3月9日(土)、ドバイ・メイダン競馬場で行われたドバイワールドCの前哨戦・アルマクトゥームチャレンジR3(GI・AW2000m)にトレイルブレイザーが、マハーブ・アル・シマール(GIII・AW1200m)にファリダットが出走。どちらも勝利は叶いませんでしたが、陣営はすでに前を向いています。次なる戦いに備える陣営の声をお届けします。(取材・写真:沢田康文)
ファリダットがベストターンドアウト賞に
まだ陽が沈みきる前の18時過ぎ、最初に登場した日本馬はビリーヴを母にもつ超良血馬ファリダットだった。レース発走直前にはもっとも手入れの行き届いていた馬に送られるベストターンドアウト賞を受賞。8歳馬とは思えぬ毛ヅヤの良さで好調ぶりをアピールしていたが、武豊騎手の右ムチに反応することなく、残念ながら結果は9着に終わった。
上位勢には突き放された完敗に、レース直後の松元茂樹調教師は、「今回はなるべく前の方で競馬をしてもらうように指示を出していました。一度使ったことで馬体が引き締まり、連闘で馬は良くなっていた。それでも先週の競馬からタイムを詰めることができなかったので、この馬にはAWが合っていなかったかもしれません」
レーティングを上げることは叶わずに、目標としていたドバイゴールデンシャヒーン出走の道は断たれてしまったが、トレイルブレイザーと同じ便での帰国が予定されているため、今後は月末までドバイに滞在する。帯同馬として同馬主のトレイルブレイザーをサポートしていくこととなり、「帰国後はしばらく放牧に出して、パサパサのダートでもう一度出直します」と、松元調教師は前を向いた。
その約2時間後。第7レースに組まれたアルマクトゥームチャレンジR3に出走したのがトレイルブレイザー。滞在競馬を考慮し、この日早朝もAWトラックで軽めに乗られた同馬は、初のナイター競馬にも適応し、カクテル光線に包まれたパドックでも入れ込むような素振りを一切見せなかった。返し馬でも軽快な足さばきを披露し、海外GI制覇へ期待は膨らんだが、しかしメイダンの2000mを走った先に待っていたのは厳しい結末だった。果敢な競馬で2番手を進んだものの、3コーナー過ぎから手応えが怪しくなり、最後は急失速。下馬した武豊騎手は