●エイシンリュウウン(牡 栗東・野中賢二 父マンハッタンカフェ、母エーシントゥーゴー)
母エーシントゥーゴーは未勝利馬だが、エーシンメンフィス(12年愛知杯-GIII、13年京都牝馬S-GIII・2着)、の半姉にあたる。2代母Tennessee Girl(日本で競走生活を送ったテネシーガールのこと)は強力な先行力を武器にファンタジーS(GIII)とセントウルS(GIII)を逃げ切った。母方にMr.ProspectorとDanzigを併せ持つマンハッタンカフェ産駒は成功しており、Ribot系のJava Goldが入るので底力の面でも期待できる。芝・ダート兼用のマイラーで仕上がりは早いだろう。
●エアマスカット(牝 栗東・笹田和秀 父ジャングルポケット、母エアメサイア)
秋華賞(GI)とローズS(GII)を勝ったエアメサイアの娘。伯父にエアシェイディ(08年アメリカJCC-GII)がいる。2代母エアデジャヴーはクイーンC(GIII)を勝ってオークス(GI)でも2着となった活躍馬。その全弟には二冠馬エアシャカール(00年皐月賞-GI、00年菊花賞-GI)がいる。このように多くの活躍馬が誕生している華やかなファミリーの出身で、半姉エアワンピース(父ロックオブジブラルタル)は500万下から3連勝で準OP入りを果たし、「いずれ重賞でも」と期待を抱かせたものの、残念ながら引退してしまった。ロックオブジブラルタル牝馬のなかでは出世頭だったので、エアメサイアの繁殖能力は確かなものがあると見ていいだろう。「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」はフサイチホウオー、トールポピー、アヴェンチュラの三兄妹や、ジャガーメイル、トーセンキャプテン、アプリコットフィズ、ヒカルカザブエ、ダイワファルコンなど多くの活躍馬が出ているニックス。2代母の父がノーザンテーストなので、ジャガーメイル、ダイワファルコンとは血統構成の8分の7までが同じだ。大物感にあふれる好配合馬で、デビューが待ち遠しい。芝向きの中距離タイプ。
●キングアルフォンス(牡 栗東・吉田直弘 父ディープインパクト、母クイーンカアフマヌ)
母クイーンカアフマヌは「King's Best×Sadler's Wells」という組み合わせ。これはWorkforce(10年凱旋門賞-仏G1、10年英ダービー-英G1)、コスモメドウ(11年ダイヤモンドS-GIII)と同じ。現役生活は1戦0勝と見るべきものはなかったが、スタミナや底力を秘めた血統で、母の父King's Bestは日本ダービー(GI)と天皇賞・秋(GI)を勝ったエイシンフラッシュの父でもある。本馬の全兄カナロアは1000万条件を卒業するのは時間の問題で、さらに上のクラスも望める素質馬。クラシックディスタンスに向いたタイプだろう。芝向きの中長距離タイプ。
●キンシジェネラル(牡 栗東・浅見秀一 父アグネスタキオン、母スカイアライアンス)
母スカイアライアンスはナタルマS(加G3)など12戦2勝の成績を残した。本馬の半兄アフィリエイト(父Gone West)は短距離戦で3勝。半姉グァンタナメラ(父フジキセキ)とエパティック(父ディープインパクト)はそれぞれ3勝、2勝と、大物こそ出ていないものの堅実に走っている。本馬はアグネスタキオン産駒。NijinskyとMr.Prospectorを併せ持つ繁殖牝馬から誕生しているので、サウンドオブハート(11年阪神JF-GI・3着)を思い出させる構成だ。母方にRibot系が入るのも悪くない。芝向きのマイラー。
●ロッカデバルディ(牡 栗東・吉村圭司 父Hussonet、母Ribe)
ブルーダイヤモンドS(豪G1・芝1200m)を制し、現在は種牡馬となっているReaanの全弟。2012年4月に行われた豪イースターイヤリングセールにてノーザンファーム代表の吉田勝己氏が18万ドル(約1500万円)で購買した。父Hussonetは00年から7年連続で南米チリのリーディングサイアーとなった大種牡馬で、オーストラリアに移ってからも豪年度代表馬Weekend Hussler(豪G1を7勝)を出すなど成功している。母RibeはMVRCムーニーヴァレーオークス(豪G2・芝2040m)の勝ち馬。配合的にはマイラーだが、全兄Reaanはスプリンターとなった。いかにもスプリント大国オーストラリアらしい仕上げ方という印象だ。日本ではマイラーとなるはず。