ドラフトにおいて、人気になりやすいのが「○○の下」である。特にGI馬の弟や妹は、血統の分かりやすさから人気になりやすい。
では、そんな馬たちは実際どの程度走るのだろうか? 2008〜2012年の5年間にJRAの平地GIを勝った馬の弟・妹で、現3歳馬にあたる馬は全部で38頭いる。その成績がどの程度のものか、まずは推測していただきたい。
推測内容と実際の数字を比べてみよう。38頭中、1頭は未出走抹消、8頭が未出走、19頭が未勝利でうち1頭は抹消済み。1月末現在で勝ち上がっているのは10頭でうち8頭は1勝馬、2勝しているのはレッドオーヴァル(半兄ストロングリターン)とリヤンドファミユ(全兄オルフェーヴル、ドリームジャーニー)の2頭である。
この内容をどう評価するかは人によって違うかもしれないが、38頭中24頭が社台グループ生産馬であることを考えると、看板より走っていないとジャッジするのが正しいような気がする。さらにこの中にはセール5000万円以上馬が4頭含まれており、その中で勝ち上がっているのはトーセンパワフルだけ。兄姉のGI勝ちと購買タイミングが前後している馬もいるが、ともあれ「分かりやすい馬」については、ホンモノの馬主も注意が必要ということになるだろう。
ちなみに、「2007〜2011年のJRA平地GI馬」を兄姉に持つ4歳馬は37頭が中央に登録され、現時点での成績(POG期間後も含む)で未出走抹消1頭、未勝利17頭、未勝利のあと地方経由の出戻り1頭、中央未勝利で地方側で行われた条件交流の勝ち馬1頭、中央勝ち17頭となっている。トーセンホマレボシとグランデッツァの2頭が1億円以上を稼いだ。
「2006〜2010年のJRA平地GI馬」を兄姉に持つ5歳馬は36頭。こちらも現時点の成績で、1頭が未出走抹消、10頭が未勝利、4頭が未勝利のあと出戻り、21頭が勝ち上がった。この世代はオルフェーヴルが出ている。
要するに分かりやすい血統からいちばんの当たりを引ければ大きいのだが、一方で半分前後の未勝利リスクもある。これはPOG本で人気を作っていく立場の我々も認識しておかねばならない事実だ。
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