マイラーズC、フローラS、福島牝馬Sなど追い切り診断
【栗東トラックマン情報】
◆日曜京都11R・マイラーズC(GII)
・カレンブラックヒル
前走フェブラリーSで15着に敗れた後、ノーザンFしがらきでの放牧を挟み、3月22日に栗東へ帰厩。月末から、坂路で15-15程度の時計を出し始め、CWコースでの追い切りも積み重ねてきた。最終追い切りは前走時と同じハーデスとの併せ馬。ただ追い切り場所は坂路からCWコースへ変更。相手がかなり前方を走ったため、直線でもかなりの差がある状態だったが、ラスト1F標識手前でその差はぐんと詰まって、最後は僅かに先着する形。前を捕まえるシーンはレースでの好走イメージが沸くだけに、追い切りを見るかぎりでは、前走のダメージは考えられない。
・クラレント
東京新聞杯を勝った後は、すぐに大山ヒルズに放牧。栗東へ帰厩したのは、3月20日だが、この中間は入念に坂路で乗り込まれている。最終追い切りは坂路でダノンマックインとの併せ馬。今回は初めて、岩田康誠騎手が追い切りに跨ったが、相手の脚色が良いままゴールし、最後はやや遅れた形でフィニッシュ。相手の状態が良かったこと、追走したことなど、考慮すべき点はあるが、やはり久しぶりよりもひと叩きした方がよいタイプなのかも知れない。ただ、同じ休み明けでもポートアイランドS時よりは調教量が豊富なので、無様な競馬をすることはないはずだ。
・ダノンシャーク
京都金杯から東京新聞杯を挟んだ昨年とは違い、今年は京都金杯を勝って、中間は放牧。3月21日に生田トレーニングFから栗東へ帰厩し、この中間も坂路での調教を積み重ねている。最終追い切りは坂路でラヴァズアゲインと併せる形。馬体を並べたままだったが、手応えでは相手がやや優勢。しかし、時計は4F53.7〜1F12.0秒と終いの数字は抜群。もともとラスト1Fの時計が速いタイプとはいえ、これだけ動けるのだから、ほぼ態勢は整っていると見てよい。ただ、昨年時に比べると、中間の調教本数は少なくなっている。なお、舌を出しての追い切りだったが、昨年時もそうだったので、これについては心配ない。
◆日曜東京11R・フローラS(GII)
・イリュミナンス
前走後は放牧に出され、ノーザンFしがらきから帰厩したのは、3月29日だったが、その放牧中に「前走で大きく体を減らしてしまったので、この中間はゆったりと間隔をとりました。距離は延びても大丈夫ですし、むしろ、その方が競馬がしやすいかも知れません」と松永幹夫調教師は帰厩前から、このレースへ向けての抱負を語ってくれていた。最終追い切りは坂路で単走。武豊騎手が跨っての追い切りとなったが、軽快な動きを見せて、4F52.0〜1F12.4秒。走りやすい馬場だったとはいえ、自己ベストを3秒以上縮める時計をマークしたのは、現状が充実しているからだろう。ただ、本格的な追い切りはこれ1本。初距離に対して、息切れしないか、その点だけは不安が残る。
◆土曜福島11R・福島牝馬S(GIII)
・オールザットジャズ
昨年と同じローテーションで出走する昨年の覇者。前走は大きく馬体重を増やしていたが、レース内容を見ると、決して太い体というわけではなかったのだろう。この中間も見た目の馬体は変わらず。最終追い切りはCWコースで角居勝彦厩舎らしい、3頭併せだったが、たまたま他厩舎の3頭併せと重なってしまい、直線はレースのような隊形。その中で一頭だけ脚色が違うのが、この馬。鞍上のC.デムーロ騎手が手綱を抑えていたが、前向きな姿勢を見せて、楽に先着。時計は遅かったので、高い評価はできないが、動きの良さは評価すべきだろう。
【美浦トラックマン情報】
◆土曜東京11R・メトロポリタンS(OP)
・トップカミング
人気こそないが、この馬は「穴」としての資格十分。とにかく気性が若く、まともに追い切れないようなタイプだが、だからこそ「実戦を使いながら仕上がる」が厩舎の方針。福島と中1週の今回は、軽めのキャンター+プール併用の調整だが、間隔があいた前走とは気配一変。すべての面で大幅な上積みを見込んでいい。さすがに重賞の定量戦では善戦止まりだが、オープン特別のハンデ戦なら軽くは扱えないはず。東京の2400メートルは条件ベスト。裸同然の53キロなら大きく狙う価値がある。
・クリールカイザー
前々走は直線一気に鮮やかな差し切り、前走はハナを切って力強く逃げ切りと、全く違う競馬で2連勝。ここに来ての充実ぶりは凄く、引き続き絶好調をアピールしている。今週はウッドチップで66秒3-38秒4、1秒4先行させたヤマチョウフェアを余力十分に捕まえてゴールイン。体全体を大きく使った力強い走りは迫力満点、軌道に乗り、本格化気配を見せている。広い直線でのびのび走れる東京コースのほうが断然に良い馬、一気のオープン挑戦でも期待のほうが大きく、まだまだ連勝街道は止まらない。
◆日曜東京11R・フローラS(GII)
・エバーブロッサム
18日の最終追い切りは南ウッドに入り、未勝利馬ラルゴスパーダを3馬身追走の形から、直線抜群の手応えで優勢併入。4F53秒2〜3F35秒6〜1F13秒4の時計は平凡でも、ラスト1Fはさすがの推進力。すでに1週前の11日に強めの内容を消化しており、息の入りは十分。絶好のローテーションに守られて、さらに状態面での上積みが期待できるほどで、ここに来ての成長力は十分だ。前走は不向きのスローの流れで、上がり3F34秒3の末脚で2着まで押し上げているように、ラストの決定力に関しては上位の存在で、脚質的にも東京コース替わり大歓迎。2000の距離は経験済みで、スタミナ面の心配も皆無。流れに乗って競馬さえ出来ればチャンス到来。
◆日曜東京9R・石和特別(1000万下)
・レッドクロス
前走の千葉日報杯。馬体は徐々に絞れてはきたがまだ太め。前2走同様に発馬が悪く最後方から。直線大外へ出し一瞬鋭く伸びて4着。休養明け後は一戦ごとにレース内容が良くなり次走への期待を感じさせた。今回は中2週のレースになるが、順調に乗られ、絶好の手ごたえで5F67秒5〜上がり37秒6の好時計をマークした。今回ほど終い切れのある走りを見せたのは初めて。デキが違ってきたうえ2勝している東京コースで全開。
◆日曜東京10R・府中S(1600万下)
・ジョングルール
勝ち味に遅い面が目立つが、元々オープン級の能力を持った馬。勝ちハグッているだけで、上のクラスでも十分通用する馬。ここでは、むしろ格上的存在と思える。サンバジーリオが追わなかったせいもあるが、1F11秒台の脚で大きく先着。迫力ある動きが、ひときわ目についた。冬場は510キロ台の馬体でレースをしていたが、気温の上昇と共に絞れてきた感がある。今回は状態面も良化。