【栗東】
◆ロードストーム(牡、父マンハッタンカフェ、母レディブラッサム、栗東・安田隆行厩舎)

偉大な兄を持つロードストーム
同厩舎で管理される半兄ロードカナロアは、2012年スプリンターズSを筆頭に、国内外のG1レースを4勝。それだけに「現時点で、偉大な兄と比べるのはかわいそう」と安田隆行調教師は常に控えめなコメントだったが、ここにきて「徐々に良くなってきましたよ」とトーンが上がり始めている。
7月3日の坂路で、来週デビュー予定のレッドアルヴィスと併せて同入。その時計は4F51.5〜1F12.6秒と、2歳新馬にしては、ずば抜けて速い数字。ここ最近、時計の出やすい栗東坂路ではあるが、スピード能力がなければ、ここまで速い数字は出せない。この追い切りからは、現時点でも大きな期待ができそう。7月14日(日)中京芝1400mを浜中俊騎手でデビューする予定。
◆アルーリングアイズ(牝、父ネオユニヴァース、母アルーリングアクト、栗東・藤岡健一厩舎)

アルーリングボイスの妹、アルーリングアイズ
母アルーリングアクトが1999年小倉3歳S(現小倉2歳S)、半姉アルーリングボイスが2005年小倉2歳Sを制している、早い時期から活躍できる血統。母も含めて、気性的に難しい血統という印象もあるが「現時点では、目立って悪いこともしないし、問題ありませんよ」と藤岡健一調教師。
7月3日の坂路では、古馬エーシンハーバーと併せて、2馬身ほど遅れたが、4F54.9〜1F12.9秒と動きはしっかり。5月にゲート試験に合格してから、しっかりと坂路で乗り込まれており、仕上がり状態に関しては万全。デビュー戦は、7月13日(土)中京芝1200mが予定されている。
◆キルフェボン(牝、父タイキシャトル、母フィールソーナイス、栗東・佐々木晶三厩舎)

川田騎手でデビュー予定のキルフェボン
半兄に2006年京阪杯など、芝短距離で6勝を挙げているアンバージャックがおり、近親にも、芝ダート問わず、短距離で活躍する馬が多い血統。
本馬は6月20日にゲート試験に合格。その翌週から本格的な追い切りが始まったため、先週、7月4日の坂路での古馬ヒシガーネットとの併せ馬では、どの程度動くか、注目されたが、半馬身ほど先着して、その時計は4F54.1〜3F39.0〜2F25.0〜1F12.1秒。この動きに「動くなあ」と佐々木晶三調教師も満面の笑み。追い切り本数は多くないが、すでに動ける態勢は整っている。7月13日(土)中京芝1200mを川田将雅騎手でデビューする予定となっている。
◆ハープスター(牝、父ディープインパクト、母ヒストリックスター、栗東・松田博資厩舎)
全兄ピュアソウルは芝1600mで2勝。近親の1993年桜花賞、オークスを制したベガ、2004年フェブラリーSを制したアドマイヤドンなどが、本馬と同じ松田博資厩舎で管理されている、厩舎ゆかりの血統。
本馬は7月3日にCWで古馬タガノエンブレムと併せ馬。先行していたこともあるが、最後まで相手を抜かせないで、6F83.1〜1F12.9秒の時計をマーク。新馬としては、水準以上の動きを見せている。デビュー戦は、7月14日(日)中京芝1400mが予定されている。
【美浦】
◆ツクバビューティ
(牝、父ゼンノロブロイ、母エスユーエフシー、美浦・戸田博文厩舎)
5歳上の半兄にオープン特別2勝、函館記念3着など活躍しているミッキーパンプキン。3歳上の半兄に現2勝のインプレザリオがいる。先週の7月4日は横山典弘騎手を背に本馬場(芝)で追われ、時計以上に素軽い動きを見せた。「軽いフットワークで前向きな気性。動きもいいし、血統的には長めの距離が良さそう」と戸田調教師。7月14日、福島の芝1800mを横山典弘騎手で予定している。
◆ハイアーレート
(牡、父ゼンノロブロイ、母スルーレート、美浦・大久保洋吉厩舎)
フレンチデピュティ産駒の母はGIIIフラワーC2着、交流GIIIクイーン賞3着など活躍した。姉の2頭は未勝利だが、母の産駒としては初めての牡馬ということで陣営の期待も高い。坂路とウッドチップで入念に追い切りを消化しており、調教量は十分だ。「まだ緩いところがあるけど、少しずつ良くなってきた。動き自体はまずまずといったところ。いい体つきをしているし、ゆかりの血統で期待している。何とかクラシックに行きたいね」と大久保洋吉調教師。7月14日、福島の芝1800mを吉田豊騎手で予定している。
◆ミュゼキングダム
(牡、父キングカメハメハ、母ラフォルトゥナ、美浦・大江原哲厩舎)
昨年の北海道市場セレクションセールにて3255万円で取り引きされた。父キンカメ×母の父SSの配合はローズキングダムをはじめ、トゥザグローリー、コディーノ、アドマイヤロイヤルなどが活躍している。春先に入厩して以降、ここまで時間をかけて十分に乗り込んできた。「坂路より、コースに入れると動きが変わる。段々と良くなってきたし、ゆったりと走れる距離が合いそう」と大江原調教師。7月14日、福島の芝1800mを田辺騎手で予定している。
◆レッドグルック
(牡、父メイショウサムソン、母クラシカルテースト、美浦・手塚貴久厩舎)
今春のファルコンSを勝ち、NHKマイルC2着など活躍しているインパルスヒーローの異父弟。伯父に重賞3勝のイブキマイカグラがいる。ゲート試験に合格後はポリトラックやウッドチップで意欲的に時計を出しており、ひと追い毎に動きも良化している。「サムソン産駒だし、スパッと切れるというよりは長く脚を使えそうなタイプ。丈夫でビシビシと追えているし、初戦から動けると思う」と手塚調教師。7月14日、福島の芝1800mを内田博幸騎手で予定している。