エアグルーヴの近親でジャガーメイルと似た配合構成のミュゼエクスプレス
【2歳】
●トーセンカーネル(牡 美浦・中川公成 父スペシャルウィーク、母レディアップステージ)
母レディアップステージは現役時代、プリティポリーS(愛G2・芝10f)を勝ち、E.P.テイラーS(加G1・芝10f)2着、オペラ賞(仏G1・芝2000m)3着など、世界各国を渡り歩いて好成績を残した。娘のタガノミュルザンヌ(父アグネスタキオン)は、デビュー戦で鮮やかな追い込み勝ちを決め、2戦目のファンタジーS(GIII)で6着、3歳春の忘れな草賞(OP)で2着。全兄タガノラルフは2戦目に勝ち上がり、3戦目の中京2歳S(OP)で2着。このときの1着はエーシントップ(重賞2勝)、5着はミヤジタイガ(13年弥生賞-GII・2着)だった。2歳シーズンの後半は不振に陥ったが、立て直してくれば走ってくる馬だろう。母レディアップステージは「Alzao+Busted」なので、ディープインパクトの母ウインドインハーヘアとよく似た構成。スペシャルウィークとウインドインハーヘアの組み合わせといえばゴルトブリッツ(12年帝王賞-GIなど重賞4勝)がいる。同馬と配合構成が近い本馬には期待の持てる。
●トーセンシルエット(牝 美浦・菅原泰夫 父トーセンダンス、母トーセンビレッタ)
母トーセンビレッタは現役時代[1-1-0-0]という成績。2戦目の未勝利戦(ダ1150m)を勝ち上がった際は、外をマクって後続に2馬身半差をつける完勝だった。母が重賞3着馬、という血統的背景から考えても、無事ならば上級クラスまで出世していたに違いない。本馬の父はトーセンダンス。現役時代は未勝利に終わったが、ダンスインザダークの全弟という良血を買われて種牡馬となり、ディアアレトゥーサ(10年福島記念-GIII・2着)、ユウキソルジャー(12年菊花賞-GI・3着)などの活躍馬を送り出している。母方にRaise a Nativeを入れるのはダンスインザダークの成功パターン。弟のトーセンダンスも同様のパターンで成功する可能性がある。芝・ダート兼用のマイラー。
●プレスリー(牡 栗東・梅田康雄 父メイショウボーラー、母リヒター)
3代母がヒミノトップレディなので、トーシンブリザード(01年ジャパンダートダービー-GI、02年かしわ記念-GII、02年フェブラリーS-GI・2着)と同じ一族。「メイショウボーラー×フォーティナイナー」というダート向きの配合で、いかにも仕上がりは早そうだ。夏のローカルで仕上がりの早さを活かしてダート路線を歩めば、それなりに稼げそうな雰囲気はある。ダート向きのマイラー。
●ミュゼエクスプレス(牡 美浦・大江原哲 父ジャングルポケット、母エルフィンフェザー)
母エルフィンフェザーは年度代表馬エアグルーヴの半妹で、2代母はオークス馬ダイナカール。引退後は生まれ故郷のノーザンファームで繁殖生活を送っていたが、現在は平取町の坂東牧場に繋養されている。これまでに走った兄姉からこれといった大物は出ていないが、堅実に勝ち上がっているのはさすが。「ジャングルポケット×サンデーサイレンス×ノーザンテースト」の組み合わせはジャガーメイル(10年天皇賞・春-GI)、ダイワファルコン(12年福島記念-GIII)などと同じ。底力あふれる配合だけに重賞級の大物となる可能性を秘めている。芝向きの中長距離タイプだろう。
●ミュゼタイフーン(牡 美浦・大江原哲 父ハーツクライ、母ドーニングストーム)
父ハーツクライはStorm Birdを抱えた繁殖牝馬と抜群の相性を示しており、これまでに代表産駒のウインバリアシオン(11年青葉賞-GII、11年日本ダービー-GI・2着、11年菊花賞-GI・2着)を筆頭に、コレクターアイテム(12年アルテミスS)、ステラロッサ(11年スプリングS-GII・3着)、カラフルブラッサム(12年阪神ジュベナイルフィリーズ-GI・5着)、タガノミューチャン(12年ファンタジーS-GIII・5着)といった活躍馬を出している。本馬は母の父がStorm Cat、その父がStorm Birdなのでこのパターンに当てはまる。母ドーニングストームにはStorm Bird≒Far North 2×3という相似な血のクロスがある。Storm Birdの効用を強める働きがあるとしたらおもしろい。芝・ダート兼用の中距離タイプ。