●エリモフローラ(牝 栗東・佐々木晶三 父ゼンノロブロイ、母ユニバーサル)
オークス(GI)、中京記念(GIII)など4つの重賞を制した名牝エリモエクセルの孫にあたる。母ユニバーサルは3勝馬。本馬は「ゼンノロブロイ×ブライアンズタイム」なのでマカニビスティー(10年名古屋グランプリ-JpnII・2着、11年天皇賞・春-GI・4着)と同じ。母の父ブライアンズタイムのパワー、スタミナ、底力が強い影響を与えている。3代母の父Rivermanは父ゼンノロブロイと相性がよく、トレイルブレイザー、ルルーシュ、アグネスワルツ、イチオクノホシなど活躍馬が続出している。本馬は牝馬なので芝適性があり、中距離でいいところがありそうだ。
●オーラオブザムーン(牝 栗東・松田国英 父Tiznow、母レディジョアン)
母レディジョアンはアラバマS(米G1・ダ10f)など米重賞を3勝した活躍馬。そのきょうだいにShackleford(11年プリークネスS-米G1などG1を3勝)、Baghdaria(06年アイオワオークスなど重賞3勝)、Afleeting Lady(12年フォールズシティH-米G2など重賞2勝)などがいる超良血馬だ。当然、繁殖牝馬としても期待が大きく、現在は輸入されている(静内の千代田牧場)ので「レディジョアン」というカタカナ表記になっている。ちなみに、12年はディープインパクトの牝駒を出産した。本馬の父TiznowはブリーダーズCクラシック(米GI)を連覇して米年度代表馬に選出された名馬。種牡馬としてはDa'Tara(ベルモントS)、Folklore(ブリーダーズCジュヴェナイルフィリーズ)、Well Armed(ドバイワールドC)などを送り出している。ダート向きのパワータイプで、日本ではまだ重賞級の大物は出ていない。母方にFappianoが入るパターンは前出のFolkloreやTizahit(デモワゼルS-米G2)などと同じ。基本的にはダート向きのマイラーで、距離適性は幅広いだろう。
●ドミナスイオン(牝 美浦・斎藤誠 父キングカメハメハ、母マッキールージュ)
母マッキールージュは未勝利馬だが、父がブライアンズタイムで牝系がパシフィックプリンセスにさかのぼるので、四冠を制覇し年度代表馬に輝いたナリタブライアンと血統構成がきわめてよく似ている。これにキングカメハメハを交配して誕生したのが本馬。「キングカメハメハ×ブライアンズタイム」という組み合わせはハタノヴァンクール(13年川崎記念-GI、12年ジャパンダートダービー-GI)、グランドシチー(12年マーキュリーC-Jpn3・3着、12年エルムS-GIII・3着)、シセイオウジ(12年カペラS-GIII・3着)、キョウワダッフィー(準OP)などと同じ。ダート向きのマイラーとして大成が期待できる。
●ユニーク(牝 栗東・千田輝彦 父Commands、母シンティー)
父Commandsは10、11年にダーレージャパンスタリオンコンプレックスで種付けを行ったコマンズ(父デインヒル)のこと。10年に種付けして誕生した産駒は今年の夏にデビューを迎える。現役時代の競走成績はG3を勝った程度だが、名馬Danewin(オーストラリアでG1を勝ちまくりジャパンCにも出走した)の全弟という良血で、オーストラリアでは数頭のG1ホースを送り出している。日本ではこれまでにオセアニアアタックという外国産馬が走ったことがあるが、未勝利に終わった。本馬は母の父がサンデーサイレンスなので、日本向きの適性を測る絶好のサンプルとなりそう。芝向きのマイラーで、道悪や洋芝で本領を発揮するタイプだろう。
●リキューズ(牡 美浦・大江原哲 父ダイワメジャー、母イクスキューズ)
母イクスキューズは現役時代、クイーンC(GIII)を勝ち、ファンタジーS(GIII)2着、クイーンS(GIII)2着、フローラS(GII)3着など重賞戦線で活躍した。短距離型が多いボストンハーバー産駒のなかで唯一1800m以上で勝った馬でもある。これはスタミナに恵まれていたというより絶対能力が高かったと解釈すべきだろう。本馬の父はダイワメジャー。サンデー系の若手の雄で、カレンブラックヒル、コパノリチャードなどコンスタントに活躍馬を送り出している。本馬はLa Menina=Gay Hostess 5×5という全きょうだいクロスを持つ。芝・ダート兼用のマイラーだろう。