京都記念の舞台となる京都の芝・2200mコースは1角の手前が発馬地点となる。外回りコースが使用されるため高低差4.3mの上って下っての坂が待ち受ける。向こう正面の半ばから3〜4角の半ばまでこれが続く。おおむね平たんで癖のない設定においてここ1か所が違う。
京都の外回りコースの特徴であり距離によってこの難所での負担も違ってくる。2200mという距離に加えて特有の坂がある。下り坂の角度がきついという点が要だろう。持久力を下地にして惰性で進んでいける馬が合っていると考えていい。とりわけ冬場は力を要する馬場状態になりやすい。速さを持続することができるほど有利になる。
逃げ馬は過去10年において連対は皆無だ。3着は4回を数える。ここ4年の連対馬は好位に位置していた。基本的には前々で立ち回る馬のほうが分がいい。逃げ馬がいつ連対圏に入ってきてもおかしくはないだろう。
ベールドインパクトを推す。昨年の三冠を皆勤したように体力がある。3戦目で未勝利戦を卒業しておりディープインパクト産駒としてはエリートではない。緩みのない流れで持続力を生かしたときに味がある。この父の良質の子としては珍しい部類といっていいだろう。だからこそ今回の条件はより適している。見込める展開や位置取り。そして枠順を考慮すれば持ち前の持続力に富む脚を使える。
ビートブラックは積極策、それも楽ではない流れを刻んだときに良さが出る。自身にとっても厳しいが後続も苦しい。それが可能なメンバー構成と思えるだけに警戒したい。
ジョワドヴィーヴルは後肢の可動域が広く完歩が大きい。折り合いに不安がない走りを見ても心肺機能が強い持久型に映る。キャリアが浅いことでレース勘が戻っているかどうかを必要以上に心配することもないだろう。
潜在能力は現役屈指の存在とみていい。状況は厳しいがすべてを克服しても驚けない。右回りではややスムーズさを欠く点が残っている印象はあるがジャスタウェイは心身ともに成長している。
立ち回りが上手でパワーがあるカポーティスターにも引き続き注意を払いたい。サクラアルディートは瞬発力に秀でている。体力勝負になりそうな点で少し割り引きが必要だと思うが競走馬として死角が少ない。伸び盛りということを考慮しても楽しみな素材だ。