【栗東トラックマン情報】
◆土曜阪神11R・チューリップ賞(GIII)
・ローブティサージュ
普段の調教から気性の激しいところも見せるタイプで、この中間も調教本数を多くするというよりも、馬の気持ちを整えるような仕上げ。その分、調教本数は少ないものの、追い切りで見せる動きは文句ない。
1週前追い切りに続いて、今週もジャスタウェイとの坂路での併せ馬だったが、追走して先着するという内容は全く同じ。時計が遅い点に関しては、前走時とほぼ同じ数字という点で納得できるし、気になるとすれば、本数が少ないことが息切れに繋がってしまうのではないかという点。それもさほど気にすることではなく、しっかりと動ける状態であるということが重要かも知れない。
・レッドオーヴァル
前走後はすぐに放牧へ出されて、ここを目標に調整されてきた。帰厩してからも、順調に坂路での調教を積んでいる。
最終追い切りは単走だったが、4F52.4〜3F38.7〜2F25.5〜1F12.8秒と文句のつけようがない素晴らしい時計。もちろん動きもそれに見合った軽快なもので、いくら馬場状態が良い時間帯だからといって過小評価してはいけないだろう。問題は常に後方から鋭い脚を使うという脚質。展開面でのアドバンテージがない今回が本当の試金石かも知れない。
◆土曜中山11R・オーシャンS(GIII)
・ダッシャーゴーゴー
前走シルクロードSでは59キロを背負いながら、ハナ差の2着。2012年は勝ち鞍こそなかったが、まだまだスプリント路線の第一線で活躍しているところを証明して見せたレースとなった。
今回は56キロで2011年に勝っているレース。ある意味負けられないレースだが、最終追い切りの動きから、不安に感じるような点はない。もたつく相手に対して、最後までしっかりした脚どりで、最後は1F12.2秒の最速ラップでフィニッシュ。4F52.8秒も速い時計であり、力を出せる状態であることは、まず間違いない。
・ハクサンムーン
ハナを切って、自分のペースで競馬をして結果が出るか出ないかのタイプだけに、前走のように力を出し切れると、重賞を勝つ能力があることは間違いない。ただ、その反面、普段からテンションの高いところがあり、陣営もそのあたりを配慮しながら、調整を進めてきた。
そのため、調教欄に掲載される調教本数は少ないが、その点は問題ない。むしろ最終追い切りで引っ掛かってしまうようなことを心配していたが、それも杞憂に終わった。テンからゆったり進めて、最後の1Fが一番速くなる加速ラップでゴール。4F56.6〜1F12.6秒と全体時計は遅いものの、鋭い動きが印象的だったので、精神面は前走時以上に成長しているような気がする。
◆日曜中山11R・弥生賞(GII)
・ヘミングウェイ
デビューから5走目で勝ち上がったが、初重賞挑戦だった前走はいきなりの2着。あらためて能力の高い走りを見せてくれたが、中間の調教を見ていると、まだまだ成長してくれる余地を残していそう。
最終追い切りはCWでネオヴァンドームを追走する内容だったが、1週前追い切りよりも速いペースで前半を進めたため、直線でも前との差があまり詰まっていなかった。しかし1F標識を過ぎて、追い出されると、鋭い反応を見せて、一瞬でネオヴァンドームに先着。6F82.3〜5F66.5〜4F51.8〜3F38.0〜1F12.3秒と時計のバランスも非常に良く、距離延長、初めての関東圏輸送などの課題はたくさんあるものの、それを差し引いても魅力ある、今回のレースとなりそうだ。
【美浦トラックマン情報】
◆土曜中山9R・黄梅賞
・ダイワフェーム
前走の未勝利戦は3ヶ月ぶりで少し太めに映る馬体。初めてチークピーシーズを着用して絶好の手ごたえで好位。残り1F過ぎで抜け出したがフワッとして幼さを見せて内ラチ沿いまで行き、何かと凌いでの勝利。馬体、精神面共に成長の余地を残した内容。今回は中2週のレースでもゴール前ビシッと追って5F68秒7〜上がり39秒8。叩かれて体の切れも良くなり、精神面も鍛えての出走。秘める能力は高く、昇級戦で楽に通用の器。
・エデンロック
前走が4ヶ月ぶりの実戦でプラス12キロの馬体重。新馬勝ちの時と比べるとプラス4キロだけに、この時期の牡馬なら、もっと増えてもいいところ。太め感はなしと思えた。ただし久々の一戦ということで、パドックからハイテンション。そのぶん折り合いを欠いて本来のレースぶりにひと息。それで0.4差4着が能力の証明か。今週は内め通ったとはいえ、素軽さ満点の動き。確実に良化している。
◆日曜阪神10R・仁川S(OP)
・グランドシチー
フェブラリーSを除外になったが、これは事前から分かっていた事で調整に狂いはない。休まず乗り込み、不安のない状態が整っている。今週はウッドチップを82秒4-66秒8-38秒9。稽古はあまり動かないタイプでしたが、今回は最後まで余力を残してゴールイン。単走でも気合のりの良さが目立ち、間隔をあけた事で良い感じにリフレッシュされてきた。前走は直線で伸び始めたところ、内へササってしまっての5着、まともならもっと差は詰まっていたはず。重賞も狙える実力馬、オープン特別なら58キロでも負けられない。
◆日曜中山10R・上総S(1600万下)
・イッシンドウタイ
今回は東京方の中1週になるが、これだけ間隔を詰めて使えるのは体調の良い証拠。時計こそ平凡だったが、朝一番に併せ馬で追って71秒4〜56秒5〜41秒8(馬なり)。キッチリと締まった馬体で気迫も満点。減点材料はまったくなしといっていい。準オープンに昇級してからは、3戦続けて3着が続いているが、いずれも強敵相手にコンマ4秒以内の僅差。もう勝利は時間の問題だろう。とにかく器用なタイプで、コーナー4回の中山ダート1800メートルの適正でもここでは最上位。今度こそ結果を出したい。
◆日曜中山11R・弥生賞(GII)
・サトノネプチューン
暮れのホープフルSを制した後放牧に出していたが、2月初旬美浦に帰厩後は坂路とウッド調教を交じえて計6本の追い切りを消化。28日の最終追い切りはウッドに入って同厩舎の3才馬2頭を1秒以上追走から、直線で進路を内にとり、残り1Fを併走。特にG前では重心がグーンと低くなり、スピード感十分の内容で手ごたえ良く併入。5F69秒6〜3F39秒2〜1F13秒1の時計は平凡でも息もちが整っており、馬体面でも太め感なく、さらに上積みが期待できる程の仕上がり状態。初戦で発揮した爆発力、2戦目の長く良い脚を使えたことを考えると、まだまだ素材として伸びる余地は十分にありそうだ。今回は強力なメンバー構成となっているが、底を見せてない点ではこの馬も同様。距離、コース経験を生かせば3連勝のチャンス大。