今年から新馬戦は生涯に一度しか出走できなくなりました。これによる効果、影響がどう出るか、しばらく注目していきたいところです。1着の賞金額を700万円と100万円アップさせたように、これを勝つことの意味はずっと大きくなるでしょう。各地でスタートする夏の3開催の新馬戦のレース数は減り、その分、2歳未勝利戦が増えました。同じ1勝でも新馬勝ちの価値が高く評価されていくのは間違いなく、それらの馬が、以後どんなステップを踏んでいくのか、今までと異なる傾向が生まれるのか、興味は尽きません。
素質を見極める、より高い資質を求めるという本来の新馬戦の意味がレースの中に凝縮されていくでしょうから、この生涯に一度という形式は、新馬戦への関心を強めていくでしょう。
それともう一点、新馬戦のレース数が減ることで、その分を他にまわすことが出来、例えば、除外馬対策にもつながるのではないかという期待が持てます。
事実、6月21日から始まる夏の期間の各地の3開催の番組をみると、3歳以上の500万条件レースが増えました。3歳未勝利戦は夏の期間はレース数が減っています。そして、例年よりひと月早く打ち上げとなり、競走馬のサイクルが早められています。この様に、ダービーからダービーへという競馬のサイクルを、より充実したものにする為の動きは確実なものになりました。若い馬のレースが早い時期から面白くなる、来春に向けてより一層の興味を引き出す方法が具体化されたことで、いつもとは異なる流れを感じる筈なのです。
これからデビューする若駒たちが、どの新馬戦を選んで出走してくるか、待ったなしの生涯に一度のチャンスですから、その選択には、慎重にして大胆な決意が求められるということです。何かが変わるでしょう。