世界各国の一流馬と一流ホースマンが一堂に会して覇を競ったドバイワールドCデー。メイダン競馬場の建設から3年目となった今年、日本からは4頭が出走。2010年ドバイワールドCのヴィクトワールピサ以来となる勝利を目指したが、いずれも栄冠には届かなかった。(取材・写真:沢田康文)
メンコを2重にしたジェンティルドンナ
もっとも期待を集めた昨年の年度代表馬ジェンティルドンナは、先に抜け出したセントニコラスアビーを捕らえ切れず、2着に敗退。世界デビューを華々しい勝利で飾る野望は叶わなかった。
現地での調整を順調にこなし、当日は花火の音に備えて装鞍所までメンコを2重にするなど万全の態勢でレースに臨んだジェンティル。日本とは異なるゲートの形状に戸惑い、枠中でキョロキョロとしている中スタートが切られ、道中は3番手。直線では伸びかけたが、爆発的な末脚は発揮されないまま、最後はアイルランドの古豪から突き放されてしまった。
レース後の岩田騎手は「弾むように走っていたので、芝は問題ありませんでした。いつもの切れが出なかったのは、休み明けと言うよりも、向こう正面でハミを噛んでしまった分かなと思います」と、唇を噛んだ。
岩田騎手は次こそ…
オルフェーヴルを破った実績から期待が高かった分、失望感が広がったが、歴史的激闘となったジャパンカップのVから約4か月の休み明けで、初の海外遠征。そして初のナイターレースでもあった。アウェーの地で世界のG1ホースたちを相手に立派に競馬をしており、悲観することは全くなく、今後への収穫のあったレースと言えるのではないだろうか。
「全然ダメというわけではなかった。外々を回っていた分も響いた」とは、管理する石坂調教師。宝塚記念での夢の3強対決、そしてその先には凱旋門賞の舞台が日本の貴婦人を待っている。
岩田騎手は、「