兄姉が走っている上に自身も好配合馬のレッドカイザー
●アドマイヤペトロ(牡 栗東・橋田満 父キングカメハメハ、母ジェダイト)
母ジェダイトは現役時代、忘れな草賞(OP)を勝ったほか、札幌2歳S(GIII)4着、フィリーズレビュー(GII)5着という成績を残した。繁殖牝馬としてこれまでに産んだサナシオン(父シンボリクリスエス)は2勝、カレングラスジョー(父キングカメハメハ)は1勝といずれも勝ち上がっている。血統面を含めて成績以上にポテンシャルの高さを感じる繁殖牝馬だ。2代母グリーンポーラは名種牡馬Green Dancerの4分の3同血で、半弟にAlhaath(英2歳牡馬チャンピオン、愛古牡馬チャンピオン)、甥にMakfi(10年英2000ギニー-G1、10年ジャックルマロワ賞-英G1)がいる超良血。キングカメハメハとの組み合わせでは、Green Dancer≒グリーンポーラ5×2という4分の3同血クロスが生じる。このクロスが高い能力を引き出せるようならおもしろい。
●ジョーエクスカリバ(牡 栗東・中竹和也 父ディープインパクト、母ジョープシケ)
NHKマイルC(GI)など3つの重賞を制したジョーカプチーノの4分の3弟にあたる。ディープインパクトはオンファイアの全兄なので、「ディープインパクト×フサイチコンコルド」は「オンファイア×フサイチコンコルド」とほぼ同じ血統構成となり、後者の組み合わせから出たウキヨノカゼ(13年クイーンC-GIII)のワンランク上バージョン、といえなくもない。フサイチコンコルドの父Caerleonはディープインパクトとニックスの関係にあり、この組み合わせからジョワドヴィーヴル、ダノンシャーク、カミノタサハラ、トーセンレーヴ、パララサルー、ボレアスなど多くの活躍馬が誕生している。母方にYour Hostが入るので底力の面でも頼もしさがある。芝向きの中距離タイプ。
●シエルエトワール(牝 美浦・武市康男 父ブラックタイド、母アンプリエール)
母の父バゴは凱旋門賞馬で、その父Nashwanは英二冠を制した名馬。Nashwanは名牝Highclereの孫にあたる良血馬で、父ブラックタイドもHighclereの直牝系から誕生しているので、本馬はHighclere 4×5という牝馬クロスを持っている。父の全弟ディープインパクトで大成功しているLyphardクロス、同じく相性のいいCaerleonが入るので、仕掛けどころが豊富な配合だ。母の父バゴは鈍重なところがあるものの、サンデーサイレンスとの相性は良好なので不安はない。軽快さがあれば楽しみ。
●メイショウコルノ(牡 栗東・河内洋 父マンハッタンカフェ、母アンノウンウォーターズ)
全兄メイショウクオリア(父マンハッタンカフェ)は京都新聞杯(GII)の勝ち馬。母アンノウンウォーターズは名馬アラジ(BCジュヴェナイルなどG1を4勝)と血統構成の50%が共通する良血で、繁殖牝馬として今後も期待できる。Blushing Groomを持つマンハッタンカフェ産駒には、ヒルノダムール、ベストメンバー、ヤマニンウイスカー、サンディエゴシチー、メイショウレガーロ、ココナッツパンチなどの活躍馬が出ている。「マンハッタンカフェ×Rahy×Mr.Prospector」は札幌2歳S(GIII)を勝ったサンディエゴシチーと同じ。全兄も走っているので確実性が高そうだ。
●レッドカイザー(牡 栗東・角居勝彦 父ゼンノロブロイ、母サセッティ)
半姉レッドセシリア(父ハーツクライ)は阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)3着、半兄レッドセインツ(父ディープインパクト)は新潟2歳Sで3着となっており、母サセッティは高いポテンシャルを産駒に伝えている。それもそのはず、母の半姉Winonaは愛オークス(G1)を7馬身差で圧勝した名牝。母の父SelkirkはイギリスのマイルG1を勝ったスピードタイプなので、その影響でレッドセインツはWinonaのような2400m向きではなく1800〜2000m向きに出た。本馬は父がゼンノロブロイ。母方にRivermanを持つゼンノロブロイ産駒には、トレイルブレイザー、ルルーシュ、アグネスワルツ、ゲームマエストロ、ミニーバローズといった活躍馬が出ている。配合構成が優秀で兄姉が走っているのでおもしろそうだ。