距離別によるスペシャリストの中でも、スプリント部門は、他より際立つ馬が出てきます。今は、ビリーヴですね。函館スプリントSを勝ち、これで10勝目。全部が1200mでの勝利で、ゆるぎない存在です。
京王杯SC、安田記念と、少し距離をのばしてみたものの、直線パッタリ止まるシーンが続きました。今回は、果して以前のスプリントが残っているのかどうか、大敗後だったので心配もあったのですが、そんな思いは完全に吹き飛ばしてしまいました。
それにしても、今年に入ってからの1200m戦でのビリーヴの走りっぷりには、以前にも増して鋭さが感じられます。早目に抜け出した函館スプリントSでは、気合が乗りすぎるぐらい乗っていて、安藤勝騎手が押え切れないほどでした。差し脚というイメージから、先行力へと変身したような、そんなビリーヴを見て、年齢とともにズブくなっていくのが多い中、こういうケースもめずらしいと思います。
特に牝馬ではこのケースが多いのが普通で、年を重ねてズブくなることで少しづつ距離をこなすようになっていくという話はよくあります。ところが、ビリーヴはその反対です。あくまでも1200mでなくてはということです。
秋は、中山のスプリンターズSを走ってターフを去るというスケジュールが決まっているようですが、スプリントG1・3勝という偉業達成となるかどうか、名スプリンターとしての名を一層高めて欲しいものです。
それと、ビリーヴのように、デビュー時より大幅に馬体が大きくなる牝馬は、確実に強くなっているということも、明言できます。454キロで競走馬としてスタートし、現在では480キロにはなろうとしています。5歳牝馬、充実の秋にはさらに大きくなっているとも考えられ、実に見通しは明るいものがあります。幕引きに向かって順調に踏み出してくれました。