【栗東トラックマン情報】
◆日曜京都11R・天皇賞(春)(GI)
・トーセンラー
　デビュー以来、最高馬体重だった前走京都記念だが、それで結果が出たことを考えると、460キロ台がベスト体重と考えるのが自然。普段の調教から、大きなフットワークが目につくだけに、可動域の広い走りを支えるだけの筋肉がついたという感じだろうか。最終追い切りもフットワークの良さは目立っていた。メイショウクロオビを追走する内容だったが、すぐに追いついて、馬体を併走する形で直線へ。手前を替えると、メイショウクロオビを一瞬にして置き去り。相手にも余力があり、1馬身以上の着差はつかなかったが、機敏な動きで、前走時より反応良い走りに見えた。

・アドマイヤラクティ
　前走ダイヤモンドS1着後はノーザンFしがらきへ放牧に出されて、帰厩してからの調教量は豊富。前走の疲れを癒し、今回へ向けての準備は万端といった調教内容になっている。1週前追い切りには岩田康誠騎手が跨ったが、折り合い抜群の動きを披露。最終追い切りはいつもと変えず、調教助手が跨っての単走だったが、時計は速く、特に気になるような点はない。ジョッキーと折り合っていた1週前の追い切りから、直線では豪快に伸びてくるイメージが沸く。

・デスペラード
　安達昭夫調教師も直線に坂のある阪神競馬場への不安があった前走だが、後方から直線に託す決め脚で2着。賞金加算も叶い、収穫あるレース内容となった。今回は得意の京都競馬場。中間の追い切り内容も、非常に順調に進んでおり、最終追い切りには、1週前追い切り同様、浜中俊騎手が跨っての調整。1週前に非常に速い時計をマークしていたので、最終追い切りはさほど速い時計ではなかったが、前走時よりは速い数字。本番に向けて、調教内容はまず万全といったところだろう。

・カポーティスター
　初めての中山競馬場、初めての2500mを無難にこなした、前走の日経賞。馬体は6キロ減っていたが、京都記念での負けを考えると、2走前が重かったのかも知れない。この中間もノーザンFしがらきへ放牧へ出されていたが、帰厩してからの調教内容が秀逸。1週前追い切りで坂路2F24.7秒とこれまでの自己ベストを更新したかと思えば、最終追い切りでは2F24.3秒。矢のような伸びを見せた今週の動きは、まさに馬が成長している証。この中間の充実ぶりは見逃すことができない。

◆土曜東京11R・青葉賞(GII)
・サトノノブレス
　これまで大きく崩れたのは、東京スポーツ杯2歳S時の6着。いちょうSでは2着しているのだから、東京競馬場がうんぬんという次元ではないと思うが、調教内容から見ると、6着時との共通点がある。それは最終追い切りが坂路という点。ちなみに、いちょうS時はCWで最終追い切り。前走時も坂路で最終追い切りを行って、若葉S3着という実績があるのだが、前走と今回の違いは、ラップの踏み方。ラスト1Fが最速だった若葉S時に対して、今回と東スポ時はラスト1Fが最速ではなかった。追い切りの動き自体は決して見た目に悪くない今週だが、細かな点を比較すると、決して楽観できる状況ではない。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜京都11R・天皇賞(春)(GI)
・フェノーメノ
　4月11日と18日に併せ馬を消化していることもあり、24日の最終追いは単走でユッタリと流す感じの内容で終始。6Fから16秒台のペースで行き、4F過ぎから徐々にペースを上げ、直線は持ったままの手応えで、6F84秒7-5F68秒6-3F39秒8-1F13秒2の時計で駆け抜けた。馬場入りする前、角馬場に入念に乗り、追い切り後は再び角馬場に入れて息を整える念の入れよう。とにかく中間の落ち着き具合が素晴らしく、肌つやも文句なし、まさにデビュー以来一番のデキにあると言っても過言でない程万全の仕上がり。今のテンションの良さを当日まで維持できれば距離の克服に大きなプラスとなるはず。相手は一頭。切れ味勝負なら劣ることなく、今のデキの良さを持ってすればビッグチャンス。

◆日曜東京11R・スイートピーS(OP)
・ダイワストリーム
　2月以来の競馬になるが、先週までに6ハロンから3本の時計をマーク。直前ということで今週は調整程度に留めたが、ウッドチップで71秒1-40秒2。3頭併せの大外で相手に胸を貸しながら、余力十分にゴールイン。牝馬とは思えないほどの好馬体の持ち主で、その体を大きく使った走りは迫力満点。動き・馬体ともに重苦しさは一切なく、不安のない状態が整っている。スローから瞬発力争いになった前走は、終始外々を回され、上がり33秒6の脚を使っての4着。どうしようもない展開で評価下げは禁物。距離延長は大歓迎、オープン特別とは言ってもほとんど1勝馬のここなら、素質の違いを見せつける。

◆土曜東京11R・青葉賞(GII)
・ダービーフィズ
　道中ゴチャつく中山よりも、直線勝負に賭けられる東京コースのほうが、明らかに向いている馬。前走後はこのレースを目標にジックリ調整され、ひと追いごとに動きが良化。今週は古馬のディサイファと併せ、力強い伸び脚を見せた。小回りコースをいうことで、道中早めに動いた前走は、終い失速してしまったが、一線級相手に見せ場十分のレースぶり。東京コースで、この距離なら、持ち味がフルに生きる。

◆土曜東京9R・陣馬特別(1000万下)
・マイネルリヒト
　休養明けの箱根特別から3戦したが、毎回控えめの調教だけで馬体が絞れず。前走の安房特別も、前々で競馬をさせたくて好位でなし崩しに脚を使い、坂を上がってからスタミナ切れ。今回の追い切りはスタミナ強化を図って積極的に追われ5F63秒7-上がり35秒3の好時計。最後の1Fも休養明け後では初めてビシッと追い11秒9。反応は素晴らしく気合、馬体のハリ共に一変。トモの甘ささえ解消すれば1000万でも楽に通用の能力。大駆けの可能性十分。

◆土曜福島11R・飯坂温泉特別(1000万下)
・トウショウギフト
　久々の前走は「ひと追い足りない」状態。さらに、出負けもしてしまったが、早めに好位をとりに行く積極策で、4コーナーでは3番手まで進出。直線に向くと一気に加速して、後続を4馬身突き放す大楽勝。能力の高さを見せつけた。もちろん叩いての上積みは相当に大きく、直前の追い切りでは、長めからグングン飛ばして、97秒8-82秒2-66秒4-51秒6-38秒1を豪快にマーク（一杯に追う）。これまでは詰めの甘さに泣いてきたが、休養は挟んで心身ともに大きく成長している様子が見てとれた。もともとが追い込み型なだけに、極端なスローになると危険もあるが、小回り福島なら適度に流れてくれるはず。となれば、一千万でも十分に足りる。