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七夕賞、プロキオンSなど追い切り診断

  • 2013年07月04日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜福島11R・七夕賞(GIII)
・エクスペディション
 休養明けの前走鳴尾記念が2着。コーナー4つの芝中距離なら重賞でも通用するというところを見せた上、2011年に3連勝した夏競馬になったことで、人気になる要因は揃った。

 ただ、昨年の七夕賞は8着。この敗因を休み明けだったと分析すれば、ひと叩きされている今年は違う結果になる可能性も大きい。実際、昨年の最終追い切りは強さが馬なりだったのに対して、今年は一杯。一杯追いは昨年小倉記念1着時と同じなので、強さの変化は好結果に繋がるだろう。ただ、追い切りの動きを見ていると、他馬で混雑した時間帯だったこともあり、多少窮屈な走りに見えた。

・トレイルブレイザー
 2012年京都記念の覇者だが、近3走はなかなか結果を出すことができず、前走もドバイシーマクラシックで11着。帰国してからの復調が待たれている状態だが、1週前追い切りは走りやすいDPで、ティアモブリーオを追走して、なんとか先着したという感じ。

 そして、最終追い切りは、3頭併せの最後方から、最後の直線で先頭を走っていたロノと追い比べ。相手が前で楽をしていたということもあるが、手応えでは完全に見劣った。好調時の追い切りでは併せた相手を突き放すような走りができるタイプだけに、まだまだ本調子ではないのだろう。

◆日曜中京11R・プロキオンS(GIII)
・ガンジス
 前走フェブラリーS10着後は放牧に出され、ノーザンFしがらきから栗東へ帰厩したのは、6月20日。その翌日から坂路で15-15の時計を出しているように、牧場でも十分に態勢を整えての帰厩ということだったのだろう。

 最終追い切りはリーゼントブルースを追走する併せ馬。一杯になる相手に対して、終始余裕の手応えで先着。この動きを見ると、久しぶりでも、いきなり能力を発揮できそうな印象。1週前追い切りで、3歳馬に遅れた内容は少し気になるが、もともと併せ馬では遅れることが多いタイプだと割り切っていいのかも知れない。

・アドマイヤロイヤル
 G1レースで3着するなど、このクラスでも馬券に絡んだ実績は多かったものの、勝ち鞍がなかった。しかし、前走欅Sで待望のオープン初勝利。6歳という年齢ではあるが、勝った勢いには注目すべきだろう。

 放牧先のノーザンFしがらきから帰厩したのは、6月20日。そこから、4本の追い切りを重ねての出走になるが、レース間隔を考えると、決して少ない本数ではない。ただ、近3走で、今回のように、1週前もレース週も単走追い切りだったというケースはなく、併せ馬が行っていないという追い切り内容がどのような結果に繋がるかは微妙である。

・シルクフォーチュン
 近2走は芝に出走して、13着、5着。再びダート路線に戻ってきた形だが、レース間隔自体は昨年の同レース(5着)とあまり変わりない。

 そもそもレース間隔が空くと、善戦はできても、勝ち鞍がないタイプ。それでも昨年時の最終追い切りでは、ステッキが入って鋭い動きを見せていた。それに比べると、今年はソフトな仕上げ。馬の気持ちを優先するような、馬なりに近い仕上げだった。ただ、一昨年に同レースを制した時の最終追い切りでは、ステッキが5発も入れられるような目一杯の追い切りだっただけに、今回の仕上げを高く評価するわけにはいかない。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜福島11R・七夕賞(GIII)
・モンテエン
 昨年末以来で7ヶ月ぶりの実戦となるが、6月初旬から美浦での調教を再開。坂路中心の乗り込みから、下旬にはウッド調教も交えて急ピッチの調整。26日に坂路でビシッと追ってから、俄然動きがシャープになり、3日の最終追いでは1000万トーセンセカイオーを2馬身追走から、ラスト1F一気に抜き去り逆に3馬身先着。6F79秒8〜3F38秒0〜1F12秒8はウッドコースの時計としてかなり優秀で、伸び脚も文句なしだった。休みがちで調整が難しい反面、自らが馬体を造るタイプで、今回もキッチリ仕上がってきた。福島コースは3着が1回あるのみだが、一瞬の決め手が生かせるだけに何ら心配なし。55キロの軽量・横山典Jの勢いも買って大駆けに期待。

・マイネルラクリマ
 前々走は今回と同じ条件の福島民報杯を大外から一頭だけ違う脚を使い楽々突き抜けて圧勝。そして前走の都大路Sもスムーズに折り合い終いしっかり伸びて2着。今回は中間ひと息入れたが、急ピッチで乗り込まれ、1週前にビシッと追い、すでに馬体は仕上がり、直前は5F71秒2〜上がり39秒6と終い重視。柔軟なフォームで敏感に反応し、息使いは完璧に整った。

