●スリーブラック(牝 美浦・田中剛 父ブラックタイド、母イシノグレイス)
母イシノグレイスは芝のスプリント路線で出世し、アイビスサマーダッシュ(GIII)4着という実績がある。母の父ロイヤルアカデミーはロイヤルスズカ(98年スワンS-GII)、イルバチオ(03年アイビスサマーダッシュ-GIII)、Bullish Luck(06年安田記念-GI)などマイル以下で良績を挙げている。父ブラックタイドはデイープインパクトの全兄にあたる良血で、初年度産駒からテイエムイナズマ(12年デイリー杯2歳S-GII)を出した。ディープインパクトはスプリント血統と相性がよく、ブラックタイドも似たような傾向はあるだろう。したがってスプリント重賞での実績があるイシノグレイスは悪くないはずだ。父が持つHalo≒Sir Ivor 2×4を継続して自身は3・5×4とし、父と相性のいいRound Tableを持つ点も評価できる。芝向きのマイラー。
●ノードブライティア(牝 栗東・橋口弘次郎 父アグネスタキオン、母スプリングネヴァー)
半兄にダイタクリーヴァ(00年スプリングS-GIIなど重賞5勝/父フジキセキ)、ダイタクバートラム(03年阪神大賞典-GII、04年ステイヤーズS-GII、04年北九州記念-GIII/父ダンスインザダーク)、シャイニーナイト(10年毎日杯-GIII・4着/父フジキセキ)、シャイニーホーク(OP/父フジキセキ)がいる良血。母スプリングネヴァーはネヴァービート3×2という強度のクロスを持っており、これが安定した繁殖成績の鍵となっているのだろう。本馬の父はアグネスタキオン。全兄シャイニータキオンは4戦未勝利だが、「アグネスタキオン×サクラユタカオー」はロジック(06年NHKマイルC-GI)を出している組み合わせなので期待できる。芝向きのマイラー。
●ダブリングキューブ(牝 栗東・安田隆行 父ネオユニヴァース、母ピサノグレース)
「ネオユニヴァース×フレンチデピュティ」は、スーブルソー(準OP)、アドマイヤジャガー(準OP)、チャーチクワイア(1000万下)、ミッキーナチュラル(1000万下)などコンスタントに走っている。確実性に欠けるところがあるネオユニヴァース産駒のなかでは評価できる配合だ。加えて、母方にドクターデヴィアスを持つネオユニヴァースにはユニバーサルバンク(11年京都新聞杯-GII・2着、11年共同通信杯-GIII・2着)がいる。ドクターデヴィアスの父Ahonooraはネオユニヴァースと相性がよく、ロジユニヴァース、イタリアンレッドがこの配合パターンを持っている。近親にはこれといった大物はいないものの、しっかり走ってきそうな配合だ。芝・ダート兼用の中距離タイプ。
●トウカイルノン(牡 栗東・田所秀孝 父ジャングルポケット、母トウカイパステル)
トウカイエール(準OP/父ソウルオブザマター)、トウカイカムカム(06年天皇賞・春-GI・5着/父トウカイテイオー)、トウカイルナ(08年愛知杯-GIII・5着/父エルコンドルパサー)、トウカイオーロラ(準OP/父トウカイテイオー)の半弟。兄姉には重賞勝ち馬こそいないもののコンスタントに上級クラスの活躍馬が誕生しており、本馬にもその期待が掛かる。「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」はジャガーメイル、トールポピー、アヴェンチュラなど多くの重賞勝ち馬が出現しているニックス。芝向きの中長距離タイプだろう。
●リリートゥモロー(牝 栗東・平田修 父ジャングルポケット、母エイプリルヒロイン)
全兄ギリギリヒーローは札幌2歳S(GIII)5着馬。2歳夏の短距離新馬戦から追い込んで勝った個性派で、3歳春は重賞戦線を歩んだ。半姉チェリーヒロイン(父キングカメハメハ)も追い込みタイプで1000万条件の上位勢力として頑張っている。おそらく本馬も追い込みタイプになるだろう。2代母クイーンソネットは新潟記念(GIII)2着、ローズS(GII)5着などの成績があり、一族にはミリオンディスク(09年カペラS-GIII)など多くの活躍馬がいる。質の高いファミリーなので、ジャガーメイルやダイワファルコンと8分の7まで同じ「ジャングルポケット×サンデーサイレンス×ノーザンテースト」という配合も活きるだろう。