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ダークシャドウがマイラーに近づいてきた/トレセン発秘話

  • 2013年05月30日(木) 18時00分
「子供ができて、中年に差しかかろうとしていたある時、突然気付いたんだ。最近なんだか親父に似てきたなって。そんな感慨はまだ訪れない?」

 02年のオークスを勝ったスマイルトゥモローは古馬になってから鞍上のコントロールが利かなくなり暴走を繰り返した。陣営も四苦八苦しながら調整していたさなか、管理する勢司調教師から冒頭の言葉を皮切りに以下の説明を受けた。

「心身ともに未発達のときには封印されていたものが大人になって顕在化するのは生き物の宿命。スプリンターだった母コクトビューティーの血が成長とともに目覚めた。前々からこうなると思って、最大限の配慮はしてきたんだけどね」

 それから数年後、馬券野郎も折り合いの悪かった父親の気質をしかと受け継いでいることを悟ったときはがくぜんとしたものだが…。血統的に短距離志向の要素も持っているダークシャドウが初めてマイル戦に挑む今回、スマイルトゥモローの一件が頭をよぎる。

「昨秋は今までの切れが見られなかった。ここにきて距離適性が短くなっているのか」(橋本助手)との感触はおそらく正解だ。兄弟はおしなべてマイラー。業界きっての“教育力”を誇る堀厩舎にあっても馬の本質を変えることはできない。

 もちろんダークシャドウのパフォーマンス低下理由に“年齢的な衰え”も考えられなくはないが、今もって馬体の張りや眼光などは若さあふれるもの。最終追い切りでも沈むようなフットワークが見られたとなれば…本領発揮の舞台でGIウイナーとなる可能性は十分あり。馬券野郎は穴馬として大いに注目している。

(美浦の馬券野郎・虎石晃)

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