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週刊サラブレッドレーシングポスト

  • 2003年05月27日(火) 17時01分
 6月6日に行われる英オークス、7日に行われる英ダービーの前哨戦が終了し、ほぼ勢力分布の全容が明らかになった。まず今週は、牝馬のオークスの展望をお届けしたい。

 ラドブロークス、コーラル、ウィリアムヒルズの3大ブックメーカーが揃って本命に推しているのが、エイダン・オブラエン厩舎のイエスタデイ。2歳最終戦で9Fの準重賞アイアフィールズSを牡馬に混じって制覇。もともとオークス候補と言われていた同馬だが、5月25日に行われたG1愛1000ギニーで今季初めて姿を現し、大本命のシックスパーフェクションズを斥けて優勝。父サドラーズウェルズ、母の父ダルシャーンという流行りの配合は明らかに距離延長歓迎のはずで、衆目の一致するところの本命となった。ここも勝つようだと、スーパーホース扱いをされる可能性もある大駒と言えよう。

 2番人気も、ファンタスティックライトの全妹ハイドバイで3社一致している。4月4日にナドアルシバで行われたゴドルフィンプライヴェートトライアル#3(牝馬版、芝1600m)を、牡馬版を上回るタイムで優勝。続く欧州緒戦のニューマーケットのLRプリティーポリーSも快勝し、この時点では各社横並びの1番人気に支持されたハイドバイ。当初はこの後オークス直行の予定だったのだが、5月18日にロンシャンで行われた仏オークスのプレップレース・サンタラリ賞に急遽エントリー。この春一連の成績不振は各馬の「実戦不足」が原因と見たゴドルフィン陣営が、ハイドバイに更なる実戦を積ませるために使ったのだが、このレースで伏兵に脚もとをすくわれて2着に敗退。この敗戦をあくまでも足慣らしのためと見るか、予定に無かったレースを使われて歯車が狂ったと見るか、判断の分かれるところだ。

 3番人気も各社揃って、前走英1000ギニーで道中大きな不利がありながら5着に頑張ったエルナンド産駒のハナミ。

 ラドブロークスとウィリアムヒルがハナミと横並びの3番人気、コーラルも4番人気に推しているのが、5月7日にチェスターに行われた準重賞チェシェアオークスを制したハマーヤ(父ダルシャーン)。これで今季2戦2勝のハマーヤ(通算3戦2勝)は現段階でオークスの登録が無いのだが、5月31日に設けられた追加登録ステージで2万ポンドを払ってエントリーしてくると見られている。

 「イエスタデー楽勝、2着はちぎれた!」という場面も充分ありそうだが、一方で、この馬が沈むようだととんでもない大穴が出る可能性もあるオークスと見ている。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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