
ノスタルジックな福山競馬場
先週末、今月で終わる福山競馬に行ってきました。何度か新幹線や高速で通り過ぎることはあっても、ゆっくり滞在するのは初めて。岡山との県境にほど近いこの地。コンパクトにまとまった、過ごしやすい街ですね。かなり気に入ったのですが、悲しいかな、これが最初で最後の福山参戦となりました。
この日は快晴の日曜日。来場人員は3500人越えとのとこ。「お正月並みの大盛況」(福山競馬)だそうで、幼い子の手を引いた家族連れも多く見受けられました。この日、わたしは地元出身の友達と一緒に伺ったのですが、その方も「幼いころ、父親を探しに母と一緒に福山競馬に遊びにきたことがある」という人のひとりでした。「父は行き先を言わずに家を出て。でも、母は行き先が福山競馬場であることはすぐに察知したみたい。その日の午後、母は自分を連れて競馬場へ行ったところ、案の定、父は馬券を買っていた。でも、母はそれを咎めることなく、家族でワイワイとその日一日を競馬場でのんびり過ごしました・・・。懐かしいなぁ」うーん、ノスタルジー。すぐ近くには福山の方たちが成人式を迎える会場があるなど、かつてこの地は駅前に次ぐ地元の中心地だったそうです。いまはゆっくり時間が流れる地となりましたが、それでも福山競馬との別れを惜しむ人たちが絶え間なくやってくる姿を見ると、胸に響くものがありました。

大本命にはカイロスを
さて。運命の日を1週間後に控えたその日は、福山ダービーが行わました。本来なら5月に行われるはずの福山ダービー。馬主会の希望もあり、閉鎖前の3月に急遽、開催されただけよかったとはいえ、やはり切ないものがありました。季節はずれのダービーを優勝したのは大本命カイロス。実績的に申し分ないのでこれを本線に、相手はブラックタイド産駒のイワミノキズナとサイレントディール産駒のメイライトでまとめてみました。普段、地方競馬には馴染みがありませんが、よく知る馬たちの子供を見つけるとグッと親近感が沸きますね。こんな参加の仕方もアリだと思うのです。

季節はずれのダービーを優勝
これからさらにネットが盛んになったら、このようなスポットライトを浴びにくい馬の子供たちを追いかけやすくなることでしょう。それまでの間に馬券収入以外でも競馬が活気づくような仕組みができたならば、これまでとは少々違うかたちかもしれませんが競馬という文化は残るはずです。かたちはどうあれ、競馬が末永く多くの方々に愛されるよう願ってやみません。

カラフルブラッサム
さて。本拠地の栗東トレセンに戻りまして。今週、気になって仕方なかったのは、フラワーCを惨敗したカラフルブラッサムのその後。一番人気に支持されたのに、まったくいいところなしの内容でした。どうしちゃったの? 「中山競馬場の水があわなかったようです。レース前にカイバも食べなかった」と担当の久保田助手。これまで長距離輸送はクリアしてきたので大丈夫かと思いきや・・・、飲まず食わずでは戦えませんよね。残念無念。「それでもパドックではやる気を見せていたので、なんとかなるかという気もしましたが、やはり無理でした。今後は水をあらかじめ用意するなど、対策を打っていきます」(久保田助手)腹が減っては戦はできぬ、ですね。でも、敗因がはっきりしているから、次走は問題なく狙えるはずです!クラシック本番前に弱点が把握できたのは不幸中の幸い、と考えることにしましょう。次走は忘れな草賞を視野に入れて調整していくとのことでした。