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ベールを脱ぐ1億円ホース、エスオンマイチェス

  • 2013年01月30日(水) 12時00分
●エリモジパング(牡 栗東・佐々木晶三 父マンハッタンカフェ、母エリモアテナ)
 全兄ディアプリンシパルはダートで準OPまで出世した。「マンハッタンカフェ×ブライアンズタイム」という組み合わせはトレンドハンター(11年フラワーC-GIII、11年桜花賞-GI・3着)と同じ。同馬の2代母の父はStorm Cat(その父Storm Bird)で、本馬の2代母の父はマルゼンスキー(その父Nijinsky)。Storm BirdとNijinskyは相似な血なので、全体的によく似た血統構成となっている。兄と同じくパワーを武器に出世しそうだ。

●エスオンマイチェス(牡 美浦・藤沢和雄 父ゼンノロブロイ、母フェスタデルドンナ)
 2010年のセレクトセールにおいて1億500万円(税抜)で落札された。この年誕生した2頭の1億円ホースの1頭。「ゼンノロブロイ×ヘクタープロテクター×ノーザンテースト」という組み合わせはアグネスワルツ(10年オークス-GI・3着、フローラS-GII・2着)と同じ。つまり両馬は血統構成の8分の7まで同一ということになる。父ゼンノロブロイはアメリカ血統過多なので、母方にはしっかりとしたヨーロッパ血統やHyperionの強い血を入れたい。ノーザンテーストが入るのは好感が持てる。本馬は残りの8分の1がアメリカ血統ながら、そこが名牝スカーレットインクなので神経質になる必要はなく、マイニング≒Woodman 3×3なので競走に前向きなタイプだろう。

●グロリアーレ(牡 美浦・国枝栄 父スペシャルウィーク、母グロリオーサ)
 全兄グロリアスウィークは弥生賞(GII)2着、シンザン記念(GII)2着などの成績がある。Sadler's WellsとSir Gaylordを併せ持つ点は父の代表産駒の1頭シーザリオ(05年オークス-GI、05年アメリカンオークス-G1)と同じ。芝中距離で良さを発揮するタイプだろう。母方にSadler's Wellsを持つスペシャルウィーク産駒は当たり外れがあるものの当たれば大きい。

●スペシャルリッチ(牡 美浦・堀宣行 父スペシャルウィーク、母ストームティグレス)
 全兄オースミダイドウ(父スペシャルウィーク)はデイリー杯2歳S(GII)を勝ち、朝日杯フューチュリティS(GI)でも3着と健闘した。母方にStorm Catを持つスペシャルウィーク産駒は成功しており、ファイアーフロート、ガンマーバースト、バイタルスタイル、ダイレクトキャッチ、ラナンキュラス、タガノエリザベート、モズ、クロワラモーなど多数の活躍馬が出ている。スペシャルウィークの母の父マルゼンスキーとStorm Catが互いによく似た血統構成であることが好相性の理由だろう。芝向きのマイラー。

●フロントタック(牝 栗東・宮本博 父Macho Uno、母マーキーアトラクション)
 2代母Golden AttracitonはスピナウェイS(米G1)、フリゼットS(米G1)、メイトロンS(米G1)などを制し、95年の米2歳牝馬チャンピオンに輝いた。これに米リーディングサイアーStorm Catを交配して母マーキーアトラクションが誕生し、これに米2歳牡馬チャンピオンのMacho Unoを交配して本馬が誕生した。「Macho Uno×Storm Cat」は昨年11月の新馬戦(ダ1400m)を圧勝してポインセチア賞(2歳500万下・ダ1400m)でも2着となったダノンレジェンドと同じ。マイル以下のダートで堅実に走ってきそうだ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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