シャイニンルビーが産んだ米国産の娘アトランティード
●アトランティード(牝 栗東・吉村圭司 父Curlin、母シャイニンルビー)
母シャイニンルビーはクイーンC(GIII)を勝ち、桜花賞(GI)でも3着となった活躍馬で、07年の暮れにアメリカへ輸出された。父CurlinはドバイワールドC(首G1)、ブリダーズCクラシック(米G1)など7つのG1を制し、米年度代表馬に選ばれ、米歴代最多賞金獲得記録を樹立した名馬。現3歳世代が初年度産駒で、まだ重賞を勝った産駒は出ていないが、リズンスターS(米G2)3着のPalace Malice、ゴールデンロッドS(米G2)3着のLiveratedなどが出ている。「Mr.Prospector 系×Deputy Minister 系」というパワー満点のダート配合から誕生した種牡馬だが、血脈のなかにSir Ivorを持っており、本馬の母の父サンデーサイレンスとの組み合わせでは、Sir Ivor≒Halo 5×3という素軽いクロスが生じる。牝馬でもあるので、芝で走れないことはないだろう。芝・ダート兼用の中距離タイプ。
●アポロンバローズ(牡 美浦・尾形和幸 父マンハッタンカフェ、母カフェオペラ)
アメリカで生まれた母カフェオペラは、現役時代はイギリスで1勝を挙げ、日本で繁殖牝馬となった。母方にSadler's Wellsを持つマンハッタンカフェ産駒には、レッドディザイア(09年秋華賞-GI)、ジョーカプチーノ(09年NHKマイルC-GI)、ゲシュタルト(10年京都新聞杯-GII)、ヤマニンウイスカー(13年京都金杯-GIII・3着)などの活躍馬がいる。また、母にNorthern Dancerの強いクロスを持つ配合は父の成功パターンで、前出のレッドディザイア、ジョーカプチーノ、ゲシュタルトの3頭はこれにも当てはまる。母カフェオペラはNorthern Dancer 2×4なのでこのパターン。Mr.Prospector が入るのも好ましい。芝中距離で無難に走ってくるだろう。
●サンレーン(牝 栗東・西園正都 父Oasis Dream、母プリムローズレーン)
父Oasis Dreamはここ10年ほど盛んに勢力を伸ばしてきているGreen Desert系に属し、そのエース格ともいえる活躍ぶりで注目を集めている。現役時代はナンソープS(英G1・芝5f)、ジュライC(英G1・芝6f)、ミドルパークS(英G1・芝6f)などを勝ったスプリンターだった。当然、産駒はスピードタイプが多いが、配合次第ではMidday(09年BCフィリー&メアターフー米G1)のような中距離馬を出す能力がある。日本ではまだ活躍馬が出ていないが、日本に向かない血統ではないと思われるので期待してみたい。切り札となる血は母の父ダンシングブレーヴ。それに含まれるDroneはサンデーサイレンスの父Haloとニックスの関係にある。本馬の母の父はサンデーサイレンスなので、Drone≒Halo 5×3が生じる。これまで日本で走ったOasis Dream産駒のなかでこの配合パターンを持つ馬はいなかった。大きな期待を掛けられる配合馬だ。芝向きのマイラー。
●スマートレイアー(牝 栗東・大久保龍志 父ディープインパクト、母スノースタイル)
母スノースタイルは芝短距離で1000万条件まで出世した。その父ホワイトマズルはダンシングブレーヴ産駒。ダンシングブレーヴとディープインパクトの母の父Alzaoは相似な血なので、Alzao≒ダンシングブレーヴ3×3という大胆なクロスを持つ。「ディープインパクト×ホワイトマズル」は過去マスクオフという馬が1頭のみデビューし、[1・3・1・0]という成績を残している。悪くない成績だ。本馬にも期待したい。芝向きの中距離タイプ。
●バルカローレ(牝 美浦・小島太 父クロフネ、母ベビーグランド)
スプリンターズS(GI)など重賞を3勝したスリープレスナイトは母の半妹。スリープレスナイトと本馬はいずれもクロフネ産駒なので、両馬は4分の3同血の関係にある。また、「クロフネ×トニービン」の組み合わせは成功しており、カレンチャン(12年高松宮記念-GI、11年スプリンターズS-GI)を筆頭に、クロフネサプライズ(13年チューリップ賞-GIII)、フラムドパシオン(06年UAEダービー-G2・3着)、ポルトフィーノ(08年エルフィンS-OP)など、コンスタントに良駒が誕生している。高確率で走ってくるであろう好配合馬だ。芝・ダート兼用のマイラー。