ロゴタイプと同じサンデー+Singspielのアクレイムド
●アルスヴィズ(牡 栗東・池江泰寿 父ジャングルポケット、母アルスノヴァ)
母アルスノヴァは屈腱炎で早期引退したものの、2歳時に牝馬ながらエリカ賞(500万下)を勝ったようにきわめて高い素質を秘めていた。それもそのはず、母の兄弟にはオルフェーヴル(年度代表馬)、ドリームジャーニー(最優秀2歳牡馬、最優秀4歳以上牡馬)という2頭の名馬がいる。これらを産んだ名繁殖牝馬オリエンタルアートの初孫にあたるのが本馬。どんな競走馬になるのか興味深い。父ジャングルポケットはダービー馬、母の父ダンスインザダークは菊花賞馬、2代母の父メジロマックイーンも菊花賞馬と、3代連続で中長距離のクラシックホースが交配されている。ステイヤーとして開花するのを楽しみに待ちたい。
●アクレイムド(牡 栗東・角居勝彦 父アグネスタキオン、母ジェニーリンド)
新馬戦から3連勝でヒヤシンスS(OP)を制したフリートストリートの半弟。Mr.Prospector系のストリートセンスからサンデー系のアグネスタキオンに父が替わったので、タイプはまったく異なるだろう。ダートで強さを発揮した兄とは異なり、芝中距離で持ち味を活かすタイプとなるはずだ。「アグネスタキオン×Singspiel」はデボネア(11年京成杯-GIII・2着、10年弥生賞-GII・3着、10年皐月賞-GI・4着)と同じ。両馬ともドバイのモハメド殿下の所有馬である点も共通している。デボネアはスパッと切れる脚こそないものの、タフな流れに強い芝中距離タイプだった。本馬もそれに近いタイプとなるだろう。2代目にサンデーサイレンスとSingspielを並べた配合は昨年の2歳牡馬チャンピオンに輝いたロゴタイプと同じ。芝1600〜2000mあたりで本領を発揮しそうだ。
●キラキラムーン(牝 栗東・荒川義之 父アドマイヤムーン、母サイコーキララ)
母サイコーキララはデビューから4連勝で4歳牝馬特別・西(G2・芝1400m)を制した活躍馬。リンドシェーバー産駒ということで芝のクラシックを勝つだけの底力は無かったが、軽快なスピードには見どころがあった。繁殖牝馬としては芝短距離で準OPまで出世したアグネスヨジゲン(父アグネスタキン)を産んでいる。母方の奥にはHerbager、セントクレスピン、アポッスル、Wild Riskといった重厚な血が入っているので、そうした血と相性のいい父アドマイヤムーンは悪くない交配相手だろう。芝向きのスプリンター〜マイラー。
●ソーミラキュラス(牝 美浦・萩原清 父フジキセキ、母ソーラアート)
母ソーラアートはダート短距離で準OPまで出世した。本馬は「フジキセキ×エリシオ」という組み合わせ。これはマイルCS(GI)、弥生賞(GII)など重賞を4勝したサダムパテックと同じ。本馬とサダムパテックは母方の奥にMr.Prospectorを抱えているところまで同じで、これらの血はニックスの関係にあるので好ましい。Mr.Prospectorは素軽さの担保となる名血で、この血が入るからこそエリシオの底力や重厚さが活きる。芝向きのマイラーだろう。
●モシモシ(牝 美浦・高橋祥泰 父ジャングルポケット、母ワナ)
母ワナは新潟2歳S(GIII)をレコードで快勝し、その半兄ロロはダートでOPクラスまで出世した。本馬の半兄キョウジ(父キングカメハメハ)はダート1700〜1800mで計3勝したパワータイプだった。本馬の父はジャングルポケット。Nureyev 3×4のクロスが発生するなど全体的に力強い配合で、芝の高速決着や切れ味勝負にはやや不安がある。荒れ馬場、洋芝、道悪などパワーが活きる馬場で狙いたい。ダート向きの可能性もある。いずれにしても中距離で本領を発揮するタイプだろう。