桜花賞、ニュージーランドT、阪神牝馬Sなど追い切り診断
【栗東トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・桜花賞(GI)
・クラウンロゼ
デビューから芝1600mを使い続けて、3連勝。直線に急坂のある中山競馬場でも2勝を挙げている点を考えれば、阪神競馬場も全く問題なさそう。前走後は調整場所を栗東に移動。この中間はCWコースでの追い切りを重ねた。最終追い切りもCWコース。単走だったが、他厩舎の2頭併せが前方にいたため、少し引っ掛かり気味になるシーンもあったが、全体的にはまとまった内容。5F65.8秒は速い時計で、ラスト1F12.3秒も上々の伸び。前走時よりも強い攻め内容になっている点は評価してよいだろう。
・アユサン
前走チューリップ賞3着後は栗東に滞在。1週前追い切りはCWコースでジャパンプライドを追走して、長目の7Fから時計になって、6F79.1秒と速い時計をマーク。牝馬特有の馬体減りを気にする必要のない、雄大な馬体を武器に、強い攻め馬を重ねている。最終追い切りは単走だったが、丸山元気騎手が跨っての内容。今週は長目からは時計にならないようにセーブして入ったが、それでも6F81.8〜5F65.7〜4F50.9〜3F37.0〜1F12.4秒と速い時計になった。2週続けて、これだけの動きを見せられると、評価しないわけにはいかないだろう。
・ナンシーシャイン
前走フィリーズレビュー時はレース前々日に栗東入りし、阪神競馬場へは当日輸送というパターン。牝馬にとっては、決して楽な輸送パターンではなかったと思うが、きっちりとこなして、桜花賞への出走権を手に入れた。この中間は栗東に滞在。目立つような速い追い切り時計は出ていないが、日曜、水曜のリズムで追い切りを順調にこなし、調教本数も十分。牝馬にとってはこのリズムの良さが何より。最終追い切りも時計は遅いが、力強い走りで最後まで余力ある動きができた。中間の様子を見るかぎりは、前走以上の状態にあるように思える。
◆土曜阪神11R・阪神牝馬S(GII)
・ハナズゴール
美浦所属馬とはいえ、栗東滞在は慣れたもの。前走後は一旦、美浦へ戻っての調整となり、再度、栗東へ入厩する形となったが、特にトラブルもなく、順調に調整が進められている。1週前追い切りでは、4F51.4秒と速い時計をマーク。その動きにもさすがにパワーとバネを感じる走りだった。その分、最終追い切りはあまり時計を出さない調整となったが、それでも浜中俊騎手が跨ったこともあってか、ラスト1Fの瞬発力は見ごたえ十分。4F57.6〜1F13.2秒と数字は地味でも、躍動感たっぷりの走りだった。ここまで動ければ、十分に力を発揮できるだろう。
◆土曜中山11R・ニュージーランドT(GII)
・エーシントップ
前走シンザン記念快勝後、放牧に出されて英気を養い、栗東へ帰厩してからは、週1本のペースで追い切りを消化。1週前には坂路4F51.9秒と速い時計をマークし、この馬らしい、調教での動きの良さを見せた。最終追い切りには、今回からコンビを組む内田博幸騎手が騎乗。単走だったが、馬の感触を確かめる程度といった感じで、4F56.7〜1F12.8秒の馬なり追い切りだった。これまでは、最終追い切りを軽く仕上げるといったことが少なかっただけに、決してプラスになる最終調整とは思えないが、ここを叩いて次走という意味では、このくらいの仕上げがベターなのかも知れない。
【美浦トラックマン情報】
◆土曜中山11R・ニュージーランドT(GII)
・マンボネフュー
今回はマイルでの戦いに挑むが、一瞬の切れ味とスピード勝負型だけに距離の心配は皆無。スプリングS5着後すぐにここ目標として入念な乗り込みを消化し、中間は計2本も追い切り、3日の最終追いでは長めから確りとしたフットワークで駆け抜けている。6F87秒7-5F71秒2-3F40秒4と時計こそ平凡だが、ハードな日程の反動もなく万全の状態に仕上がっている。スタートさえ互角に出て、前半から巧くリズム良く、マイポジションでの追走ができれば上がり3F33秒台の決定力は一枚上のはず。得意の中山コースで一気に差し切る。
◆日曜中山11R・春雷S(OP)
・セイウンジャガーズ
前走は直線で外から被され、仕掛け遅れの形。それでいて上がりの速い競馬を差し切ったのは、着差以上に強い内容。好位からの競馬で勝てたのも、大きな収穫だった。その後も体を緩めることなく、意欲的な乗り込みを消化。今週は本馬場で格下馬を1秒4追走して、65秒5-37秒0。軽く仕掛けると、ラスト1ハロンを11秒4。走る気満々、張ち切れんばかりの体つきと、さらに状態を上げ、絶好調をアピールしている。貯めた脚を確実に末脚に変えられる馬、初の1200になるが、むしろ流れには乗りやすく、不安はなし。今の勢いなら昇級の壁も関係なし、単勝から狙っていきたい。
◆土曜中山9R・野島崎特別(1000万下)
・ウインクリアビュー
前走は牝馬同士とはいえ格上挑戦だった初音S。スタートで出遅れたが、後方でジックリ脚をタメ直線鋭く伸びて0.1秒差の3着。準オープンでも力の差を感じさせなかった内容。この中間は、さらに攻め強化して2週前にダートで5F65秒4。そして1週前の調教では同格のステアトゥヘヴンを6Fから3馬身ほど追走する意欲満々な内容で81秒8-上がり38秒2をウッドコースで計時。さすがに直前はポリで5F69秒0とセーブしたが、ハードな調教を消化してのもので万全の態勢。今の中山の馬場は追い込み有利。直線一気。
・セコンドピアット
直線で鋭い末脚を繰り出した前走の中山戦だったが、勝負どころで他馬に「のっかけられた」こともあって3着止まり。さらに、上位2頭に終始目標にされる不利があったことも事実で、必要以上に負荷のかかる可哀想なレースだった。しかしその後も北馬場と坂路併用で乗り込み、体調は依然として文句なし。ひと頃は440キロ台だった体重が、最近では460キロ台で安定しているように、馬体が大きく成長している様子も見てとれる。土曜の天気は微妙なところだが、非力感が薄れた今なら、多少は渋っても克服可能なはず。ここは再度牝馬限定戦。今度こそ負けられないところだろう。
◆土曜中山10R・湾岸S(1600万下)
・リリエンタール
昨年の函館以来の一戦になるが、1月下旬から入念な乗り込み。今週はツヴァイハンダーの内で素軽さ満点の伸び脚。元々仕上がり早タイプで動きに重さなし。力を出せる状態と思える。今イチ伸び悩んでいる現状だが、3才時はペルーサと共に青葉賞に挑戦した期待馬。このクラスで十分通用する能力があるし、水かきが付いていると言われるほどの重巧者。今週は天候も味方しそうだ。