◆東京湾カップ
(5月8日 船橋 サラ3歳 別定 南関東SIII 1700メートル)
「東京湾カップ」は、平成16年から5月上旬にレース時季変更(かつては12月実施)。以後、クラシック最終トライアルとして(主に東京ダービー)貴重な役割りを担ってきた。船橋千七→大井二千。左回り、右回りの違いもあり、直接結びつかないイメージだが、その優勝馬、現実に16年アジュディミツオーが東京ダービーを勝ち、18年シャイニールック3着、22年マグニフィカ3着だから、十分価値がある前哨戦といえるだろう。「京浜盃」→「羽田盃」の結果を受け、ほぼ勢力図が固まった印象の今春3歳戦線。アウトジェネラル、ジェネラルグラント、ソルテ、インサイドザパーク…。しかしここでもうひと駒加われば、もちろんさらに面白くなる。東京ダービー6月5日。今回好走馬はステップの点でも理想的だ。
(1)…波乱含み。1人気[1-3-2-3]、2人気[2-1-3-3]、3人気[2-0-2-5]。1人気優勝はシャイニールックだけで、そもそも1→2人気の決着が1度もない(過去9年・馬複)。
(2)…地元優勢。船橋=7勝、2着7、3着3と断然優勢。ただ川崎も出走頭数(アベレージ)からは優秀で、2勝、2着2、3着4。以下、大井=3着2。浦和所属馬は好走例がない。
(3)…上昇馬。過去9年、連対18頭中10頭が、ここが重賞初体験。成長株が頭角を表わすレースといえる。直前のクラウンC優勝馬は案外出走例がなく20年モエレラッキー3着だけ。
(4)…先行有利。逃げ=4、先行8、差し=5、追込=1。スロー~平均ペースが多く、道中前々が理想。ジョッキー(今回騎乗)では石崎駿、真島Jが1勝ずつ。川島正厩舎3勝、佐藤賢、山浦厩舎1勝。
※データ推奨馬
◎イヴアルブ…デビューから3戦3勝の川崎所属馬。いずれも3~4コーナーから捲る競馬で圧倒的なパワーをみせてきた。船橋コースも前々走克服済み。父シニスターミニスターはエーピーインディ系でダート中距離向き。今後地方競馬でブレイクしそうなムードがある。
☆ ☆
◎アメイジア 56吉原
○イヴアルブ 55山崎誠
▲エスケイロード 56張田
△トーセンギネスオー 55江川
△キタサンオーゴン 56石崎駿
△リアライズリンクス 55左海
△ヴェリイブライト 55真島
フルーツサンデー 53戸崎
ファイアーベル 55酒井
ドリームキングダム 55楢崎
アメイジアの実績と能力を素直に買った。前走クラウンカップは4馬身差圧勝劇。厳しい流れ(千通過61秒7)を外から捲り切っただけに価値があり、千六=1分42秒8の時計自体、同開催古馬準オープン級と遜色ない。540キロ超、見映えのする黒鹿毛の巨漢で、フットワークもきわめて豪快。イーグルカフェ×ジェイドロバリーなら、ダート中~長距離まさしくベストのタイプだろう。地元船橋[2-1-2-0]、平和賞2着も含め着外知らず。再びすっきり勝てればダービーでも脈が出る。
イヴアルブも夢が大きい。前述通り3戦全勝。アメイジア同様、馬格(前走時502キロ)、走法に凄みがあり、母方アグネスタキオンだけに勝負強さ、瞬発力もイメージできる。大井未経験ながら、こちらもぜひダービーに出したい馬だ。クラウンカップ2~3着、エスケイロード、キタサンオーゴンはともに末脚勝負の個性派で、ここまでほぼ五分の実績。道中ある程度の位置がとれれば(中団前目)、主力2頭に肉薄する。以下、距離延びてよさが出てきたトーセンギネスオー、実戦向きのセンスと切れでリアライズリンクス、ヴェリイブライト。紅一点フルーツサンデーも父クロフネ、戸崎Jでソコソコ人気を集めそうだが、ごく客観的には胸を借りる戦いか。