宝塚記念は、馬力型のステイゴールド産駒にとっては格好の馬場となり、ゴールドシップが圧勝。今年を含め5年中、4年でステイゴールド産駒が宝塚記念を勝利しました。宝塚記念がステイゴールド産駒のためのレースであることは、血統に興味のないプレイヤーでもわかることでしょう。
しかし、今年宝塚記念に出走したステイゴールド産駒は3頭。宝塚記念のステイゴールド産駒の単勝オッズは2頭が3倍程度。ステイゴールド産駒が勝つことが明白でも、ステイゴールド産駒の単勝を全部買ったら、仮にどれかが勝利してもマイナス。
ステイゴールド産駒の馬連ボックスを買えば当然ハズレ。血統の傾向がわかったところで、ボクのように予想センスのない人間が宝塚記念に参加すれば確実に負けてしまうのです。(ちなみに、ボクもステイゴールド産駒の中で勝ち馬以外を本命にする、絵に描いたようなノーセンス予想で惨敗しました)
では、先週の日曜阪神で、競馬予想のセンスはないけれども、血統の知識は多少ある人間が馬券で利益を得るためには、どのレースに参加すべきなのでしょうか?
それは、宝塚記念ではなく、次のレース(最終レース)の鶴見特別です。同レースは2頭しか出走していないゴールドアリュール産駒が1、2着。馬連は27倍。単勝は勝ち馬が8.1倍。2着馬は8倍。つまり、両方の単勝を買い、どちらかが勝利しても4倍の払い戻しが期待できました。
血統派の亀(谷)が馬券を全力で買うレースは鶴(見)特別。(見)るレースは宝塚記念なのです。
と、くだらない語呂合わせと結果論を書いているわけですが、実はこの日のホームページで公開している予想では、鶴見特別だけを、唯一阪神競馬場の勝負レースに指定していました(芝は天気を含め馬場も読めなかったため)。結果論ではなく、レース前から、亀(谷)は、宝塚を見るレース。鶴(見)特別を買うレースに指定していたのです。
繰り返しになりますが、宝塚記念は仮に血統の傾向がわかっていても、該当馬をすべて買えばマイナス。しかし、鶴見特別はすべて買ってもプラスです。また、鶴見特別は1-3着がこの時期、期待値の高い3歳馬でした。
血統を重視して馬券を買うならば、そのコース、馬場に相性の良い血統を選ぶのはもちろんのこと「期待値の高いパターンに該当する馬を全部買っても儲かるレース」を選ぶことも、血統馬券戦術の基本事項なのです。そのことを、前半戦の最終レースで改めて実感した次第です。
なんて、たまたま先週だけうまく行ったところだけを都合よく書かせていただきましたが、今年の上半期の回収率は115%。昨年の150%には遠く及びません。センスのない人間でも当たる鶴見特別のようなレースの選択精度をより高めるべく、後半戦も基本通り「該当馬をすべて買っても儲かるレース」を選ぶように心がけ、幸運を待ちたいものです。
ところで、今週末のラジオNIKKEI賞が行われる福島芝1800mは、過去1年で最も産駒の勝ち星が多い種牡馬は、ディープインパクトと並ぶ3勝をあげているアポインテッドデイ。しかも3勝はすべて異なる馬。産駒はのべ7回出走して複勝率が100%。ここまで顕著な傾向が出るのですから、血統というのは実に面白いものです。
アポインテッドデイは父がロベルト系で母父がダンチヒ。現役時代最も高いパフォーマンスを示したのは中山芝1600mで行われた朝日杯FS(勝ち馬と0.1秒差の3着)でした。
ちなみに、グラスワンダーは同レースを制した馬。配合は父がロベルト系で母父がダンチヒ。同種牡馬の産駒も当コースの複勝回収率は130%を越える高い期待値。馬力型の血統と中山適性に優れた種牡馬は、当コースの期待値が高いようです。
【公開時間変更のお知らせ】 亀谷敬正氏の本コラム「血統ビーム的・傾向と対策」につきまして、次週7月5日より公開時間を18時に変更させていただきます。何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
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