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遅生まれだが期待大、豪州産の良血馬ホロウクラウン

  • 2013年01月16日(水) 12時00分
●アンキャニー(牝 美浦・藤沢和雄 父アグネスタキオン、母バブルドリーム)
 ダービー馬ディープブリランテの叔母にあたる良血で、母バブルドリームはザッツザプレンティ(03年菊花賞-GI、02年ラジオたんぱ杯2歳S-GIII)、マニックサンデー(00年サンスポ賞4歳牝馬特別-GII)、ウインシュナイト(02年小倉大賞典-GIII・2着)の半妹にあたる。このほか、バブルガムフェロー(96年天皇賞・秋-GI、95年朝日杯2歳S-GI)やショウナンパントル(04年阪神JF-GI)など、近親には活躍馬がひしめている。父アグネスタキオンは基本的にヨーロッパのスタミナ血統と相性がよく、そうした血を母方に抱えたものが大物となる。本馬の母の父Akaradはクラシカルなフランス血統なのでその条件にあてはまる。父と相性のいいリファールを持つのもいい。芝向きの中距離タイプ。

●ホロウクラウン(牡 美浦・木村哲也 父Hussonet、母Hollow Bullet)
 母Hollow Bulletは、父タヤスツヨシがシャトル種牡馬としてオーストラリアで種付けをした際にできた産駒で、現役時代にヴィクトリアオークス(豪G1)とアローフィールドスタッドS(豪G1)を制した。繁殖牝馬としても優秀で、初子のランリョウオー(父Redoute's Choice)は現在準OPの上位勢力として頑張っている。本馬はその半弟。父Hussonetは00年から7年連続で南米チリのリーディングサイアーとなった大種牡馬で、オーストラリアに移ってからも豪年度代表馬Weekend Hussler(豪G1を7勝)を出すなど成功している。スピードと底力を併せ持ったタイプで、芝向きのマイラーとして大成しそうだ。ただ、南半球産なので生まれが半年遅く(9月29日生)、軌道に乗るまで長い目で見たい。

●イエーガー(牡 栗東・清水久詞 父スペシャルウィーク、母エンブレイス)
 2代母ペシェミョンは「Sadler's Wells×Habitat」という組み合わせ。これはBarathea(94年BCマイル-米G1、93年愛2000ギニー-愛G1)、Dance Design(96年愛オークス-愛G1)、キングオブキングス(98年愛2000ギニー-愛G1、97年ナショナルS-愛G1)などを出したニックスで、シーザリオ(05年オークス-GI、05年アメリカンオークス-G1)の母キロフプリミエールもこの組み合わせから誕生している。シーザリオは本馬と同じスペシャルウィーク産駒なので、本馬とシーザリオはほぼ4分の3同血という関係にある。母の父にスピードタイプのアフリートが入るので素軽さも問題ない。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

●イソカゼ(牝 美浦・伊藤正徳 父タイキシャトル、母バレンソール)
 伯父のスプートニクは芝のマイル前後を得意とし、準OPまで出世した。Nijinskyのクロスを持つタイキシャトル産駒は成功しており、ゴールデンキャスト、サトノプログレス、ウイングレット、ディアチャンス、ドリームサンデー、マイケルバローズなどコンスタントに重賞連対馬を出している。本馬はNijinsky 4×5なのでこのパターンにあてはまる。仕上がりが早くデビュー戦から能力を出し切るタイプだろう。芝・ダート兼用のマイラー。

●マノアラニ(牝 栗東・本田優 父アグネスタキオン、母マイグリーン)
 ダンシングブレーヴを抱えたアグネスタキオン産駒は成功しており、エリザベス女王杯(GI)など重賞を3勝したリトルアマポーラを筆頭に、リディル(11年スワンS-GII、09年デイリー杯2歳S-GII)、レッドクラウディア(12年クイーン賞-Jpn3)、エミーズスマイル(07年アネモネS-OP)など多くの活躍馬が出ている。本馬はこのパターン。全姉アカマイは未勝利に終わったが、配合は良好なので一発があっても不思議はない。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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