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当たれば大きいトールポピーの娘オリエンタルポピー

  • 2013年05月29日(水) 12時00分
●アームストロング(牡 栗東・須貝尚介 父Bluegrass Cat、母ケープコーラル)
 父Bluegrass Catは現役時代にハスケル招待H(米G1・ダ9f)を勝った一流馬で、種牡馬としてはTeeth of the Dog(12年ドワイヤーS-米G2)、Kathmanblu(10年ゴールデンロッドS-米G2、11年レイチェルアレクサンドラS-米G3)、Sabercat(11年デルタダウンズジャックポットS-米G3)などを出している。昨シーズンの米種牡馬ランキングは64位、今年は現時点で36位なので着実に上昇している。軽いタイプなので母方に重厚なAllegedが入るのは悪くないだろう。また、Lasssie Dear 5×3という牝馬クロスや、She's a Winner≒Gone West 2×3もおもしろい。ダート向きのマイラーとして楽しめそうだ。

●アマゾンバローズ(牝 美浦・小笠倫弘 父マンハッタンカフェ、母リトルアロー)
 全兄アントニオバローズはシンザン記念(GIII)を勝ち、日本ダービー(GI)では3着となった。不良馬場を激走した影響なのか、その後の成績は振るわなかったが、騎乗した角田騎手(現調教師)が能力の高さを高く評価していた。本馬はその全妹。「マンハッタンカフェ×Kingmambo」という組み合わせはダイワバーバリアン(10年NHKマイルC−GI・2着、09年朝日杯FS-GI・3着)、タイセイウインディ(13年くすのき賞-500万下)と同じ。Kingmamboはキングカメハメハやエルコンドルパサーの父で、底力があるため、ハマればG1級の能力を発揮する。兄同様の活躍を期待したい。

●オリエンタルポピー(牝 栗東・角居勝彦 父キングカメハメハ、母トールポピー)
 母トールポピーはオークス(G1)と阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)を制覇した名牝。その全きょうだいにアヴェンチュラ(11年秋華賞-GI)、フサイチホウオー(重賞3勝)がいる。この3頭の成功の鍵はHornbeam≒Sunset 4×5。本馬の父キングカメハメハはHornbeamを持っているので継続している。配合的にはやや重さは否めないので、素軽さがあるかどうかが明暗を分けるポイントとなりそうだ。キングカメハメハ産駒でトライマイベスト=El Gran Senorの同血クロス(4×4)を持つパターンは、JRAで走ったわずか4頭からナサニエル(08年全日本2歳優駿-Jpn1・2着)、ツルマルワンピース(10年阪神JF-GI・5着)が出ているので注目したい。芝・ダート兼用の中距離タイプ。当たれば大きい。

●ディアデルレイ(牡 美浦・牧光二 父キングカメハメハ、母ディアデラノビア)
 母ディアデラノビアはフローラS(GII)など3つの重賞を制覇。その母ポトリザリスはアルゼンチンダービー(G1)、アルゼンチンオークス(G1)を制した女傑で、母の兄弟姉妹には3頭のG1ウィナーがいる(うち1頭は亜2歳牝馬チャンピオン)。活力あふれるファミリーなのでさらに枝葉を伸ばして発展していきそうな雰囲気がある。全姉ディアデラマドレは新馬戦で強い勝ち方をしたあと骨折してしまったが、素質の高さは誰の目にも明らか。それと同レベルの素質を受け継いでいれば重賞クラスまで出世可能だろう。芝向きの中距離タイプ。

●ワンダフルワールド(牡 栗東・高橋義忠 父タイキシャトル、母キャットアリ)
 半兄ヒラボクディープ(父ディープインパクト)は青葉賞(GII)の勝ち馬。
「タイキシャトル×Storm Cat」は成功しており、少ないサンプルからメイショウボーラー(05年フェブラリーS-GI、03年デイリー杯2歳S-GIIなど重賞5勝)、レッドスパーダ(10年東京新聞杯-GIII)、ツルマルオトメ(04年フェアリーS-GIII・5着)などが出ている。本馬はこのパターン。2代母にTom Foolが入ってFlaming Page≒Tom Fool 5×5を作るのはトラバント(ダートOP)と同じ。本馬にはCaroが入るので芝向きのマイラーだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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