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松田博厩舎の例外?ハープスター(吉田竜作)

  • 2013年06月21日(金) 18時00分
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 今年もこうしてこのコーナーを持たせてもらえました。昨年に続き、今年もどうかよろしくお願いします。そして、記念すべき(?)13-14年度のトップバッターはハープスターから。あ、そこの君。「また、松田博かよ」とか言わない。定年まであとちょっとしかないので我慢してお付き合いくださいね(笑)。

 ご存知の人がほとんどだろうが、この厩舎はいわゆる「トラディショナルスタイル」。オーソドックスな順番で調教をしていくことが多い。よく言われるのがゲート試験の前後。普通は速い追い切りを行うとテンションが上がるため、ゲート試験合格後に時計を出すようにする。もちろん、松田博厩舎も例外ではない。だが、このハープスターはちょっと例外のようだ。

 日曜日の競馬の際、「キャロットの担当の人に言わなきゃいけないことがある」と松田博調教師が言うので、「ひょっとしてハープスターのことですか」と聞くとドンピシャリ。16日に坂路で15-15をやった(59.1-13.7秒)というのでその報告をしたい、とのことだった。

 よそでは普通にやることだろうが、この厩舎ではなかなか珍しいケース。あまり大げさなことは書きたくないが、「調教をやっていって仕上がったら使う」という馬がほとんど。このハープスターはトレーナーの腹の中でデビュー時期が決まっている?…つまり、すでにいろいろな青写真が胸の内にあるのだろう。それがどういうことを意味するのか…そのあたりは想像にお任せしたい。

 もっとも、至極まっとうな理由もある。調教の行き来は全兄ピュアソウルのように尻尾を軽快に振って歩くのだが、馬場に出ると途端に優等生然とするのだ。もちろん、ゲートでも同じ。「馬体もひと回り大きいが、このあたりがピュアソウルと違うところ」とは松田博調教師。

 ゲート練習でテンションが上がらないため、「ある程度調教をしても問題ない」のだろう。中留助手も「背中の感じもいいし、いい雰囲気をしてます」と高評価をしていた。中京開催の目玉となるのは間違いないだろう。

 また、函館にはグレートアイランドとウェーブゴールドの2頭が入厩。「どちらも大人しいという報告を受けている。近いうちにゲートも受けるんじゃないか」とのことだ。

 また、母アドアードは第2回産地馬体検査を受けてから「函館に入厩させるかも」とのこと。こちらもトレーナーの評価が高い1頭。続報を待っていてほしい。

 本来なら今週末の阪神芝1800メートル戦はクラシックの登竜門的な位置づけになるのだろうが、ご存知のとおり関西は2歳の始動が東に比べて大幅に遅れている。例年のようなPOG的な“ビッグネーム”はいそうにない。

 ただ、個人的に面白いと思って取材していたのがイダス。父スクリーンヒーローは初年度産駒で注目を集めるだろうし、半兄のマイネルホウオウはNHKマイルCまで勝ってしまった。もう馬券的な妙味も薄そうなので、サラッと書いてしまおう。「おっとりしているけど、気合をつけるといいんだ。追ってからもしぶい」と鳴海助手。これなら条件はピッタリと言えるだろう。

 ヴァンクウィッシュは川合助手が「柔らかくてセンスがいい」と早くから評価していた馬。血統的な魅力にもあふれる。イダスとこの馬で5倍は…つかないだろうなあ。

 最後に母ファーストバイオリン。実は公開ドラフトの直後に「ごめん。やっぱり母シーカーマの方がいいかもしれん」と藤岡健調教師に“釈明”されたのだが、入厩していざ動くと評価が再逆転。「やっぱり、あれいいわ」とのことだ。公開ドラフトを参考にして指名していただいた方々。これはいけるかもしれません。

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