阪神大賞典、スプリングS、フラワーC、ファルコンSなど追い切り診断
【栗東トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・阪神大賞典(GII)
・ベールドインパクト
前走京都記念後も放牧には出されず、在厩のまま調整。2月下旬には坂路で15-15の調教を開始し、このレースへ向けての調整は順調に進んでいる。1週前追い切りではCWコースを福永祐一騎手が跨って、前半少し行きたがるような仕草を見せていたが、今週のCWコースでの最終追い切りはテンを極端にセーブ、正味5F追い切りとなった。先行していたチュウワプリンスを捕まえるまで、そして捕まえてからも完全に馬なり。それでラスト1F11.9秒の伸び。ためれば弾けるところを見せてくれただけに、レースでも折り合いさえつけば、最後の直線はしっかりと伸びてくれるだろう。
◆日曜中山11RスプリングS(GII)
・タマモベストプレイ
前走きさらぎ賞快勝後は一旦、ヒルサイドSに放牧へ出されており、2月21日に帰厩。すぐに坂路で15-15の調教を開始しており、1週前追い切りは坂路で和田竜二騎手が跨っての併せ馬だった。今週は輸送のあるレース週ということもあって単走。しかし和田竜二騎手が跨っていたということもあってか、テンからなかなかの行きっぷりで、スピード感十分。結局時計は4F52.6〜1F12.7秒と1週前追い切りより速い数字になった。ただ最後まで余力十分に動けていたし、見た目にはオーバーワークになった印象はない。
・アクションスター
前走は順延された京成杯に出走して2着。難しい調整過程だったことを考慮されて、一旦リフレッシュ放牧に出され、ノーザンFしがらきから栗東へ帰厩したのが、2月26日だった。入厩前にノーザンFしがらきで速い追い切りを消化したということで、帰厩してからの調教量は決して多くない。ただその動きは悪くなく、最終追い切りに関しても、併せたレコンダイトが最後まで食い下がってきたと見た方がよいだろう。前走より上積みがあるいう状況ではないにせよ、持っている力は発揮できる状態にある。
◆土曜中山11R・フラワーC(GIII)
・カラフルブラッサム
過去5走して、牝馬限定戦はG1の阪神JFだけという、まったく牝馬らしくないローテーションを歩んでいるのが特徴。450キロ前後の馬体にしては見栄えするタイプだけに、潜在能力は相当高いのではないだろうか。前走は調教本数が少ない状態での出走、その分負けて2着だったのだろう。今回はしっかりと追い切り本数を消化。最終追い切りは坂路だったが、最後の1Fが最速になるラップを踏めており、全く問題なし。あとは輸送が問題になってくるが、一泊しての競馬だった小倉で新馬勝ちを収めていることを思えば、かえってプラスになる可能性はある。
◆土曜中京11R・ファルコンS(GIII)
・ティーハーフ
これまで馬券圏内を外したのは、G1の朝日杯FSだけ。それ以外では、重賞であろうとも、芝1400m以下の距離で全く崩れていない。今回は中6週と少し間隔が空いているが、坂路での調教本数は十分。この点からは、全く不安要素はないのだが、心配があるとすれば、中間の併せ馬。遅れることが目立っているのだが、2歳時はもう少し併せ馬でも動いていた。このあたり、前向きさに欠けてきたのだとすれば、どのように解釈してよいものか、今回のレースは少し静観するのがよいかも知れない。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜中山11R・スプリングS(GII)
・フェイムゲーム
未勝利戦・京成杯といずれも中山2000mを連勝中で勢いは十分。2か月レース間隔があいたが、2月下旬からウッドと坂路調教を交えて入念に乗り込んでいる。1週前追いが古馬を追走から、最後は持ったままの手応えで併入。そして13日の最終追いでは障害OPトーセンオーパスを3馬身追走から、直線では余力十分の脚どりで併入。2週続けて本来の切れ味を見せつける好内容を消化し、仕上がりに関しては前回よりさらに上向いた印象。今回200m距離が短縮されるものの、4度のコーナーリング、直線の長は同じで、前2走の経験が生かされること確か。少し上がり時計がかかり、ラスト1Fでモツれるような展開になれば、長く良い脚を使うこの馬の持ち味発揮のチャンス。3コーナーまで脚を貯めて直一気の台頭に期待。
◆土曜中山11R・フラワーC(GIII)
・サクラプレジール
1週前はコースでの調教になったが、古馬準オープンのフラワーロックを追走してアオりぎみ。今週は坂路で追い切られ、ヴュルデバンダムに大きく先着して、スピード感満点の走り。デビュー前から動きの良さが目立っていた馬だが、今回も好調子をキープしている。前走は好スタートから好位で折り合い、直線で楽に抜け出すという、直線で楽に抜け出すという、センス溢れるレースぶり。只者ではないという印象を受けた。
◆土曜中山9R・鎌ケ谷特別(1000万下)
・ウィケットキーパー
3か月ぶりで臨んだ前走の500歳下。馬体戻って+14キロ。スタートの悪い馬がめずらしく五分。気性の難しさもまったく見せず直線を向いて仕掛けると一気に伸びて、着差ハナでも強い内容での勝利。晩生型と思われていたタイプらしく精神面での成長を感じさせた。前走時の調教は馬体減りを考慮して控えめの稽古だけのうえ、直前も5F71秒3〜上がり41秒7と軽かった。しかし今回は1週前にダートで5F64秒6を追われ、直前はウッドで4F52秒0〜上がり38秒4を計示。攻め強化でも馬体充実。連勝有望。
◆土曜中山10R・韓国馬事会杯
・フラワーロック
重賞挑戦した後はリフレッシュ放牧、2月に帰厩してからは、意欲的に併せ馬を消化している。今週はポリトラックで、1秒6先行させた格下馬を馬なりのまま捕まえ、76秒4〜61秒4〜36秒3。1馬身先着した形でゴールしたが、当然追えばもっと突き放せていたはず。稽古は動くほうの馬だが、それでもこの時計・動きは圧巻の内容。良い感じにリフレッシュされて、万全の状態が整っている。馬と喧嘩しながら、無理やり2番手に控えた前走は、不本意な競馬。前々走のように気分良くハナがベストパターン。すんなり行ける組み合わせと、状態の良さで巻き返しを狙う。
◆土曜中京12R・矢作川特別(1000万下)
・デルマダイコク
この中間も北馬場と坂路併用の仕上げだが、ひと叩きしたことで素軽さ一変。ここにきて気温が高くなったことも幸いし、だいぷ腹回りが締まったように映る。少し疲れがたまると早めに短期放牧に出されてきたが、その甲斐あって陣営の期待どおりに心身ともに大きく成長。事実、前走の中山戦では久々+昇級の不利を克服して勝ち馬と同タイムの3着。いきなリー千万でもメドを立てたのだから立派としていい。もちろん大幅な上積みを見込んでよく、左回りも大の得意。今の充実ぶりなら、1200→1400メートルに距離が延びても、十分に克服できるはずだ。