今年もゲートにまつわる悲喜こもごもが繰り返されている。
この時期にゲート試験を受けるのは圧倒的に2歳馬が多いとはいえ、未出走の3歳馬もラストチャンスに向け、2歳馬と同じようにゲートに取り組んでいる。
そんな中、先週木曜(20日)に試験をパスしたのがアスターティアラ(牝3・加藤敬)。この時期までデビューが延びる馬は往々にしてアクシデントに巻き込まれているケースが多いのだが、この馬の場合はゲートでのトラブルに端を発している。
「早い時期にキュウ舎に入ってゲート練習をしていた馬なんですよ。当初からうるさいところはあったんですが、ある時いよいよどうにもならなくなって…。仕方なく後ろ扉を開けて出したら、暴れてラチに突っ込んでいってしまった。乗っていた人は直前に落とされて大けがにはならなかったんですが、馬の方はそのまま暴走してEコースのラチを跳び越そうとしたんです。前脚は乗り越えたんですが、後ろ脚が引っかかる形でラチに乗ってしまって…トモを骨折してしまった」(高井助手)
ただでさえゲートはサラブレッドにとって恐怖の対象となる。こうした事故が起きるとどうなるか?「もちろん、寄りつきもしなくなりましたよ」。そんな最悪の状況で、この高井助手がアスターティアラのゲート練習を任されることになり、苦難の末に「どうにか合格させてもらった」という。
「その間に全弟のアスターブラン(父クリストワイニング、母クィーンズアフェア)の方が先に受かっちゃったりしたけどホント良かった。かわいい馬で、ちょっと走りそうな感じもあるんです。あとは脚元とかがどうもなければ…。何とかデビューまで無事にいってほしい」と心底ホッとした表情で語ってくれた。
サラブレッドは経済動物ゆえ、走ることでしか自らの存在意義を表現できない。それがわかっているだけに、携わる人々もそれこそ命がけでゲート試験や普段の調教に臨んでいるのだ。一方でゲートの試験官といえば、今年も相変わらずのようで…。
金曜(21日)に2度目の受験で合格したのが松田博キュウ舎のハープスター(牝=父ディープインパクト、母ヒストリックスター)。
水曜(19日)に行われた最初の試験のスタートは「これなら落ちようがないだろ」と松田博調教師も自信を持っていたのだが、「出てから少しフラフラしていたからダメだって」という山口キュウ務員の報告を受けると顔色が一変。「ゲートの中でもおとなしいし、他の馬に迷惑をかけるようなスタートでもなかっただろ」と怒りをあらわにした。では合格した金曜の試験がどうだったかというと、松田博師いわく「水曜と同じようなものさ」。
もはやこの時期の当コラムの“風物詩”になっているゲート試験にまつわるトラブル。
命がけで練習に取り組む現場の人間がいる一方、合格の基準が相変わらず「人によってまちまち」で改善されないのはどうなのか? 試験を課す側は現場の声にもう少し耳を傾けてほしいものだ。
※本日は『トレセン発秘話』も更新されております。下部のバックナンバーからご覧ください。
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