乗り手の指示に従順で、予定した時計ぴったりに毎回追い切りを消化できる馬ばかりなら調教も楽だろう。だが、現実はそんなに生易しいものではない。引っかかり通しでまともに調教できない、口向きが悪く真っすぐ走らない…日々調教をつける関係者はサラブレッドと格闘しながら、トレーニングを課している。
時に馬場入りをゴネて立ち止まったまま全く動かなくなる馬がいる。最近ではスイープトウショウ(05年宝塚記念ほか)が有名だ。追い切り入り前にいったん止まってしまうと10分、20分…テコでも動かなくなる。ひどい時はまともに追い切りができず予定したレースを回避したことさえあった。
89年、桜花賞で武豊が伝説の追い込みVを決めたシャダイカグラにも馬場入りを拒否する面はあったという。
「稽古の前にちょっとでも嫌気を差すと全く動かない。そんな時はこっちが押したり叩いたりしたところで意味がないし、むしろ逆効果。あの馬は賢かったし、その気になるまでジッと待っていた」と話すのは当時攻め馬をつけていたという末永助手。走る馬ほど何かひと癖を持っているというが、これらはまさにそうした一面だったのかもしれない。
今週日曜のプロキオンSに出走するマルカフリートもこの中間、ウッドでの調教時、馬場入りをゴネる面が出てきたという。もともと追い切りで全く動かないなど、かたくななところがあった馬だが、それが強く出てきたようだ。これも能力のある馬が持つ個性的な一面? 今週は馬場入りの際、牝馬を1頭誘導係として帯同させ、なおかつコースもポリトラックに替えるという周到な準備でスムーズに追い切りを消化した同馬。「今週はすごく気分よく走っていた。これだけやれれば強気になれる」とは樋口助手だ。
58キロを背負っていた近2走から2キロ減となれば、上位争いは間違いない。走る馬特有の頑固なキャラクターを持った同馬の走りに注目だ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
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