。長めからでもゴール前で敏感に反応し最後の1Fを13.2秒。小柄馬がハードな調教をこなし、前走とは中身が違う。鞍上も岩田騎手に戻り、今度はエンジン全開。
◆土曜中山10R・初咲賞(1000万下)
・シャドウパーティー
前走のグッドラックハンデは勝負どころの直線で前が開かず、残り100でやっと外へ持ち出せたが、ゴール前際どく迫ったものの、勝ち馬にハナ差及ばずの2着。それでも2500mの距離克服は次に繋がることは確かで、今回の外回り2200mなら確勝のはず。前走後中2週のレース間隔となるが、正月明けの3日、6日、そして9日の最終追い切りと、いずれも素軽さ満点の内容を消化。9日はウッドに入り3歳未勝利を1秒追走から、ゴール前は持ったままに手応えで半馬身先着。4F53.7〜3F38.9〜1F13.3秒の時計は平凡でも、十分に乗り込んでいるだけに太め感はなく、そして息の入りも十分で、前回時同様に文句ない仕上がり状態。スタートを決めて、すんなり好位追走の競馬から今度はアッサリ抜け出す。
◆土曜中山9R・初春賞(1000万下)
・コスモケンジ
3戦連続で2着と惜しいレースが続いているが、ひと月1戦のローテーションを守り、不安のない状態を整えている。今週はポリトラックで64.6〜36.1秒、単走でも気合満点にラスト1ハロンを12.1秒。大型馬で絞りづらい時期だが、動き・体ともに重苦しさは一切なく、鋭い走りを見せている。2着続きも決め手がないというわけでばなく、その勝ち馬は上のクラスでも人気になる力があり、相手が悪かっただけ。このクラスでは地力上位、状態に不安もなく、今度こその一戦になる。
◆土曜中山8R・中山新春JS(OP)
・ビービースカット
2走前には異常歩様で競走中止。前走の中山戦は再審査明けでペストこはひと息の状態だったが、しっかり見せ場を作って5着。試運転とすれば悪くない内容だった。その後は年明けのこのレースを目標に乗り込み、間違いなく体調は数段アップ。大型馬でも重め感はまったくなく、大幅な変わり身を見込んでいい。中間は横山義騎手が毎週のように手綱をとって、直前の追い切りでも単走で63.4〜53.5〜39.7秒を意欲的にマーク(ゴール前強め)。気分屋な面は相変わらずだが、重賞2着の実績はここでも上位ランク。馬を遊ばせることなく、積極策で結果を出したい。
◆日曜中山11R・ニューイヤーS(OP)
・ミトラ
稽古駆けとはいえ1週前に50秒台を持ったままの手応えでマーク。その後も日、水曜と素軽さ満点の動き。ひと息入った不安はまったく見えず、好仕上がりと思える。前走は出負けから早めに追い上げたぶん、惜敗してしまったが、オープンでも十分通用する能力を見せた一戦だろう。ゲートさえまともに出れば、好位で競馬ができるはず。中山コースはまったく苦にならないし、今年はグレードレースにも手が届きそうだ。
・オメガハートランド
前走のターコイズS。後方で折り合いをつけ、4コーナーから仕掛けて外へ。坂を上がってから素晴らしい瞬発力を見せたが、枠順の差で1馬身届かず2着。末の切れ味を発揮するには1600がベスト…を感じさせた。今回の追い切りは前走時とほとんど同様に追われ4F53.2〜上がり38.8秒。この中間もキッチリ調教を積まれてきただけに内容的には十分。内の好枠さえひければチャンス。
◆月曜中山9R・成田特別(1000万下)
・メイスンキャプテン
休養後2戦を消化、一戦ごと確実に上昇気配を見せている。今週はダートコースで67.2〜39.3秒、格下馬を3馬身追走から直線で半馬身競り落としてゴールイン。エンジンのかかりが遅く、稽古ではそれほど動かない馬だけに、反応の良さが目を引く動きだった。太く映る時は状態があまり良くない時だが、体をスッキリと見せて、脚どりもシャープ。軌道に乗って、状態面の不安は何もなくなってきた。勝ち馬が強すぎた前走だが、後続にはキッチリと差をつけているように、このクラスのこの条件では地力上位。人気にはなるが不安材料はなく、信頼度の高い中心馬。
・イルポスティーノ
以前はズブさがあって稽古では良さを見せなかった馬だが、昨夏から動きが素軽くなり、戦法も一変。それが2連勝に繋がったと思える。今週もかかるくらいの行きっぷりで51秒台をマーク。動きに重さがなく、力は出せる状態になっている。ここ2戦の惨敗も、モマれ弱さを出しただけで、能力はこのクラスでも十分通用するはず。強力な同型が不在の今回は、先行策でしぶとく粘りそうだ。
・マージービート
スタミナのかたまりのような踊。昇級してからの3戦は、スタートがもう一歩で流れに乗れずに、大外を回すロスがあつた競馬。函館で500万を抜けた時のように、先行策から自分でレースを作るような乗り方がベストだろう。夏場に使い込んだ疲れをとる目的で、しばらく放牧に出されていたが、トレセンに戻ってからは急ピッチに乗り込みを消化して9分どおりの仕上げ。この馬の気性を知り尽くした大野騎手の騎手の騎乗も心強く、ダート2400mでしぷとさを生かしきりたい。