●デルカイザー(牡 美浦・藤沢和雄 父キングカメハメハ、母シェリール)
半兄ムスカテール(父マヤノトップガン/13年日経新春杯-GII・2着、12年アルゼンチン共和国杯-GII・2着)、プールマシェール(父ジャングルポケット/1戦1勝)、全兄アヴェカムール(現1000万下)という血統。母シェリールはダイワカーリアン(重賞3勝)の半妹で、チューリップ賞(GIII)6着、忘れな草賞(OP)3着とそれなりの競走実績を残しており、繁殖牝馬としても優秀だ。「キングカメハメハ×サンデーサイレンス」という組み合わせで、2代母ジェドゥーザムールはヨーロッパのスタミナ血統。芝の中長距離に強そうだ。
●オベリスク(牡 美浦・田中剛 父フジキセキ、母コンポステラ)
母コンポステラはCharedi≒Great Above 4×3で、In Reality≒Great Above 5・4×3と見ることもできる。偏った配合構成なので繁殖牝馬としての可能性を感じる。これにフジキセキを交配した本馬は、ミルレーサー≒Gana Facil 2×4、Marston's Mill≒Image of Reality 3×4。父にはIn Realityが含まれるので前記のクロスもしっかり継続している。フジキセキとUnbridledの組み合わせは、少ないサンプルからアカンサス(12年福島牝馬S-GIII・3着)、トーホウアマポーラ(12年チューリップ賞-GIII・6着)、ロードクルセイダー(13年伏竜S-OP・2着)などが出ており成功している。ミルレーサー≒Gana Facilという組み合わせクロスの威力だろう。本馬はそれを一歩進めた配合(母の父エンパイアメーカーはUnbridledの息子)なのでおもしろい。ダート向きのスピードタイプとして期待十分。
●トリビューン(牡 栗東・野中賢二 父コマンズ、母トリプルピルエット)
父コマンズはDanewin(現役時代に豪G1を5勝し種牡馬としても成功)の全弟で、オーストラリアの歴史的名馬Octagonalの甥でもある良血。現役時代はG3を勝った程度だったが、種牡馬としては兄Danewinを上回り、04-05年のシーズンから豪種牡馬ランキングベスト10を外したことがない。09-10年のシーズンからはベスト5以内に定着している。本馬の母トリプルピルエットは「サンデーサイレンス×ミスタープロスペクター」という日本向きの血統。父コマンズは日本ではあまり成功していないデインヒル系だが、それをジャパナイズする働きがあるだろう。芝向きのマイラー。
●マサマサ(牡 美浦・伊藤正徳 父ロードアルティマ、母レディアドバンス)
父ロードアルティマは名種牡馬Gone Westの4分の3弟。Gone Westだけでなく、その全弟Lion Cavern、伯父Known Factなどもレベルの高い種牡馬であり、そうした資質が伝わっているのか、ロードアルティマは現役時代に重賞での実績がなかったにもかかわらず、種牡馬として素質の片鱗を見せている。初年度産駒わずか3頭のうち2頭が勝ち上がった。本馬の母レディアドバンスは未勝利馬だが、2代母サラトガデューは米G1を2勝した名牝で、その孫、つまり本馬の従兄弟には名スプリンターのロードカナロア(13年高松宮記念-GI、12年香港スプリント-GI、12年スプリンターズS-GI)がいる。スピード値の高い好配合馬で、1600m以下でいいところがありそうだ。
●レッドウォーリア(牡 美浦・藤沢和雄 父ゼンノロブロイ、母ダンスーズデトワール)
アルゼンチン共和国杯(GII)を勝ったルルーシュの全弟、ジュニアC(OP)を勝ったオメガホームランの4分の3弟。母ダンスーズデトワールはマルセルブサック賞(仏G1)の2着馬。父ゼンノロブロイはアメリカ血統過多ともいえる血統構成なので、ヨーロッパ血統が豊富なこの母は好ましい。サンデー系は総じてダンシングブレーヴと相性がよく、また、ゼンノロブロイはRivermanと相性がいいので、ふたつの好配合パターンを併せ持つ本馬は配合的に高く評価できる。芝向きの中距離タイプで大物感がある。