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狙うはクラシック!名牝レーヴドスカーの娘レーヴデトワール

  • 2013年05月08日(水) 12時00分
●アールプロセス(牡 美浦・萩原清 父ネオユニヴァース、母マチカネハツシマダ)
 半兄にダークシャドウ(父ダンスインザダーク/11年毎日王冠-GII、11年エプソムC-GIII)、チョイワルグランパ(父マンハッタンカフェ/10年シリウスS-GIII・3着)、ユノナゲット(父フォーティナイナー/OP)、ダノンブライアン(父ブライアンズタイム/準OP)などがいる。母マチカネハツシマダは繁殖牝馬としての能力が高いので何を付けてもそこそこ走ってしまう。ネオユニヴァースとの組み合わせはHalo≒Sir Ivor 3×4が生じ、2代母の父Danzigは父と相性のいいのでおもしろい。芝向きの中距離タイプ。

●アンヴェイルド(牡 美浦・戸田博文 父ディープインパクト、母ヴァイオレットラブ)
 半姉コイウタ(父フジキセキ)はヴィクトリアマイル(GI)の勝ち馬で、全兄ベールドインパクトは京都記念(GII)や京都新聞杯(GII)で2着の成績がある。本当に良くなるのは古馬になってからかもしれないが、早くに完成するようなら兄以上の成績も。

●サングレアル(牝 栗東・松田博資 父ゼンノロブロイ、母ビワハイジ)
 ブエナビスタ(父スペシャルウィーク/11年ジャパンC-GIなどGIを6勝)、ジョワドヴィーヴル(父ディープインパクト/11年阪神ジュベナイルフィリーズ-GI)、アドマイヤオーラ(父アグネスタキオン/07年弥生賞-GIIなど重賞3勝)、アドマイヤジャパン(父サンデーサイレンス/05年京成杯-GIII)、トーセンレーヴ(父ディープインパクト/12年エプソムC-GIII)の半妹にあたる良血。「ゼンノロブロイ×Caerleon」は過去に成功例がないものの、繁殖牝馬として別格のビワハイジ産駒なのでそうした例にあてはまらない可能性も。

●シュターツオーパー(牡 美浦・大久保洋吉 父シンボリクリスエス、母ディーバ)
 阪神C(GII)2連覇など4つの重賞を勝ったサンカルロの全弟。半兄にはヘルデンテノール(セントポーリア賞-3歳500万下)がおり母の能力の高さがうかがえる。父シンボリクリスエスはMr.Prospector、セクレトと相性が良好。全兄と同様の活躍を期待したい。

●タマモビッグプレイ(牡 栗東・南井克巳 父フジキセキ、母ホットプレイ)
 タマモホットプレイ(04年スワンS-GII、シルクロードS-GIII)、タマモベストプレイ(13年きさらぎ賞-GIII)など5頭の全きょうだいは例外なく走っている。フジキセキとPrincely Giftのニックスに加えて、Le Fabuleux≒Worden 3×5が生じる効果が大きいからだろう。この馬も確実に走ってきそう。

●ハリウッドセレブ(牝 栗東・大久保龍志 父ジャングルポケット、母マンハッタンセレブ)
 忘れな草賞(OP)を勝ったセレブリティモデル(父キングカメハメハ)の半妹で、新馬戦でミッドサマーフェアを破った素質馬サトノグロリアスの全妹にあたる。母はマンハッタンカフェの全妹で繁殖牝馬としてハイレベルな資質を誇る。アプリコットフィズ(重賞2勝)とは父が同じで母同士が全姉妹の関係。

●パリーアーク(牡 美浦・加藤征弘 父ディープインパクト、母ムーンライトダンス)
 全兄ムーンリットレイクは脚が丈夫ならとっくに重賞を勝っているだろう。母ムーンライトダンスは愛インターナショナルS(愛G3)の勝ち馬で、その半兄に愛ダービー馬Grey Swallowがいる良血。この時期に馬名登録できるのは脚もとに異状がない証拠で、兄よりもはるかに順調にきているので楽しみ。

