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週刊サラブレッドレーシングポスト

  • 2003年06月03日(火) 13時27分
 先週のオークスに引き続き、今週は6月7日(土曜日)にエプソムで行われるダービーの展望を行いたい。

 ここへ来てブックメーカー各社のオッズは、リフューズトゥベンド、アラムシャー、ブライアンボルーの3頭による三つ巴の様相となっているが、結局は回り廻って本命の座に就きそうなのは、ブライアンボルーだ。「回り廻って」とは、もともとは2歳戦線が終了した時点では、G1レイシングポストトロフィーを制したサドラーズウェルズ産駒のこの馬が、ダービーの1番手と目されていたからだ。

 これが4月13日の段階で、ブライアンボルーは予定されていたG3バリーサックスSを登録ミスで使えず。一方このレースで、2歳時のG3ベレスフォードSでブライアンボルーを破っているアラムシャーが前売りの1番人気に立った。

 ところが、5月3日に行われた英国二千ギニーを、もともとダービーの有力候補と見られていたサドラーズウェルズ産駒のリフューズトゥベンドが快勝。この時点でダービーの本命には、各社ともリフューズトゥベンドを挙げたのである。

 その後、5月11日に行われたG2愛ダービートライアルSで、アラムシャーとブライアンボルーが対決。アラムシャーが勝つには勝ったのだが、ラビットをようやくのことでつかまえる辛勝。ブライアンボルーに至っては3着に敗れ、この時点ではリフューズトゥベンドの独走態勢すら予想される形勢となった。

 ところがその後エイダン・オブライエンが機会あるごとに「6月7日はブライアンボルーの本来あるべき姿をお見せする」と発言。目下英国ダービー2連勝中の天才調教師が放つ超強気な発言に、再びブライアンボルー株が上昇しはじめ、結局はこの馬が本命という「元鞘」に戻りそうなのが、ここ一両日の動きである。

 もう1頭、ここへ来て人気急上昇なのが、5月6日にチェスターで行われた10F75YのG3ディーSを制したクリスキンだ。実はこの馬はダービーの登録がないのだが、先週火曜日に、6月2日のエントリーステージで9万ポンド(約1800万円)の追加登録料を払って出走することを表明。しかも鞍上に、オブライエン厩舎の二番手に乗る事も出来たリーディングジョッキーのキアラン・ファーロンをブッキング出来たことで、一躍に人気に火が付いた形になった。

 リフューズトゥベンドによるナシュワン以来14年振りの2冠達成なるか。エイダン・オブライエンがダービー3連覇の偉業を成し遂げるのか。あるいは伏兵の台頭があるのか。見どころ満載のダービーとなりそうだ。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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