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“長距離系の種牡馬の産駒は走る”橋田理論/トレセン発秘話

  • 2013年06月07日(金) 19時00分
 今春のGIではスズカフェニックス産駒のマイネルホウオウがNHKマイルCを、スズカマンボ産駒のメイショウマンボがオークスを勝つなど、現役時代、橋田厩舎に在籍した種牡馬の産駒が大活躍。スズカマンボについて当の橋田調教師がこんなことを言っていた。

「マンボみたいに天皇賞(春)のような長い距離のGIを勝った馬が種牡馬になった場合、そのほとんどが成功しているんです」

 その理由はこうだ。

「今や長距離戦はスタミナを競うレースじゃない。鞍上の指示に従ってジッと我慢して直線では短い距離で要求されるスピードと同じくらいの瞬発力が必要とされる。そうした操縦性とスピードを兼ね備えた馬が、種牡馬になった時、特性がうまく産駒に伝わって活躍する馬が出てくるんです」

 人気薄でオークスを勝ったメイショウマンボだが、“橋田理論”からすればさして驚くことではなかったのかも。

 エプソムCにもその理論に該当する“橋田ブランド”の産駒が出走する。ラスカルスズカ産駒のサンレイレーザー(所属は高橋忠厩舎)だ。

「ラスカルスズカは体が弱くて使い出しが遅くなったけど、デビュー5戦目の菊花賞でナリタトップロード、テイエムオペラオーに僅差(0秒1差3着)。翌年の天皇賞(春)でもオペラオーの2着でしたし、かなりの能力を持っていました」と橋田師。

 産駒が極端に少ない中から重賞で勝ち負けする馬が出てきたというのも長距離GIで好勝負してきたスピードと総合力を産駒にうまく伝えることができたから? 今は種牡馬を引退しているラスカルスズカだが、橋田ブランドの種牡馬が活躍するという今年のキーワードからしても…サンレイレーザーの一発があるかもしれない。
(栗東の坂路野郎・高岡功)

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