●ブロンシェダーム(牝 栗東・橋口弘次郎 父ディープインパクト、母スリープレスナイト)
 母スリープレスナイトはスプリンターズS(GI)を含めて3つの重賞を制した名牝。父ディープインパクトは短距離型の牝馬と相性がよく、「ディープ×クロフネ+Nureyev」なのでチューリップ賞(GIII)3着のメデタシと似ている。メデタシの母は未勝利馬だが、こちらはG1馬で、なおかつKatiesにさかのぼる名牝系なのでメデタシのはるか上を行く可能性は十分。

●ボージェスト(牝 栗東・友道康夫 父キングカメハメハ、母アドマイヤグルーヴ)
 母アドマイヤグルーヴ(03、04年エリザベス女王杯-GI)、2代母エアグルーヴ(年度代表馬)、3代母ダイナカール(83年オークス)という超良血。ルーラーシップ(12年クイーンエリザベスC-香G1など重賞5勝)の4分の3同血で、「キンカメ×サンデー×トニービン×ノーザンテースト」なのでミッキードリーム(10年毎日杯-GIII・2着、11年毎日王冠-GII・3着)と配合が酷似している。全姉アドマイヤセプターは気性の難しさゆえに短距離向きとなっているが、それでも重賞で上位争いを繰り広げているので素質は高い。気性に問題がなければ期待大。

●マナオラナ(牝 栗東・石坂正 父キングカメハメハ、母スカーレットレディ)
 全兄ソリタリーキング(父キングカメハメハ)は東海S(GII)、日本テレビ盃(Jpn2)の勝ち馬。半兄ヴァーミリアン(父エルコンドルパサー)はダートGIを8勝した希代の名馬で、ほかにサカラート(父アフリート/ダート重賞4勝)、キングスエンブレム(父ウォーエンブレム/シリウスS-GIII)、スカーレットベル(父エリシオ/5勝)など兄姉は父を問わず走りまくっている。母スカーレットレディは中距離向きのダート適性を伝えるが、本馬は牝に出たので芝をこなす可能性も。

●レーヴデトワール(牝 栗東・松田博資 父ゼンノロブロイ、母レーヴドスカー)
 レーヴディソール(父アグネスタキオン/10年阪神ジュベナイルフィリーズ-GI)、アプレザンレーヴ(父シンボリクリスエス/09年青葉賞-GII)、レーヴダムール(父ファルブラヴ/10年阪神ジュベナイルフィリーズ-GI・2着)、レーヴドリアン(父スペシャルウィーク/10年きさらぎ賞-GIII・2着)、ナイアガラ(父Fantastic Light/06年すみれS-OP)と、上は全頭漏れなく走っている。体質の弱さを伝えるのは玉に瑕だが、母レーヴドスカーの繁殖牝馬として特別な能力を備えている。父ゼンノロブロイと相性がいいRiverman、Blushing Groomを抱えているので本馬は確実に走ってくると思われる。GIを狙える素材だろう。

●ダイワレジェンド(牝 美浦・国枝栄 父キングカメハメハ、母ダイワスカーレット)
 母ダイワスカーレットは有馬記念(GI)、桜花賞(GI)、秋華賞(GI)、エリザベス女王杯(GI)を制した女傑。その4分の3兄にダイワメジャーがいる。初子のダイワレーヌ(父チチカステナンゴ)はイマイチだが、本馬の父は名牝相手に無難に結果を出しているキングカメハメハなので楽しめそうだ。芝向きの中距離タイプ。

●テスタメント(牡 美浦・小島茂之 父ディープインパクト、母ブラックエンブレム)
 母ブラックエンブレムは秋華賞(GI)を勝った名牝。父としてのウォーエンブレムはそれなりの活躍馬を出しているが、“母の父”としてはまだ実績を残していない。ただ、本馬の3代母の父Vaguely Nobleは父ディープインパクトと相性抜群で、この組み合わせからカミノタサハラ、トーセンラー、レッドオーヴァル、ボレアスなど多くの活躍馬を出している。芝中距離でしっかり活躍しそう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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