フィリーズレビュー、中山牝馬S、中日新聞杯追い切り診断
【栗東トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・フィリーズレビュー(GII)
・サウンドリアーナ
前走大敗後は、一旦、信楽牧場に放牧に出されており、栗東へ帰厩したのが1月31日。そこから少しずつ調教のピッチを上げているが、普段の調教から行きたがるようなところを修正するように工夫されているこの中間。最終追い切りは戸崎圭太騎手が跨っての併せ馬となったが、先行したサウンドマンデュロの手応えが良すぎたため、最後まで追いつくことができなかったが、最終追い切りを一杯に追われて先着した阪神JF時のことを考えれば、むしろオーバーワークになっていない点を評価したい。
・ティズトレメンダス
芝は新馬戦4着以来となるが、その後5戦のダートはすべてスタート地点が芝。それを先行する脚力を持っていることから、決して芝適性がないと思えない。中5週と少し間隔が空いたものの、中間の調教量は標準以上。最終追い切りは単走だったが、前に走っていた他厩舎の馬を楽に追い抜く力強い走り。時計は4F52.7〜1F12.7秒と馬場状態を考慮すれば、速い数字をマーク。もともと攻め駆けするタイプではあるが、好調をキープできていることは間違いない。
◆日曜中山11R・中山牝馬S(GIII)
・レディアルバローザ
阪神芝1800mで行われた中山牝馬S、そして昨年の中山芝1800mで行われた中山牝馬Sと2年続けて、このレースを優勝。この舞台への適性があることは間違いないが、問題は現在の状態だろう。最終追い切りは昨年時と同じDP。単走という点も同じだったが、違ったのは乗り役。昨年はレースで騎乗した福永祐一騎手だったが、今回は調教助手。そして、その動きも、昨年は直線に向いて、スムーズに手前を替えていたのが、今回は手前をなかなか替えていない。この動きだけを見てしまうと、大きな評価はできないだろう。
◆土曜中京11R・中日新聞杯(GIII)
・ジョワドヴィーヴル
前走京都記念は超がつく久しぶり。しかも初距離、牡馬との対戦など、未知な部分は多かったが、自分のペースで競馬をして7着という結果なら悪くなかったのではないだろうか。今回の最終追い切りはCWコースで単走。前半をかなりゆったりと進めたため、時計は6F85.5〜5F70.4〜4F55.2〜3F39.8〜1F12.4秒と遅くなってしまったが、ラストの伸びは力強さがあった。もっとも、阪神JF1着時は速い時計をマークしながら、併せ馬で先着するという動きを見せていただけに、それに比べれば、物足りない印象は拭えない。
・ジャスタウェイ
2013年の2走は2000mという距離が連対を外している原因でないとすれば、最終追い切り時に坂路でラスト1F14秒以上要してしまっている、終いの伸びのなさがその原因なのではないかと考えている。今週の最終追い切り。併せた相手はゴールドシップだったが、相手は休養明けで来週が競馬。それを考えると、3馬身も遅れてしまったことは決して評価できない。加えて、ラスト1F14.0秒と時計を要した点も前記したように、好走できる材料とはならないはず。中間の調教量が豊富な点は必ずプラスになるだろうが、今回の最終追い切り内容から連対できるかどうかは微妙なところ。
【美浦トラックマン情報】
◆土曜中山11R・房総特別(1000万下)
・サイレントソニック
久々をひと叩きされての前走の立春賞。前に壁を作って折り合はつけたが、直線で前の馬がフラフラして、2度進路を切り替えるロス。気性が難しくイヤ気がさしてしまった感じ。今回は直前の追い切りを坂路からウッドコースに変えて5F67秒9〜上がり37秒8を絶好の手ごたえで計示。終始落ち着いた走りで精神面での進境を見せた。久々の1200戦になるが、折り合に気を使う必要がなくベストとみた。
◆土曜中山10R・サンシャインS(1600万下)
・ブリッジクライム
前走はインを巧く立ち回ったということもあるが、ひと叩きしての良化も十分。馬体がしっかりして調教を強化できたし、毛ツヤも良化。今週も素軽さ満点の動きで、好調時の状態に戻っている。2千メートルの新馬戦でデビューしたように、距離は伸びれば伸びるほどいいタイプだし、秋華賞でジェンティルドンナの0.3秒差4着したように、能力はオープンでも通用。ここは連勝の可能性が大。
◆日曜中山9R・山桜賞(500万下)
・ミエノワンダー
今週はウッドチップで85秒3〜69秒7〜40秒0。2馬身先行してサトノアポロと直線併せたが、相手が一杯に追われているのを横目に、馬なりのまま楽々とゴールイン。大型馬らしく使われながらの変わり身が大きく、体が締まり、デビューの頃より動きに鋭さが加わっている。前走はスローペースで、通過順がそのまま着順になっているような決着だったが、その中で唯一頭差を詰めてきたのがこの馬。瞬発力勝負では分が悪いと思われていただけに、収穫の大きい一戦だった。状態面はさらに上昇、初勝利を上げた相性の良い条件でキッチリと勝つ。
◆土曜阪神8R・阪神スプリングJ(GII)
・ビービースカット
前走の中山戦はコンマ4秒差の4着。内容的には決して悪くなかったのだが、やはり直線のダートで脚色が鈍る傾向が強い。ということで、芝を求めての阪神遠征。タメてもそう味がないので、今回も積極策ということになるが、ベストの条件なら終いの伸びが変わるはずだ。この中間も乗り込みは十分で、直前の稽古でも69秒0〜54秒2〜40秒を馬なりでマーク。気性の若さを見せることなく、最後まで集中して走れていた。ここは相手が揃っているが、重賞2着の実績は威張れるもの。春のグランドジャンプ目標のライバル達より、「本気度」でも上回る。
◆日曜中山11R・中山牝馬S(GIII)
・アラフネ
前走は決め手比べの流れで苦戦かと思われたが、直線残り2Fから抜群の瞬発力で16ヶ月ぶりの勝利。それも別定戦、1600万条件戦にしてはOP級の力を持った牝馬の戦いの中を完勝したことを考えると、昇級初戦、実績のない1800mの今回でも十分に勝負となりそうだ。中間は至って順調で、1週前追いが素軽さ十分の内容。そして6日の最終追いでは3歳馬に半馬身遅れも、ここ3戦と同様のハード調教が消化できており、状態面は引き続き文句なし。53キロの斤量、一瞬の決め手比べ、そして何よりデキの良さが優先の牝馬限定戦なら連勝のチャンスは十分。