◆土曜福島9R・郡山特別(500万下)
・キングアドバンス
 前走のタケホープCは、7ヶ月半ぶりで+8キロと太めの馬体。さらにスタートで出遅れ、道中も気の難しさを出して参考外の大敗。前々走の未勝利戦ではムキになってハナを切り、それでも好位勢を突き放して快勝したように高い能力を持っていることは間違いない。この中間は速い時計こそ出していないがテンションが上がらないようにジックリと調整され、直前の追い切りも終いセーブして5F68秒7〜上がり40秒1。筋肉質の素晴らしい馬体は目を引き、気分良く走れれば一発の魅力十分。

・マイネサヴァラン
 前走の福島戦で500万を快勝。その後は降級するここまでじっくりと待機。直前はもう強く追う必要がないほどで、実にフレッシュな状態に仕上がっている。当日輸送がなく、またスピード能力を存分に生かせる福島とは、過去[2,2,0,0]と抜群の好相性。モマれ弱さがあるので、極端な内枠を引いた時がどうかだが、スムーズに先行できさえすれば、キッチリと結果を出せるタイプでもある。まだまだ伸びしろのある馬で、1分08秒台の速い決着になっても大丈夫。ここは連勝の期待十分といえるだろう。

◆土曜福島10R・松島特別(1000万下)
・ブリッジクライム
 降級戦で1番人気を裏切った前走だが、やはり間隔にしては調教量が少なかった。今回はウッドチップを67秒7-39秒7、ラスト1ハロンを14秒1とセーブしたのは、輸送を考慮したため。単走でも押さえ切れないほどの手応えで、前走時とは気合のりが一変してきた。秋華賞4着馬にしては足踏みしているが、1000万クラスでは力断然。ひと叩きの効果大きく、今回はアッサリと巻き返してくる。

◆土曜福島11R・天の川S(1600万下)
・オメガブレイン
 前走4月の中山・鹿野山特別快勝後はひと息入り2ヶ月半ぶりの一戦。仕上げ遅しの形となったものの、6月中旬から急ピッチの乗り込みで、追い切るごとに時計を詰め、ここ2週はスピード感十分の好内容。3日の最終追いでは500万アイズオンリーを4馬身追走から、ラスト1F抜群の手応えで併入し、5F66秒0〜3F38秒0〜1F13秒7の好タイムをマーク。これでキッチリ仕上がってくるはず。前走は珍しく逃げ戦法での勝利だったが、脚質に幅を増し、安定したレースぶりはまさに小回り福島コース向き。54キロの恵量、早めに動いても粘り込み可能な展開の有利さもあってここは2連勝の期待がかかる。

◆土曜函館11R・五稜郭S(1600万下)
・ネオブラックダイヤ
 中間はプール調整主体で、速い時計は今週の一本だが、併せたネオヴェリーブルに寄られる不利がありながら、押さえきれない勢い。気合の良さが目立つし、動きも素軽さ満点。好調子をキープしている。ここ2戦は6着に終わっているが、共に、0.1秒という僅差。オープンに入っても引けをとらない馬っぷりで、この条件は勝ち上がれる馬。早春Sのレースぶりなら、小回りも苦にしない。

◆日曜福島9R・織姫賞(500万下)
・セクシイスイート
 障害経験でパワーをつけたこともあって、以前とは稽古の迫力が一変。水曜の追い切りでも、格下を5ハロンで2秒追いかけて、持ったままで1馬身先着(67秒8〜52秒0〜38秒5)。文句のつけようのない動きを見せつけた。ゆったり流れる二千メートルを得意としており、すんなりと先手をとって、道中ハミを噛まずに折り合いさえつけば、驚異的な粘りを発揮する馬。牝馬限定の500万なら、穴馬としての資格は十分にある。今回は積極的な騎乗が光る吉田豊騎手(この厩舎の主戦待遇)を鞍上に指名。体調の良さを生かせば、残りめは十分にある。

◆日曜福島10R・彦星賞(1000万下)
・ジェベルムーサ
 ユニコーンSの回避はあったが、すぐに調教を再開。直前はウッドチップでケイツーノースと併せて、66秒4-37秒5。1秒5も追走していたため、半馬身遅れの形になったが、直線ビッシリと追えたのは好材料。脚もとの不安もなく、好仕上がりを見せている。末脚の爆発力はここでも1枚上の存在。展開に左右されるところはまだ残るが、ここは強力な先行勢が集まり、展開もドンピシャリ。状態・展開ともに不安材料はなく、昇級戦でも素質の違いを見せつけてくる。

◆日曜福島12R・尾瀬特別(1000万下)
・シルクオフィサー
 テンが速かったせいか、終いの時計が多少かかったが、それでもゴール前は迫力ある伸び脚。気合のりも良好で、現在の勢いを感じさせる動きを見せた。折り合い面に不安があるせいか、前走は逃げる作戦に出たが、千二の速い競馬なら、どんな競馬でもできるはず。今回は格上げ戦になるが、スピード能力は、このクラスでも通用するもの。短距離戦だけに、勢いで通用しそうだ。

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