【栗東トラックマン情報】
◆日曜中京11R・高松宮記念(GI)
・ドリームバレンチノ
　前走シルクロードSはやや調教不足だと思っていたが、卒のないレース運びで快勝。理想的な前哨戦としての結果を得ることができた。今回は中7週と間隔が空いているが、調教量は十分。1週前追い切りでは坂路でジークジオンと併せて、4F51.9秒をマークしての大差先着。この時点で仕上がりの良さを見せていた。ただ今週は単走とはいえ、坂路4F55.2秒。最後も余力ない状態で1F13.1秒だっただけに、このあたりをどう評価するか。最終追い切りだけに関して言えば、前走時の方が良かった印象が残っている。

・ダッシャーゴーゴー
　負けらないオーシャンSは状態も良かったが、結果的には位置取りの差が勝ち馬に負けた印象。仕方ない部分はあるものの、差しに回って、あれだけの脚が使えたことを収穫と考えるべきだろう。今回は大幅な上積みはないが、能力を発揮できる状態はキープ。最終追い切りは坂路でアルゴリズムを追走する併せ馬だったが、最後の1Fで相手の余力がなくなってバランスを崩しながら走るところを、しっかりとした脚どりで駆け上がって、4F54.2〜1F12.8秒。さすがに攻め駆けするタイプとはいっても、重い馬場状態でこれだけ動けたのは馬の状態が良い証拠。年齢を重ねても衰えていない性能に期待してもいいのではないだろうか。

◆土曜中山11R・日経賞(GII)
・オーシャンブルー
　まだまだ若さが残る状態で昨年の有馬記念2着。年をひとつ重ねた今年は更なる飛躍も可能な器だと見ているが、現時点ではまだまだ完成の域に達するという感じではない。それは追い切り前の仕草などを見ていてのことだが、まだまだ楽しみがあるという意味での未完成という意味。CWコースでの最終追い切りでも十分に余力がありながら、ダノンバラードに先着。その差は僅かだったが、手応えは完全にこちらの方が優勢だった。調教本数も標準程度にこなせた今回、この仕上がりでどのくらいのパフォーマンスを見せてくれるか、楽しみな一戦となりそう。

◆土曜阪神11R・毎日杯(GIII)
・キズナ
　中間の調教量を増やし、馬体重を12キロも絞っての出走となった弥生賞。強い内容も5着という結果に終わり、賞金を加算することができなかった。そのため、このレースの出走という形になったが、気になるのは前走の疲れ。調教師、担当厩務員、担当獣医師は皆、疲れはないとコメント。最終追い切りは坂路馬場が時計の掛かる状態だったため、CWコースに切り替えられたが、速い時計をマークできた。併せた相手アップトゥデイトの状態が良く、わずかに遅れる形になってしまったが、特に問題ない。とにかくここは負けられない一戦、そんなレースになるだろう。

◆日曜中山11R・マーチS(GIII)
・ジョヴァンニ
　ダートに転戦してから、負けなしの4連勝。先行して押し切るという、自分の能力だけはきっちりと走れる脚質だけに、初めてのオープン挑戦、しかも重賞となっても、差し遅れるといったことはなさそう。間隔も中5週と十分に空けられており、中間の調教本数も十分。最終追い切りではエルダリオンと併せて遅れる形となり、時計は坂路4F56.4秒と遅い。この追い切り内容を単純に評価すれば、決して今回の状態が良いと言えないのだが、もともと攻め駆けしない馬。その判断が難しいというのが正直なところ。ただ、今回は重賞挑戦となるだけに、過剰人気になるようであれば、静観するのが妥当なところだろう。


【美浦トラックマン情報】
◆日曜中山11R・マーチS(GIII)
・ドラゴンフォルテ
　昨年末から3か月間で5戦目という厳しいローテーションとなるが、中間の気配は今の勢い。成長力を十分に感じさせるもので、20日の追い切りもまさにOP馬としての迫力を見せつけた内容。500万アルフェロアを3馬身追走から、直線1F軽く仕掛けて互角併入。5F69秒1〜3F39秒8〜1F13秒2の時計は平凡でも、1F並んでからグーンと重心が沈む走りは今までに見られなかった程の切れ味。まさに力を付けている証でもある。54キロのハンデは恵量とも言え、まして大得意の中山1800ならここも一気に通過の可能性大。

◆土曜中山9R・ミモザ賞(500万下)
・セキショウ
　2着続きだが、レースの反動や疲れは一切なく、この中間も入念な乗り込みを消化。今週はウッドチップで69秒0〜38秒5、最後まで手綱を動かすことなく、余力十分にゴールイン。480キロ台と牝馬にしては恵まれた馬格を上手に使い、迫力満点の走りを披露。状態の良さだけではなく、一戦ごとの成長ぶりも目立っている。初勝利は逃げ切り、前々走の2着は2番手から、そして前走は差しにっての2着と、どこからでも競馬が出来るのは大きな強み。不安材料はなく、今回は勝ち方に注目したい。

◆土曜中山10R・利根川特別(1000万下)
・ツクババンドーオー
　ここは11月以来の実戦となるが、牧場でもしっかりと乗り込まれた体つき。1週前の併せ馬では、格下のダノンエンパイア(500万)を1秒半追いかけて馬なりで併入。直前は調教師が手綱をとって、82秒4〜68秒7〜52秒7〜39秒4を軽くマーク。追えば弾けそうなムードがあった。まだ全体に気性が幼く、「前向きさに欠ける」とされてきた馬だが、格上げ戦の前走でいきなり2着と走れたように、ポテンシャルの高さは相当なもの。このまま順調に育てば、さらに上のクラスを狙える素質がある。ここはヒラボクマジックという決め手上位の強敵がいるが、その馬より前々で競馬ができるのは大きな魅力。もちろん中山1800メートルも守備範囲。チャンスは十分にあるはずだ。

◆日曜中山9R・千葉日報杯(1000万下)
・タツミリュウ
　前走の富里特別は、4か月半ぶりで＋18キロと太めのうえ57キロのトップハンデ。それでも4角で外から一気こられ2番手から5番手へ位置取りを下げながらも直線で盛り返えして0.1秒差の3着。次走は…を思わせた内容。今回の追い切りは終い重視ではあったが1F手前で軽く仕掛けると瞬時に反応して4F64秒3〜上がり38秒0。時計は前走時と同様のものだが、筋肉がキリッと締まり体の切れは一変。デキアップで定量戦なら負けられない。

◆日曜中山10R・常総S(1600万下)
・アロマカフェ
　前走が中1週、今回が中2週の競馬と、多少使い詰めになっているだけに、今回は控えぎみだが、それでも終い1Fは11秒台で、見た目以上の好時計。ハロー明けで走りやすい馬場だったとはいえ、キビキビした動きが目立った。調教を強化した前々走から競馬の内容が良化。今のデキなら速い時計の競馬にも対応できるし、タフな競馬が得意なだけに、多少でも馬場が荒れてくれば、鬼に金棒だ。